仕事ができないのにできると思っている人の特徴と対処法

鳥取県 大山の登山道 撮影者:うさやん

「仕事ができないのにできると思っている人の特徴は?」

「仕事ができないのに評価される人が腹立たしい」

「仕事ができる人の特徴や考え方が知りたい」

というあなたに、今回は

  • 仕事ができないのにできると思っている人の特徴や対処法を解説
  • 仕事ができる人の特徴や考え方の中から代表的なものを11個ご紹介

いたします。

本題を取り扱うにあたり、まずは「仕事ができる人とはどのような人を指すのか?」をざっくりと確認しておきましょう。

仕事ができるというのは、僕の考えはごくシンプルで、状況にかかわらず「人に頼りにされる」ということなんじゃないかなと思う。

つまりバイネームで「あ、山口さんだったら大丈夫だ」とか、「もう山口さんじゃなきゃダメなんだ」とか。

この人だったら大丈夫、どうしても必要とされているという状態が人として仕事ができているということです。

(楠木 建 氏のコメントより)

出典:楠木 建 山口 周(2019)『「仕事ができる」とはどういうことか?』株式会社宝島社.

「仕事ができる人」の定義については人によって様々でしょうし、賛否両論あるかと思いますが、上記の引用からも「仕事ができる人」とは、一緒に仕事をする上で

  • 心から信頼できる人
  • 安心して任せられる人
  • 常に期待を超える人

と言えるのではないでしょうか。

そう考えると、「仕事ができないのにできると思っている人」はとても厄介で残念な人であると同時に、「あまり信頼されていないし、安心して任せられないし、期待もされていない…」ということになりますから、実は「かわいそうな人」なのかもしれません…。

とはいうものの、「仕事ができないのにできると思っている人」は自分でも気がつかないうちに周りの人を不快な気分にさせたり、一緒に仕事をする際に悪影響を及ぼすことがあるため、事前に特徴を把握するとともに、正しい対処法を身につけておく必要があります。

特徴や対処法さえ知っていれば、「仕事ができないのにできると思っている人」はこちらにとって好都合となるケースもあるので、この後お話しする内容を参考に、しっかり備えていただければ幸いです。

それでは早速見ていきましょう。

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仕事ができないのにできると思っている人の特徴や対処法

仕事ができないのにできると思っている人の特徴や対処法

仕事ができないのにできると思っている人特徴対処法」について解説いたします。

仕事ができないのにできると思っている人から余計なストレスを感じることなく、できるだけ良好な関係を築くには、大前提として、

  1. 仕事ができないのにできると思っている人の特徴を理解して、いちいち反応しない
  2. 仕事ができないのにできると思っている人を刺激せずに、冷静かつ適切に対応する

ことが求められます。

仕事ができないのにできると思っている人の中には、

  • 仕事ができないのに威張る人
  • 仕事ができないのに自分の考えを主張する人
  • 仕事ができないのに出世する(評価される)人

など、真面目に働いている人の感情を刺激するような方もいらっしゃいますが、こちらが感情的になって腹を立てたところで、彼や彼女らの振る舞いが改善されるわけではありません。

それどころか、仕事ができないのにできると思っている人たちは、こちらの感情を逆撫でするかの如く、いつもの調子でいつも通りの言動を繰り返しますから、前述した通り、まずは仕事ができないのにできると思っている人の特徴を正しく理解し、彼や彼女らを刺激することなく、冷静かつ適切に対応することが肝要です。

それでは「仕事ができると勘違いしている人の特徴」から見ていきましょう。

仕事ができると勘違いしている人の特徴

仕事ができないのにできると思っている人とうまく付き合っていくためには、「仕事ができると勘違いしている人の特徴を理解して、いちいち反応しないこと」が大切です。

仕事ができると勘違いしている人の5つの特徴

  1. 仕事が雑で、いつも場当たり的
  2. 横文字や専門用語を使いたがる
  3. 声は大きいが、行動力に欠ける
  4. 得意ではない仕事を引き受ける
  5. 上から目線で肩書きを欲しがる

