イノベーションって何?なぜ必要なの?本来の意味とは?

東大寺 広目天立像 撮影者:うさやん

「イノベーションとは何か?」

「イノベーションとはどういう意味か?」

「イノベーションの必要性とは?」

というあなたに、今回は、

誤解されやすい「イノベーションの意味や必要性」について、わかりやすく解説します。

著述家・パブリックスピーカーである山口周氏は、イノベーションについて次のようにおっしゃっています。

イノベーションは課題にはなり得ません。

なぜなら課題を解決するための手段がイノベーションだからです。

手段であるイノベーションを目的として設定すれば、その上で行われる営みは本番たり得ず、したがって茶番というしかありません。

参考文献 山口 周(2019)『ニュータイプの時代 ー新時代を生き抜く24の思考・行動様式』ダイヤモンド社 .

上記のことからも分かるように、イノベーションは「起こそうとするもの」でもなければ、課題や目的とも異なります。

では、イノベーションとは一体何なのか?なぜ必要なのか?

本来の意味を理解していただくために、できるだけわかりやすく解説いたします。

それでは早速みていきましょう。

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イノベーションって何?

「イノベーションって何ですか?」

「イノベーションってどういう意味?」

「イノベーションをわかりやすく言うと?」

そんな素朴な疑問にお答えするために、まずはイノベーションについて解説します。

企業におけるイノベーション(innovation)とは、これまでにない新しい商品やサービス、画期的な仕組みや方法を生み出し、経済的に大きなインパクトを生み出すことです。

「技術革新」と呼ばれることもありますが、本来の意味は「新たな価値を創造すること」であり、技術に限らず世の中に大きなインパクトを与えた革新的な製品やサービス、ビジネスに多大な影響を及ぼした仕組みや方法などは全てイノベーションと呼ぶことができます。

イノベーションとはあくまで「結果」であり、目的に据えるものではありません。

「頑張ってイノベーションを起こそう!」

「うちの会社にはイノベーションが必要だ!」

「イノベーションが業績アップの鍵を握っている」

という表現は、イノベーションを起こすこと自体が目的となっていますから、根本的に間違っています。

イノベーションを起こしたいのであれば、まずはじめに社会に存在する問題を探し出し、それを定義した後、果たすべき課題を設定し、画期的な方法でアプローチする必要があります。

そのためには、

  • 隠れた顧客ニーズや社会問題を探り当てる
  • 世の中の役に立つ新技術の開発に着手する
  • 画期的な製造工程や業務プロセスを考える

など、実現したい未来に向けて、新たな一歩を踏み出すことから始めなければなりません。

イノベーションは常に新たなチャレンジから生まれます。

ひとりのアイデアから生まれることもありますし、既にあるものに新たな視点が加わることで誕生する場合もあります。

いずれにしても、新たなチャレンジが生まれやすい環境こそが、イノベーションを起こすために必要な条件と言えるのではないでしょうか。

現代経営学の父であり、史上最高の経営コンサルタント言われるピーター・ドラッカー氏も、ビジネスを行う上では、どのような組織であってもイノベーションとマーケティングというふたつの機能が必要だと考えていたようです。

スティーブ・ジョブズは、ビジネスウィークの記者から「あなたはどうやってイノベーションを体系化したのですか?」と聞かれて、「そんなことはしちゃだめだ」と即答しています。

出典:山口周(2017)『知的戦闘力を高める独学の技法』ダイヤモンド社 .
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イノベーションはなぜ必要?

イノベーションはなぜ必要なのか?

イノベーションの必要性が叫ばれる理由は何か?

