経営理念の決め方を解説!有名企業のパクリは問題ない?

広島県 大聖院の紅葉 撮影者:うさやん

「経営理念の作り方(決め方)が知りたい」

「経営理念の刷新を考えている」

という方に向けて、経営理念の決め方を、どこよりもわかりやすく解説いたします。

今回の記事では、

  • 経営理念の具体的な決め方(4つのステップと6つの質問)をご紹介。
  • 経営理念のパクリの是非や、パクリによる弊害について解説。

自社独自の経営理念は、どのようにして完成するのか?

早速見ていきましょう。

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経営理念の決め方

経営理念の決め方を4つのステップでご紹介します。

経営理念の決め方 4つのステップ

  1. 従業員とお客様の幸せを追求する6つの質問に、経営者が自ら答える
  2. 6つの質問の回答を実現するために必要な考え方、価値観を列挙する
  3. 価値観を凝縮した短い文章を盛り込んで、経営理念の原案を作成する
  4. 読みやすくてわかりやすい、従業員やお客様が共感できる文章に整える

経営理念の決め方とは、言い換えると、「経営理念の引き出し方です。

経営理念とは、会社が大切にしている考え方や価値観を表しますから、自分の中で大切にしている考え方や価値観をいかにあぶり出すか?が、経営理念の決め方における最重要ポイントとなります。

漠然と「経営理念をどうすべきか?」と考えても、なかなか良いアイデアは浮かんできません…。

かといって、有名企業の経営理念を参考にしすぎると、気がつけば似たような経営理念に…。

経営理念はひとりの経営者が何度も作るものではありませんから、「経営理念を作るのが初めて」という経営者が大半です。

以下、時系列に沿ってわかりやすく解説しておりますので、ぜひ参考になさってください。

それではひとつずつ詳しく見ていきましょう。

6つの質問を行う

経営理念の決め方、ステップ1では、

従業員とお客様の幸せを追求する6つの質問に、経営者が自ら答えます。

経営理念の作成は、会社のトップである社長(経営者)の仕事です。

なので、これからご紹介する質問には、社長お一人でお答えいただくことになります。

もう一度確認しておきますが、

経営理念とは「会社が大切にしている考え方や価値観」です。

つまり、

「会社が大切にしている考え方や価値観を、短い文章や箇条書きで表す」

ことが、経営理念のゴールとなります。

ステップ1では、

いきなり「会社が大切にしている考え方や価値観」を考えるのではなく、

まずは「社長が会社を経営する上で大切にしている考え方や価値観」をあぶり出すために、6つの質問にお答えいただきます。

そうすることによって、社長が考える「従業員の幸せ」と「お客の幸せ」を明確にするのです。

質問は以下のとおりです。

従業員とお客様の幸せを追求する6つの質問

従業員の幸せを追求する3つの質問

  1. 従業員同士が自然と助け合う「働きやすい職場環境」とは?
  2. 従業員が人として成長できる「やりがいのある仕事」とは?
  3. 従業員が安心して生活できる「安定的な収入と保証」とは?

お客様の幸せを追求する3つの質問

  1. お客様の不安や悩みを取り除く商品やサービスとは?
  2. お客様に喜びや楽しみを届ける商品やサービスとは?
  3. お客様に驚きや感動を提供する商品やサービスとは?

例えば、

従業員同士が自然と助け合う「働きやすい職場環境」とは?