上記の「仕事ができると勘違いしている人の5つの特徴」をあらかじめ把握しておくことで、彼や彼女らが目の前でそのような言動をとったとしても、敏感に反応することなく「あ、いつものアレか」と冷静に受け止めることができるというわけです。

別の見方をすると、日頃から上記の言動をとる人は、仕事ができるように見えて、実は仕事ができない人である可能性が高いと言えます。

それでは、「仕事ができると勘違いしている人の5つの特徴」を、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

仕事が雑で場当たり的

仕事ができると勘違いしている人の5つの特徴、ひとつ目は「仕事が雑で場当たり的」です。

仕事ができないのにできると思っている人は、細かいところまで目が行き届かないので、仕事が雑になりがちで、その結果、小さなミスやトラブルも多く、周りの人に迷惑をかけるケースが多々あります。

ご本人は自分の至らなさに気がついていないため、「なんでダメなの?」「それくらい大丈夫」と言って気にもとめない様子ですが、その言動が火に油を注ぐように、周りの人の感情を逆撫ですることも…。

横文字や専門用語を使う

仕事ができると勘違いしている人の5つの特徴、2つ目は「横文字や専門用語を使いたがる」です。

仕事ができないのにできると思っている人は、「わかりやすく伝える」ことよりも、「仕事ができることをアピールしたい」という気持ちの方が勝っているため、話す相手を選ばず、横文字(アルファベット)や専門用語(カタカナ語)を多用する傾向があります。

例えば、

  • CPA(顧客獲得単価)
  • LTV(顧客生涯価値)
  • ROI(投資利益率)

といった、アルファベット3文字で表すビジネス用語や、

  • アサイン(任命する、割り当てる)
  • エビデンス(証拠、根拠、形跡)
  • スキーム(計画、体系、枠組み)

といった、カタカナで表す専門用語などを、明らかに相手が理解できないとわかっていても、流暢にそれらの言葉を使って自身の優越感に浸るのです。

もしほんとうに自信を持っていたら、自慢などしません。

劣等感が強いからこそ、自慢する。

自らが優れていることを、ことさら誇示しようとする。

そうでもしないと、周囲の誰ひとりとして「こんな自分」を認めてくれないと怖れている。

出典:岸見一郎 古賀史健(2013)『嫌われる勇気ー自己啓発の源流「アドラー」の教え』ダイヤモンド社.

意見するだけで行動しない

仕事ができると勘違いしている人の5つの特徴、3つ目は「声は大きいが、行動力に欠ける」です。

仕事ができないのにできると思っている人は、他の人に比べて仕事に対する自信があるため、会議やミーティングの場で自分の意見や考えを、声を大にして主張する傾向があります。

しかしながら、「では誰がやるのか?」という話になると、その責任が重ければ重いほど、自ら率先して手を上げることはありません。

その他にも、

  • 批判はするが、具体的な改善策は提示しない
  • トラブルが起きた際は、必要以上に騒ぎ立てる
  • プレゼンはするが「絵に描いた餅」で終わる

など、仕事ができることを口でアピールするだけで、行動で示すことはほぼありません。

苦手な仕事も引き受ける

仕事ができると勘違いしている人の5つの特徴、4つ目は「得意ではない仕事を引き受ける」です。

仕事ができないのにできると思っている人は、自分の得手不得手を正確に把握できていないため、得意ではない仕事を振られた場合でも、あっさりとその仕事を引き受けてしまいます。

それだけならまだしも、始末が悪いことに、「このままでは締め切りに間に合わない」とわかった時点で、なんだかんだと理由をつけて、他の人に平気でその仕事を任せようとするため、最終的には周りの人間が仕方なく手伝うこともしばしば…。

仕事ができると勘違いしている人ほど、仕事ができない原因を自分以外のものに結びつけようとする傾向が強く、「どうすればできるのか?」と考えようとせずに、「どうすればできない理由を上手く説明できるのか?」と必死で考えます。

上から目線で肩書き大好き

仕事ができると勘違いしている人の5つの特徴、最後は「上から目線で肩書きを欲しがる」です。

仕事ができないのにできると思っている人は、根拠のない自信を持っているため、本人が意識しているかどうかに関わらず、やや上から目線で話を進める傾向があります。

さらに、出世欲も強く、周りの人から見て明らかに実力が伴っていなくても、肩書き(役職)を欲しがり、必要以上に自分をよく見せようとする努力や、上司への「ごますり」が得意です。

