「会社のビジョンとは何か?」
「中小企業や小さい会社も、ビジョンは必要か?」
「ビジョンに欠かせない要素とは?」
というあなたに、今回は
- 会社のビジョンとは何か?
- ビジョンに欠かせない要素
- ビジョンの必要性や重要性
を、具体例や自身の経験を示しながら、わかりやすく解説いたします。
それでは早速見ていきましょう。
会社のビジョンとは何か?
会社のビジョンとは何か。
「ビジョン=目的」かと言われると、それは少し違います。
会社のビジョンとは
「多くの人に共感されるような、会社が思い描く最高の未来図」
です。
「こんな未来になったらいいよね」
「こんな未来にするために頑張ろうよ」
「僕たちの仕事はこんな未来を実現するためにある」
など、会社が思い描く未来の姿が、会社のビジョンと言えるのではないでしょうか。
ビジョンは会社が向かう方向性を示す「羅針盤」の役割を果たすだけでなく、そこで働く人が会社の中で行うすべての活動の指針となり、ものごとを判断する際の軸となります。
私にはもうすぐ3歳になる息子がいるのですが(2020年4月現在)、彼は自動車が大好きで、特に救急車や消防車、パトカーや郵便車、クレーン車やダンプカー、ショベルカーやミキサー車といった「はたらく車」に夢中です。
先日、大好きなおばあちゃんに「はたらく車」のジグソーパズルを買ってもらったのですが、まだ自分で組み立てることができないので、私がバラバラになったパズルを組み立てることになりました。
「幼児向けのジグソーパズルだから」
と甘く見ていた私は、完成図を見なくても簡単にできると思い、
「お父さんの勇姿を見よ!」
とばかりに始めたのも束の間、物の見事に返り討ちにあうことに…。
まずはすべてのピースを色分けしようと思い、赤色のピースを集めて消防車の部分だけ先に完成しようと試みたのですが、消防車の中にもはしご車やポンプ車などいろんな種類があって、なかなかピタリとはまりません…。
最終的には完成図を見ながらパパッと組み上げましたが、もし頑なに完成図を見ないまま最後まで悩んでいたらどれほどの時間を費やしたことか…。
小さな子供が遊ぶジグソーパズルですら、完成図がないと組み立てるのが難しいのに、会社が目指している完成図(未来図)、つまりビジョンがなければ従業員が迷走するのは当然です。
会社の明確なビジョンを掲げることなく、どんなに組織を束ねようとしても、あるいはそこで働く人の気持ちをひとつにしようと思っても、到底うまくいくわけがありません。
表面的にはうまくいっているように見えても、それは個々のスタッフが
- スキルアップのため
- 生活をするため
- 子供を養うため
- 目の前にいるお客様のため
といった、各個人がそれぞれ持っている目的が原動力となって、会社を前に進めるエンジンの役割を果たしているにすぎません。
個々の目的による推進力だけでも会社を運営することはできるかもしれませんが、会社が成長することは難しいでしょう。
会社が次のステージに上がるために、
「会社のビジョンとは何か?」
をあらためて考える機会を設け、誰もが腹落ちする明確なビジョンを掲げ、すべての従業員に目指すべき場所を示し、浸透するまで繰り返し伝えることが必要なのです。
ビジョンに欠かせないもの
ビジョンに欠かせないもの、それは「共感」です。
前章において、ビジョンとは「多くの人に共感されるような、会社が思い描く最高の未来図」と言いましたが、ビジョンを考えるときに大切なことは、「多くの人に共感される」ということでしょう。
では「多くの人」とは誰のことか?
会社で働く人はもちろんですが、その家族や友人、お客様や取引先、会社の近隣にお住いのみなさま、ひいては市町村や都道府県、日本国民や全世界の人々がそれにあたります。
すべての人とまでは言わないまでも、誰が見ても、誰が読んでも少なからず共感が得られるようなものが望ましいでしょう。
それでいて「会社が思い描く最高の未来」ですから、簡単に実現できるものだと数年ごとにビジョンを更新しなければなりませんし、大きなやりがいやモチベーションも生まれません。
言葉で表現するのは難しいですが
「いつかみんなでこんな未来を見たいよね」
「何年かかるかわからないけど、こんな未来が実現できたらすごくいいよね」
と言えるような未来をできるだけ具体的に想像して、それを言語化するといいでしょう。
参考までに、皆さんもご存知の、私もヘビーユーザーでいつもお世話になっているネットショップ「Amazon」のビジョンをご紹介いたします。
The Everything Store(ジ・エブリシング・ストア)すべてのものが買えるお店
とてもわかりやすく、誰もが共感できる素晴らしいビジョンですね。
そして有言実行。
まさにビジョンに向かって、ビジョンを現実のものとするために、いやすでに現実化していることも多々ありますが、競合他社を寄せ付けることなくどんどん進化してますよね。
見事としか言いようがありませんし、個人的にも共感、絶賛、そして今後も頼りにしています。
ビジョンの必要性と重要性
最後に、ビジョンの必要性と重要性について解説いたします。
会社において、
なぜビジョンが必要なのか?