という質問に対して、

  • おたがいの個性を尊重しあえる職場
  • 部署の垣根を超えたコミュニケーションが活発な職場
  • セクショナリズムが微塵も見られない職場

といった回答を考えます。

ひとつの質問に対して、回答はいくつでもかまいません。

思いつく限り書き出してみましょう。

価値観を列挙する

経営理念の決め方、ステップ2では、

ステップ1で行った6つの質問の回答を実現するために、必要な考え方や価値観を列挙します。

具体的には、6つの質問に対する回答が出揃ったところで、次にそれぞれの回答に対して、

「それを実現するためには、具体的にどのような考え方や価値観が必要とされるか?」

を考えてみます。

例えば、ステップ1において、

「おたがいの個性を尊重しあえる職場」という回答があれば、

「おたがいの個性を尊重しあえる職場に必要な考え方や価値観とは一体何なのか?」

と質問を重ねるのです。

すると、

  • 相手の立場になって考える
  • ありのままを受け止めて、適材適所を心がける
  • 強みを出しあって、弱みを補い合う

といった考え方や価値観が思い浮かびます。

漠然と「自分が大切にしている考え方や価値観」を考えてもなかなか思いつきませんが、上記の手順で考えると、自分でもびっくりするほど多くの考え方や価値観が次々に出てくるので、ほんとうに不思議です。

なお質問を重ねていくと、似たような考え方や価値観が登場しますが、気にせず続けてください。

似たような考え方や価値観が出てくるということは、無意識にその考え方や価値観を大切にしているということ。

何度も登場した考え方や価値観は、できるだけ経営理念に盛り込むようにしましょう。

原案を作成する

経営理念の決め方、ステップ3では、経営理念の原案を作成します。

具体的にはステップ2で列挙した「考え方や価値観」をを盛り込んで、経営理念の原案となる短い文章を作ります。

有名企業の経営理念をご覧いただくとお分かりいただけると思いますが、経営理念の表現方法は様々で、特定の書式はありません。

最も大切にしている考え方や価値観を10〜20文字で表現している企業もあれば、短い一文で表現している企業もありますし、箇条書きにしている企業もあります。

あまりにも長文になりすぎると要点が定まらないため、個人的には短い1文にまとめるか、あるいは箇条書き(5つくらいまで)にすることをオススメしていますが、基本的には自由に作っていただいてかまいません。

文章を整える

経営理念の決め方、最後のステップでは、ステップ3で作成した経営理念の原案を、読みやすくてわかりやすい、従業員やお客様が共感できる文章に整えます。

経営理念の原案が完成した段階で、幹部従業員や役職者に意見を求めたり、メンターやコンサルタントがいれば、彼らのアドバイスを聞いてみても良いでしょう。

意見やアドバイスが心から共感できるものであれば大いに取り入れるべきですが、自分の信条と異なる場合は、あくまで参考程度にします。

経営理念の内容についてもさることながら、読んだときの印象や書いた時の見た目、それに読みやすさやわかりやすさも重要です。

一文にする場合は、どこに句読点を入れるか?で、意味が変わることもありますし、箇条書きにする場合は、できるだけ文字数を合わせることで、見た目の印象が良くなります。

意外と思われるかもしれませんが、漢字・数字・カタカナ・ひらがなのバランスも大切です。

漢字が多すぎると難解に見えますし、カタカナや数字が多すぎるとスカスカに見えますし、ひらがなが多すぎるとやや幼稚に見えることがあります。

作ったご本人は気にならなくても、多くの従業員やお客様が目にすることになりますから、くどいようですが、従業員やお客様が共感できる内容であることはもちろん、「わかりやすさ・読みやすさ・見た目の印象」に注意して、全体の文章を整えましょう。

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経営理念のパクリは問題?