その行為は社内だけでなく、お客様や取引先にまで及び、自分の立場とはあまり関係がないお仕事であったとしても、「地位のある人」や「名が知られている人」に会いたがり、平然と同じ立場であるかの如く振る舞います。

仕事ができると勘違いしている人の対処法

前項では、仕事ができないのにできると思っている人の主な特徴を5つご紹介しましたが、この項では、仕事ができると勘違いしている人を上司・同僚・部下」という3つのケースに分けて、それぞれの対処法を解説いたします。

それでは早速見ていきましょう。

上司への対処法

自分の上司が「仕事ができると勘違いしている」場合は、むしろラッキーです。

仕事ができる上司は部下を見る目が厳しくなりがちなので、高評価を得るのは簡単ではありませんが、仕事ができない(できると勘違いしている)上司は、自分とって有利にはたらく部下であれば高く評価してくれます

なので、仕事ができないのにできると思っている人が自分の上司である場合、高評価を得るために、「心を許して信頼できる部下」「仕事を任せられる部下」となるように行動しましょう。

上司の仕事を全面的にサポートすることはもちろん、先回りして仕事に関する資料を提供したり、上司が苦手な仕事や面倒な仕事を引き受けたり、プライドを傷つけないように助言やアドバイスをするなど、「上司の手柄」のために尽力するのです。

そうすることで評価はグングン上がり、ひいては昇給や昇進につながります。

同僚への対処法

自分の同僚が「仕事ができると勘違いしている」場合は、できるだけそっとしておくことです。

ご本人は周りの同僚よりも仕事ができると思っているので、こちらが良かれと思って仕事を手伝ってあげたり、アドバイスや助言を行うと、場合によっては気分を害してしまう恐れがあります。

さらに、仕事ができると勘違いしている同僚は、同期入社の人間に対して少なからずライバル意識を持っているため、「昇進」や「抜擢」など、同期入社の中から誰か一人だけ選ばれることになった場合、目の敵にされることも考えられます。

とは言うものの、

一緒に仕事をする仲間なので、時には助け合い、協力することも必要ですが、自分のペースを乱されないように一定の距離を保ちながら、相手の感情を刺激しないようにしましょう。

部下への対処法

自分の部下が「仕事ができると勘違いしている」場合は少々厄介です。

上司よりも自分の方が仕事ができると思っている人は、上司からの仕事の指示を無視したり、同僚と協力的に仕事を進めることができないなど、扱い方を間違えると、職場の輪を乱す「問題社員(モンスター社員)」へと成長する恐れもあります

基本的な対処法としては、(上司との)対話を通じて「気づき」を与え、自分の能力や足りないものについて自覚してもらう他ありません。

具体的には、

  1. 目標を設定する際、上司ではなく、本人(部下)に目標を設定させる
  2. 対話を通じて目標達成に必要とされる「スキル・知識・考え方」に気づかせる
  3. 部下が自発的に行動するように、自尊心を傷つけないようにサポートする

というステップを踏むと効果的です。

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仕事ができる人の特徴や考え方

仕事ができる人の特徴や考え方

仕事ができる人特徴考え方」をわかりやすく解説いたします。

まずはじめに、

「仕事ができる人とはどのような人を指すのか?」をあらためて確認しておきましょう。

あっさり言えば「成果を出せる」。

これが「仕事ができる」ということです。

広い意味でのお客の立場で「頼りになる」「安心して任せられる」「この人ならなんとかしてくれる」、もっと言えば「この人じゃないとダメだ」、そう思わせる人が僕のいう「仕事ができる人」です。

(楠木 建 氏のコメントより)

出典:楠木 建 山口 周(2019)『「仕事ができる」とはどういうことか?』株式会社宝島社.

記事の冒頭でもお伝えしましたが、人によって仕事ができる人の定義には多少の振れ幅があるものの、上記の引用からも、仕事ができる人とは総じて

  • 心から信頼できる人
  • 安心して任せられる人
  • 常に期待を超える人

と言えそうです。

では、仕事ができる人はどのような特徴や考え方を持っているのか?