そのような質問に対して、

「既存の事業を堅実に運営し、少しずつでも着実に成長させることができれば、あえてイノベーションを起こすような試みは必要ないのでは?」

と答える方もいらっしゃるでしょう。

確かに、今行っている事業に改善を重ねていくことも大切です。

しかし、中小企業や小さな会社が存続するためには、イノベーションを起こすための取り組みが欠かせません

あらためて「イノベーションはなぜ必要か?」という問いに対する回答を用意するならば、

  • インターネットに登場によって、商品や市場の参入障壁が下がったため
  • 物質的な不満の解消によって、新たな価値を生み出す必要が生じたため
  • 会社の新たな未来を構想する、新時代に対応できる人材を育成するため

となるでしょう。

それではひとつずつ簡単に解説いたします。

情報化社会の到来

インターネットの登場による情報化社会の到来によって、世の中は劇的に変化しました。

情報の価値が下がり、インターネット上から誰でも簡単に情報を発信・取得できるようになった今日、人々のライフスタイルやビジネス環境は劇的に変化し、商品や市場の参入障壁も下がっています。

そのような時代にあって、過去の延長線上でビジネスを展開していたのでは、競合他社に追いつかれるか、あるいは、新たに参入した企業に一気に飲み込まれても何らおかしくありません

とりわけ、人材や資金に乏しい中小企業や小さな会社は、大企業に比べてその危険性が極めて高く、イノベーションを起こすための取り組みは必要不可欠です。

新たな価値の創出

時代の変化に伴って、「誰もが感じるような大きな問題がなくなってしまった」ということも、イノベーションが必要とされる理由のひとつと言えるでしょう。

現在の社会を見渡してみると、「物質的な不満」はほぼ解消され、人々が人間的な生活を行う上での不便さや不快さもあまり感じなくなり、手厚い保証や公共設備も整っていて、ほとんどの国民が必要最低限の生活を送ることができます。

もちろん例外もあるでしょうが、各家庭には冷蔵庫や洗濯機があり、洋服も以前とは比べ物にならないくらい高品質な商品を安く買うことができます。

そして、子供と高齢者を除けば、ほぼ全ての人が一人に1台スマートフォンを所有している。

そんな時代にあって、価値あるものをお客様に提供するためには、イノベーションを起こせるかどうかは別にして、新たな価値を生む商品や画期的なサービスの開発は必須です。

新時代の人材育成

イノベーションを起こすための取り組み、つまり、これまでにない新しい商品やサービス、画期的な仕組みや方法を生み出す試みは、これ以上ないほど人材育成に適しています。

自ら問題を探し出し、課題を設定し、それを画期的なアプローチで解決へと導く過程において、スキルアップはもとより、新たな道を切り開くチャレンジ精神が芽生え、困難に立ち向かう精神力や忍耐力が養われ、直感力や創造力も磨かれるでしょう。

そして何よりも、多くの経験を通して自分に自信が持てるようになり、「未来を構想する力」も自然と身につきます。

会社は人の集合体であることを考えると、会社を成長させるエンジンは紛れもなく人であり、人の成長に大きく寄与する「イノベーションを起こそうとする取り組み」は、会社を成長させる取り組みと言い換えることができるでしょう。

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まとめ

今回は、「イノベーションの意味や必要性」について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

最後にもう一度、イノベーションの意味と必要性について確認しておきましょう。

イノベーションとは何か?

「新たな価値を創造すること」であり、技術に限らず世の中に大きなインパクトを与えた革新的な製品やサービス、ビジネスに多大な影響を及ぼした仕組みや方法。

イノベーションはなぜ必要か?

  • インターネットに登場によって、商品や市場の参入障壁が下がったため
  • 物質的な不満の解消によって、新たな価値を生み出す必要が生じたため
  • 会社の新たな未来を構想する、新時代に対応できる人材を育成するため

山口周氏はイノベーター(イノベーションを起こした人)として高く評価されている人々へのインタビューを通じて、以下のようにおっしゃっています。

彼らは決してイノベーションを起こそうとして仕事をしたわけではありませんでした。

常に「こういう問題が解決できたら素晴らしい」「こういうことが可能になったら痛快だ」という具体的な「解決したい問題」が明確にあり、それを解決するための手段がたまたま画期的なものであったために、周囲から「イノベーション」と称賛されているだけで、元から「イノベーションそのもの」を目指していたわけではないのです。

出典:山口 周(2019)『ニュータイプの時代 ー新時代を生き抜く24の思考・行動様式』ダイヤモンド社 .

イノベーションの本来の意味が、これ以上ないほどわかりやすく表現されていますね。

ということで、今回はこの辺で。

最後までお読みいただきありがとうございました (^.^)

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