経営理念の丸パクリ(拝借や真似)はオススメできませんが、有名企業の経営理念を参考にして、

  • 書き方や文体など、表現の仕方を真似る
  • 心から共感した内容を、自分の言葉で表現し直す
  • 感銘を受けたキーワードを盛り込む

など、「経営理念の部分的なパクリ」に関しては問題ありません。

会社を経営する上で「大切にしたい考え方や価値観」が、偶然にも他の会社と全く同じ場合もあるでしょうし、似ていることもあるでしょう。

ただし、先に申し上げたとおり「あくまで参考」にするべきです。

もしも従業員やお客様、お取引先の方に、

「この経営理念、どこかでみたことがあるような…」

と思われてしまうと、「考えが浅はかな会社」「モラルに欠ける会社」というレッテルを貼られてしまいかねませんし、経営者の資質が問われます。

私が知っている会社の中にも、有名企業の経営理念のパクリを平気で行っている会社があります。

経営理念の丸パクリではないものの、ひと目見ただけで「ある会社」と同じであることが一目瞭然。

残念ながらその会社の経営理念は、従業員から共感が得られることもなく、社内外を通じてまったくと言っていいほど経営理念が浸透していませんでした。

社長ご本人は立派な経営理念を掲げているつもりでしたが、満足しているのは社長だけ…自分の言葉で語っていない「パクリの経営理念」は、単なる「お飾り」となっていました。

そんなことにならないように、経営理念のパクリは部分的なものにとどめ、自分の頭で考え、自分の言葉で語るようにしましょう。

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まとめ

今回は経営理念の決め方についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

忘れないように、もう一度

経営理念の決め方について、4つのステップと6つの質問をおさらいしておきましょう。

経営理念の決め方 4つのステップ

  1. 従業員とお客様の幸せを追求する6つの質問に、経営者が自ら答える
  2. 6つの質問の回答を実現するために必要な考え方、価値観を列挙する
  3. 価値観を凝縮した短い文章を盛り込んで、経営理念の原案を作成する
  4. 読みやすくてわかりやすい、従業員やお客様が共感できる文章に整える

従業員とお客様の幸せを追求する6つの質問

従業員の幸せを追求する3つの質問

  1. 従業員同士が自然と助け合う「働きやすい職場環境」とは?
  2. 従業員が人として成長できる「やりがいのある仕事」とは?
  3. 従業員が安心して生活できる「安定的な収入と保証」とは?

お客様の幸せを追求する3つの質問

  1. お客様の不安や悩みを取り除く商品やサービスとは?
  2. お客様に喜びや楽しみを届ける商品やサービスとは?
  3. お客様に驚きや感動を提供する商品やサービスとは?

経営理念は「作ったら終わり」ではありません。

むしろ「作ってからが始まり」です。

経営理念を策定したことで満足してしまい、自社のホームページや会社案内のパンフレットに記載するだけ…。

それではあまりにも勿体ない…。

せっかく経営理念を策定するのであれば、社長自らが全従業員に経営理念の意味や作成した経緯を伝え、経営理念の大切さや経営理念を掲げる目的を全従業員で共有しましょう。

ことあるごとに経営理念を持ち出して、その重要性を伝える事で、次第に従業員の気持ちがひとつになり、強い組織が出来上がります!

最後にもうひとつ。

「日々の業務に追われて、重要な仕事に費やす時間が足りない…」

「経営戦略や人事、新事業について専門分野の人に相談したい…」

という経営者・役員・マネージャーの皆様に画期的なサービスを2つご紹介いたします。

そのサービスとは、

  • オンラインアシスタント
  • スポットコンサルティング

です。

オンラインアシスタントとは、経理や総務、人事や労務、財務や法務、営業やマーケティングといった様々な分野の専門的な知識やスキル、実務経験を持った外部(社外)の人材が、オンライン上で自社の業務をサポートしてくれる便利なサービスです。

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スポットコンサルティングとは、ピンポイントで知りたい情報やアドバイスしてほしいことを、特定の業界や業務において豊富な経験を持った「その道のプロ」やコンサルタントに、1時間単位で気軽に相談できる便利なサービスです。

こちらのサービスも、意思決定に欠かせない貴重な判断材料(情報)が安価で手に入ることから、経営者のみならず、管理職や事業責任者、商品の開発責任者など、様々なポジションの方に利用されています。

いずれのサービスも、スピード感を持って会社経営を行う上では利用価値が高いサービスなので、少しでも気になる方は是非チェックしてみてくださいね。

ということで、今回はこの辺で。

最後までお読みいただき、ほんとうにありがとうございました (^.^)

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