もっと詳しく言うと、

心から信頼できる人とは、安心して任せられる人とは、常に期待を超える人とは、どのような特徴や考え方を持っているのか?

以下、「仕事ができる人の特徴や考え方」の中から、代表的な11項目をご紹介いたします。

仕事ができる人の特徴や考え方

  1. 深い洞察力に優れている
  2. 集中力が高く、持続できる
  3. 直感的かつ論理的である
  4. 楽観的かつ、悲観的である
  5. 自責思考で、決断力がある
  6. 得手不得手を理解している
  7. 時系列を意識して考える
  8. 道徳心に従い、愛がある
  9. 有言実行を貫いている
  10. 健康管理に気をつけている
  11. 仕事を楽しむことができる

上記の特徴をいくつか持ち合わせている人は、周りの人から仕事ができる人と認識されている可能性が極めて高いと言えます。

それではひとつずつ詳しく見ていきましょう。

深い洞察力に優れている

仕事ができる人の特徴や考え方、ひとつ目は「深い洞察力に優れている」です。

洞察力とは「ものごとの本質を見抜く力」であり、深い洞察力に優れている人は、今起きている出来事や人々の言動を表面的に観察するだけでなく、根本的な原因や言動の意図といった「見えない部分」まで深く見通す力を持っています

そのため、

「問題の原因がどこにあるか?」をスムーズに特定できるだけでなく、「この部分をこうすればもっと良くなるのでは?」といった改善ポイントを見つけることもできるというわけです。

つまるところ、ビジネスは課題設定と問題解決の繰り返しですから、課題を発見する力や問題が起こる根本的な原因がわからなければ、ビジネスを前進させることはできません。

そういう意味において、深い洞察力に優れていることは、仕事ができる人にとって必要不可欠な要素と言えます。

洞察力とはつまり、「目に見えない現象の背後で何が起きているのか?」「この後、どのようなことが起こりうるのか?」という二つの問いに対して答えを出す力のことです。

出典:山口周(2017)『知的戦闘力を高める独学の技法』ダイヤモンド社 .

集中力が高く、持続できる

仕事ができる人の特徴や考え方、2つ目は「集中力が高く、持続できる」です。

絶対に失敗できない仕事や、締め切りが間近に迫っている仕事、今後の行方を左右するほどの重要な仕事をする際、仕事ができる人は高い集中力を発揮するだけでなく、集中力を最後まで切らすことなく仕事を完結させます

ちなみに、一般的な大人が高い集中力を発揮できる時間は15分程度と言われており、集中力が持続できるトータルの時間は約50分です。

仕事ができる人の集中力が持続できる時間を計測したことがないので、正確なことは言えませんが、私が知っている仕事ができる人は、明らかに長時間にわたって高い集中力を持続しているように見受けられます。

おそらく、

高い集中力が発揮できる15分程度の時間と数分のインターバルを交互に繰り返して、「集中力のバランス」を上手にとりながら、最後まで走り切るのでしょう。

直感的かつ論理的である

仕事ができる人の特徴や考え方、3つ目は「直感的かつ論理的である」です。

「問題の原因はここにあるのでは?」という直感的なひらめきを出発点として、それが論理的に説明できるかどうか?を検証してみる…もしも論理的に説明できないようであれば、また別の視点からアプローチする…。

直感と論理を往復しながら最適解を導き出す思考回路こそ、仕事ができる人の真骨頂であり、仕事ができる人と言われる所以なのかもしれません。

よく論理と直感を対立させて考える人がいます。

両者はそれぞれに異なった性質を持っているのですが、実際に頭を使って仕事をする人からすれば、”論理は常に直感を必要とする”というのが本当のところだと思います。

つまり、出発点においては問題を発見・設定するためには必然的に直感が求められる。

これは「論理と直感、両方とも必要」というような単純な問題ではないんです。

順番の問題としてまず直感がなければ論理というものはあり得ない。

(楠木 建 氏 のコメントより)

出典:楠木 建 山口 周(2019)『「仕事ができる」とはどういうことか?』株式会社宝島社.