なぜビジョンが重要なのか?
ここであらためて、会社で働く全てのビジネスパーソンにお尋ねします。
幹部社員や役職者、あるいは上司や部下から
「会社は一体どこに向かっているのかわからない…」
「会社が何をやろうとしているか理解できない…」
「うちの社長は何を考えているのやら…」
など、会社の方向性が見えないという類の発言を耳にしたことはありませんか?
そのような発言は、得てして
- 部署や個人の目標を設定するとき
- 新しい商品やサービスを企画するとき
- 会議やミーティングで議論が白熱したとき
など、何か新しい事を決めるときや始めたとき、あるいはその答えが正しいかどうかを判断するときによく聞かれます。
私が以前に在籍していた会社でも、残念ながら時おりそのような声を耳にすることがありました。
私個人は、
「常にお客様と従業員が幸せになるためにはどうすればいいか?」
と考えながら目の前の仕事に取り組んでいたので、そのようなことを考える機会は少なかったように思いますが、それでもまったく考えることがなかったかというと嘘になります。
会社というものは何かしらの目的があって、それを達成するために存在しています。
仮に目的を掲げていても、
それが漠然としたもので従業員がイメージできないものだったり、
自分ごとのように思えず、どこか他人事のように思えてしまったり、
社長や幹部の言動が会社の目的にそぐわないものだったりすると、
そこで働く従業員に浸透することはありません。
目的がはっきりしていないことによる典型的な例は、
「これくらいの数字は達成できるだろう」
「売上目標を業界の成長率と同じくらいに設定しよう」
という根拠のない売上目標を掲げ、「数字の達成」を会社の目的として日々の仕事することです。
売上目標を設定すること自体を否定するつもりは毛頭ありませんが、売上目標を達成することが目的になっていると、全てがおかしくなります。
私が知っている会社でも、大きな勘違いしている人が結構いらっしゃいました。
売上目標を達成することが目的になっている方は、
「売上が減ってきているので何か挽回する方法はないか」
「来月の売上をどのように作ればいいのか」
といった発言が頻繁に出ます。
具体的な提案やアイデアがあるのならまだいいのですが、それすらなく、挙げ句の果てに
「売上が悪いのは自分に責任がない」
ということを、恥ずかしげもなく会議やミーティングで発言する厄介な人もいらっしゃいました。
売上というものは、会社が掲げる目的を達成するために適切な目標を定め、その目標をクリアするために行動した結果であり、それ自体が目的でもなければ目標ですらありません。
そのことが理解できず、
「売上を達成するためにはどうすればいいか?」
と必死で考えているので、画期的なアイデアや提案が出るはずもなく、最終的には
「商品やサービスの価格を安くする」
「割引キャンペーンを実施する」
という結論に落ち着きます。
当然と言えば当然の結論ですが、外から見ていているとあまりにも空虚で、それを実行する現場の社員が不憫でなりませんでした…。
組織を束ねるためには、明確な目的が必要であり、明確な目的は、明確なビジョンを掲げることから始まります。
ビジョンの必要性と重要性は、ここにあります。
「自分たちは何のために働いているのか」
「自分たちの会社はどこを目指しているのか」
という問いに対する答えを明らかにするためにも、あらためて会社のビジョンを掲げ、社員に浸透させることが求められます。
まとめ
今回は、「会社のビジョンとは何か?」を解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
ビジョナリー・カンパニーの基本的価値観は、理論や外部環境によって正当化する必要などないものである。
時代に流れや流行に左右されることもない。
市場環境が変化した場合ですら、変わることはない。
出典:ジェームズ・C・コリンズ/ジェリー・I・ポラス(1995)『ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則』日経BP出版センター.
新たに会社のビジョンを掲げたなら、あるいは、すでに掲げている会社のビジョンが、ビジョナリー・カンパニー(ビジョンを掲げている企業)の基本的価値観に沿った内容であるかを、今一度確認していただければ幸いです。
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ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただき、ほんとうにありがとうございました (^.^)