「新商品を開発したいけど、最初の一歩が踏み出せない…」
「中小企業が商品開発を行う際のポイントは?」
「中小企業は商品開発とどのように向き合うべきか?」
そんなあなたに、今回は「中小企業における、商品開発が持つ意味」について解説いたします。
中小企業が売上のベースアップを図るためには、商品開発が欠かせません。
しかしながら、
新商品を出せば必ず売れるわけではありませんから、商品開発を任された社員は責任重大です。
かといって、
商品開発をしないまま、既存の商品だけに頼っていては売上が下降線を辿るばかり…。
ほんとうに悩ましいですよね…。
今回の記事は、商品開発を成功に導くためのポイントや、商品開発を行うメリットをお伝えすることで、中小企業のみなさまに商品開発の最初の一歩を踏み出していただくことが目的です。
商品開発をためらっている方は、最後まで読んでいただくと、商品開発の印象が変わると思います。
それでは早速みていきましょう。
中小企業における商品開発
中小企業にとって、商品開発はどのような意味を持つのか?
一言で申し上げると、中小企業における商品開発とは「投資」です。
ただし、ひとつの銘柄(商品)に巨額の予算を投資してはいけません。
多くの銘柄(商品)に、少しずつ投資することが、商品開発を成功させる上で、大きなポイントとなります。
つまり、
「多くの商品を世に出して良いものだけを残す」
というスタンスで、良いアイデアをできるだけ早く商品化できる体制を整え、企画から発売までのスパンを短くすることが、多くのヒット商品を生み出すことにつながります。
そして、商品開発という名の投資には、もうひとつの意味があります。
それは、「社員の成長」への投資です。
中小企業が商品開発を行う際は、「社員の成長」に投資するつもりで、「商品開発に一定の人員を割く」ことをオススメします。
例えば、従業員数が30人の会社であれば、その10%にあたる3人を、2,000万円の予算が使えるとすれば、その10%である200万円を商品開発に投資します。
ある程度のリスクを覚悟した上で、新商品や新サービスを開発する専門のチームを立ち上げ、一定の予算を預けてチームのメンバーに委ね、可能であれば広告宣伝や販促プロモーションも任せる。
上司は定期的に進捗を確認したり、必要に応じてアドバイスするに止まり、基本的には余計な口出しをせずに、チームのメンバーを信頼して一歩外から見守ります。
なぜそうするのか?
それは大胆に任せることで、チームに責任感が芽生えるからです。
同じ目標に向かって進むことで、お互いを助け合う気持ちが生まれ、メンバー間で信頼関係が出来上がっていきます。
さらに自分たちの頭で考えることが習慣となり、仕事へのやりがいも今まで以上に強く感じるようになるでしょう。
チーム内では常に活発な意見交換が行われ、誰かが出したアイデアを他の誰かが膨らませるといった相乗効果も期待できます。
チーム内で意見や考えが異なる場合も起こり得るため、あらかじめ会社の経営理念やビジョンに基づいて意思決定を行うリーダーも決めておいたほうが良いでしょう。
「社員の成長」に投資するというスタンスで商品開発を行うならば、それがうまくいっても、うまくいかなくても、それぞれ異なる成果が得られます。
つまり、最終的にリリースした商品やサービスが好調な売れ行きを示せば、大きな達成感が得られることでメンバーが自分の仕事に自信が持てるようになり、仮にうまくいかなかったとしても「何が良くなかったのか?」「どうすればうまくいくのか?」など、メンバー全員が自分ごとのように考えるようになります。
「商品開発に一定の人員や予算を投資する」ということは、新商品や新サービスを生み出すだけでなく、任された社員が大きく成長する機会を与えることにつながります。
そこで育ったメンバーが前回の経験を活かして別のプロジェクトのリーダーとなり、新たなプロジェクトを成功に導く…そんな好循環が生まれると、一定の周期で新商品や新サービスを世に送り出すことができるのではないでしょうか。
最後にチームメンバーの選任について一言付け加えさせてください。
これについてはいろいろな方法があると思います。
各セクション(部署)でプロフェッショナルといえる人材を集め、その中から商品開発メンバーを選出する方法もありますし、まずはじめにプロジェクトリーダーを任命し、そのリーダーが他のメンバーを選ぶという方法もあるでしょう。
いずれにしても
「この人に任せた!」
「このメンバーでだめだったら仕方ない」
と思える人を選ぶようにしなければなりません。
メンバーの選任をするにあたり重視すべきスキルをひとつだけ挙げるとするならば、私は迷わず「コミュニケーション能力」と答えるでしょう。
他のメンバーの意見を尊重したり、お互いを助け合う姿勢は円滑なコミュニケーションがあってこそ。
個々の弱点は他のメンバーが補うことで解消されますが、コミュニケーション能力に劣るメンバーが一人でもいると、チーム内の雰囲気が悪くなり、お互いに気を使いながら仕事をすることになります。
そんな状況で斬新なサービスや個性的な商品が生まれるはずがありません。
まとめ
今回は「中小企業における、商品開発が持つ意味」について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
最後に既存商品の「リニューアル」について、少しだけお話ししたいと思います。
既存商品のリニューアルは、「商品自体に大きな変更を加える必要はない」というのが私の考えです。
では、どのような姿勢で商品のリニューアルを行うのか?
今一度いろんな角度から商品を見直して、社会の変化や流行などを嗅ぎ分けながら新たな客層へのアプローチを試みます。
つまり、既に販売している商品の新たな切り口を見つけ、今の時代に適した売り方や販促プロモーションを行い、これまでとは違うメリットを打ち出すことで、顧客ターゲットや販路を拡大するという方法です。
例えば、私が愛飲している「ヤクルト」の場合、新しい商品が次から次に発売されるわけではありませんが、ヤクルトに含まれている成分が健康をサポートするさまざまな働きがあることを新たに実証し、その情報をWebサイトやチラシで発信しています。
我が家にも「お届けに来ました〜」という手書きのメモと一緒に、そのようなチラシが何度かポストに入っていました。
一般的なポスティングチラシは一目見て必要ないと判断したら即ゴミ箱行きですが、ヤクルトさんのチラシはひとまず家の中に持ち帰りますから、自然と家族も手に取ります。
そこでチラシの内容を見て「だったら私もヤクルト飲もうかな」となるわけです。
ご存知の通り、ロングセラー商品であるヤクルトは、ヤクルトレディさんをはじめとする独自の販促活動を展開しながらも、「病気を未然に防ごう(未病)」という健康志向を背景に、これまでにない新たな切り口を見つけて「既存の販売活動」と掛け合わせることで、新たな顧客を取り込んでおられます。
本当に素晴らしいですね。(ヤクルトさんいつもありがとう、そしてこれからも飲み続けます!)
アサヒビールのスーパードライが大ヒットして業界の地図を塗り替えたように、
アップル社がiMacを開発してその名を一気に広めたように、
新商品や新サービスが爆発的にヒットすれば、会社の未来を変えるほど大きなインパクトを与えます。
一方で「ロングセラー」「定番」と呼ばれる既存の商品は、季節に応じて味や素材をアレンジしたり、年中行事をきっかけにキャンペーンを行うなど、手を変え品を変え「飽きさせない」「忘れさせない」ような販促活動を行うことで息を吹き返すことが往々にしてあります。
ヒット商品を生み出す商品開発と、既存商品の売上アップ。
この二つの活動をバランス良く取り入れることが、売上のさらなるベースアップにつながります。
ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました (^.^)
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