楽観的かつ、悲観的である

仕事ができる人の特徴や考え方、4つ目は「楽観的かつ、悲観的である」です。

楽観的とは、物事はすべてうまくいくと考えて、無用な心配をしないことを意味します。

悲観的とは、先行きに望みはない…うまくいくはずはない…と考えることを意味します。

そして、「楽観的かつ悲観的」とは、

新しいことにチャレンジするときは「きっとうまくいく」と楽観的に考えて、行動する際の障壁となる不安や恐れを振り払い、いざ取り掛かると、「そう簡単にうまくいくはずはない」と考え、最悪の事態を想定しながら慎重に物事を進めることを意味します。

つまり、仕事ができる人とは、楽観的に考えることで行動量を増やし、悲観的に考えることで細部にまで気を配り、詳細な計画を立てて、様々な選択肢を用意できる人なのです。

自責思考で、決断力がある

仕事ができる人の特徴や考え方、5つ目は「自責思考で、決断力がある」です。

自責思考とは、物事がうまくいかないときに、その原因が自分にあると考える思考パターンです。

決断力とは、自分の判断と責任において物事を決定する能力で、「決断力がある人」はその能力が高いことを意味します。

もうお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、自責思考と決断力は「原因や責任が自分にある」という点において常に主体的です。

仕事ができる人は自らの意思や判断に基づいて行動するタイプが多く、うまくいかないからといって他人のせいにしたり、判断がつかないからといって決断を先送りにすることはありません。

得手不得手を理解している

仕事ができる人の特徴や考え方、6つ目は「得手不得手を理解している」です。

仕事ができる人だからといって、どんな仕事においても仕事ができるわけではありません。

仕事ができる人は、自分の得手不得手や向き不向きを理解しており、自分が得意な仕事や、今まで経験したことのない仕事に対しては果敢にチャレンジしますが、いざ、その仕事が「自分には向いていない」とわかったなら、次からは自分が苦手とする仕事を得意な人に任せて「仕事の成果」を優先します。

つまり、仕事ができる人は

  • 自分には何ができて、何ができないのか?
  • この仕事はどんなスキルや経験が必要なのか?
  • この仕事に最も適した人物は誰か?

など、

「自分のこと」「仕事のこと」「他者のこと」を客観的に見て、最高の結果が出せるように、総合的な判断ができる人と言えるでしょう。

初めのうちは迷ったらとにかくやってみる。

ところが、いつまでたってもそのやり方を続けている人というのは、たぶんセンスがない。

「これは自分の領分ではない」と思うことには手を出さないという「土俵感」。

「これは自分の土俵だ」という感覚がだんだんはっきりしてくる。

これもまた仕事ができる人の特徴だと思います。

(楠木 建 氏 のコメントより)

出典:楠木 建 山口 周(2019)『「仕事ができる」とはどういうことか?』株式会社宝島社.

時系列を意識して考える

仕事ができる人の特徴や考え方、7つ目は「時系列を意識して考える」です。

「時系列を意識して考える」とは、これから起こる(と予想される)ことを、時間の経過に従って、その時々の状況(状態)を踏まえながら(想像しながら)考えることを意味します。

例えば、会社の方針転換で、来月から残業をゼロにする場合、時系列を意識して考えると、

  1. 残業が常態化していた社員は、残業代がなくなって、お給料が減る
  2. 残業代をあてにしていた社員から、「給料が減った」と不満が出る
  3. 残業していた頃と同じお給料の職場が見つかれば、転職を検討する

と予想できます。

そこで、仕事ができる人は、彼や彼女らの不満を少しでも解消するために、前もって会社の方針を伝える説明会を開いたり、残業代に代わる手当を検討したり、売上に準じた報奨金を出したり、副業を解禁するなど、問題が起こる前に先回りして、何らかの対策を講じることができるというわけです。

道徳心に従い、愛がある

仕事ができる人の特徴や考え方、8つ目は「道徳心に従い、愛がある」です。

道徳心とは、誰もが心の中に持っていて、意識することなく使える「善悪や正邪を判断できる心の中の規範」であり、ここで言う愛とは「相手を慈しみ、いたわる心」を指します。

大きな成果を得るためには、正しい決断を下し、多くの人の協力を得ることが必要不可欠です。

その点において、仕事ができる人は意思決定に必要とされる「絶対的な判断軸」を持ち、上司や部下、従業員やお客様の共感を得るために欠かせない「慈しみやいたわりの心」を持っています

つまり、仕事ができる人は、ビジネスパーソンである前に人格者であるというわけです。

有言実行を貫いている

仕事ができる人の特徴や考え方、9つ目は「有言実行を貫いている」です。

有言実行とは、「口にしたことを必ず実行すること」を意味します。

仕事ができる人は、明確なゴールや目標を定めたら、「いつまでに何をやるか?」を決めて、大きな困難が目の前に立ちはだかっても少々のことでは諦めず、失敗を成功の糧にしながら着実に前進します。

周りの人からすると、「もうダメなんじゃないか…」と感じることも多々ありますが、本人の中ではゴールまでの道筋がはっきりと見えているので、粘り強く最後までやり抜くことができるのでしょう。

「自分が望んでいるものは何か」ーこれをはっきりとわかっている人は、そこに到達するまでやり抜くことができます。

具体的な目標を決めたら、そのために必要な行動は何かを具体的にすることも大切です。

「いつまでに、何をするのか」を決めるのです。

出典:ハイディ・グラント・ハルバーソン(2017)『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン.

健康管理に気をつけている

仕事ができる人の特徴や考え方、10個目は「健康管理に気をつけている」です。

  • いつも元気でエネルギッシュ、動きにキレがある
  • 疲れ知らずで、少々のことでは仕事を休まない
  • 健康的な体型を維持し、年齢よりも若く見える

仕事ができる人には、そんな方が多いように感じるのは私だけでしょうか。

私が知っている仕事ができる人も、バランスの良い食事を心がけ、十分な睡眠時間を確保し、体を動かすことを習慣にしている方が多く、中にはスポーツジムに通っていたり、ジョギングを日課にしていたり、週末にスポーツで汗を流している方もいらっしゃいます。

もちろん、例外もあるでしょうが、仕事で最高のパフォーマンスを発揮し続けるには、心身ともに健康な状態を維持する必要がありますから、日頃の健康管理がいかに重要であるかは言うまでもありません。

仕事を楽しむことができる

仕事ができる人の特徴や考え方、最後は「仕事を楽しむことができる」です。

誤解を恐れず申し上げると、ほんとうに仕事ができる人は純粋に仕事が好きで、心から仕事を楽しんでいるだけであって、「自分は仕事ができる」という自覚がほとんどありません。

仕事が楽しめるようになると、

  • もっともっと仕事がやりたくなる
  • 良いアイデアがどんどん出てくる
  • 仕事のスキルやセンスも磨かれる

その結果、大きな成果を手にすることができるというわけです。

さらに、仕事である以上必ずお客様がいますから、お客様に喜んでいただいたり、お客様に感謝されると、「今よりもっと仕事が楽しくなる → ますます仕事が好きになる」という好循環が生まれます。

加えて、「仕事をすること自体が自分への報酬」となるため、たとえ仕事で失敗しても、少々嫌なことがあっても、落ち込むことなく再び仕事に取り組むことができるので立ち直りが早い。

側から見ると失敗しているように見えていても、本人は「うまくいかないやり方がわかった」という認識で、「少しも気にしない」という方もいらっしゃいます。

上記のことから、仕事ができる人は、本人が意識しているかどうかは別にして、

仕事は楽しんだもん勝ち、そして、楽しませたもん勝ち

という考え方ができる人と言えそうです。

人間が一番うれしいことはなんだろう?

長い間、ぼくは考えてきた。

そして結局、人が一番うれしいのは、人をよろこばせることだということがわかりました。

実に単純なことです。

ひとはひとをよろこばせることが一番うれしい。

出典:やなせたかし(2012)『やなせたかし明日をひらく言葉』株式会社PHP研究所.
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まとめ

今回は

  • 仕事ができないのにできると思っている人の特徴や対処法を解説
  • 仕事ができる人の特徴や考え方の中から代表的なものを10個ご紹介

しましたが、いかがでしたでしょうか。

忘れないように、もう一度

「仕事ができると勘違いしている人の特徴」と「仕事ができる人の特徴や考え方」を、おさらいしておきましょう。

仕事ができると勘違いしている人の5つの特徴

  1. 仕事が雑で、いつも場当たり的
  2. 横文字や専門用語を使いたがる
  3. 声は大きいが、行動力に欠ける
  4. 得意ではない仕事を引き受ける
  5. 上から目線で肩書きを欲しがる

仕事ができる人の特徴や考え方

  1. 深い洞察力に優れている
  2. 集中力が高く、持続できる
  3. 直感的かつ論理的である
  4. 楽観的かつ、悲観的である
  5. 自責思考で、決断力がある
  6. 得手不得手を理解している
  7. 時系列を意識して考える
  8. 道徳心に従い、愛がある
  9. 有言実行を貫いている
  10. 健康管理に気をつけている
  11. 仕事を楽しむことができる

この記事の冒頭で、仕事ができる人とは

  • 心から信頼できる人
  • 安心して任せられる人
  • 常に期待を超える人

と言いましたが、もうひとつ別の要素を付け加えておきます。

仕事ができる人の思考の軸足はインサイド・アウトです。

完全な未来予想はできない。

情報は不完全でも、まず自分なりのロジックやストーリー、自分なりのハッピーエンドみたいなものが見えている。

(楠木 建 氏 のコメントより)

出典:楠木 建 山口 周(2019)『「仕事ができる」とはどういうことか?』株式会社宝島社.

つまり、仕事ができる人とは、

明るい未来を描いて、自分なりのストーリーを歩める人」

という見方もできます。

私が目にしてきた「仕事ができる人」も同様に、他の人には見えない何かが見えていて、よそ見することなく、惑わされることなく、真っ直ぐ前を見つめて、自分の信じた道を一歩ずつ前へと進む人たちでした。

ものごとの本質を見極め、困難に立ち向かい、転んでも直ぐに立ち上がる…そんな「仕事ができる人」を見ていると勇気をもらえますし、「まだまだやれる!」と思えるから不思議です。

そう言う意味においては、仕事ができるようになるためのいちばんの近道は、仕事ができる人のすぐそばで、一挙手一投足を見ながら仕事をすることかもしれませんね。

最後に、大切なことをもうひとつ。

もしあなたが、今現在

  • 今の仕事に興味が持てない…やりがいを感じられない…やる気が出ない…
  • 自分の仕事に自信が持てない…仕事を心から楽しめない…
  • 仕事で大きなストレスを感じている…会社に行くのが嫌になった…

と感じていて、誰かに悩みを聞いて欲しい…解決策について相談したい…気持ちを落ち着かせたい…という場合は「オンラインカウンセリング」の利用をおすすめいたします。

オンラインカウンセリングとは、臨床心理士や国家資格を持つカウンセラーと1対1で約50分程度、オンライン上で気軽に悩みを相談できるサービスです。

具体的には、

  • 自分の感情を素直に表現し、悩みを打ち明けることによって気持ちを落ち着かせる
  • 日頃から抱えている悩みや問題をカウンセラーと一緒に考えて、解決の糸口を見出す
  • 心の中にしまっていた気持ちを話すことで、今置かれているの自分の状況を整理する
  • カウンセラー(専門家)の話を聞くことで、客観的な視点から自分の考えを認識する

ことによって、

ひとりで抱え込んでいた不安や悩みを和らげ、心の健康を取り戻す効果が期待できます。

私がそうであったように、心の不調が身体的な症状(心身症)に発展すると、心と体が健康な状態に戻るまで数ヶ月~数年かかることも珍しくありません。

なので、今現在、仕事による強いストレスに悩まされていて、大きな不安を抱えていらっしゃる方は、自分の心と体を最優先に考えて、オンラインカウンセリングに限らず、心のケアやリフレッシュ、あるいは、ストレスの原因から距離を置くことを検討してみましょう。

ということで、今回はこの辺で。

最後までお読みいただきありがとうございました (^.^)

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