職場に馴染めないときは「気にしない」、そして「割り切る」

白峰三山縦走にて 撮影者:うさやん

「転職して数ヶ月経つが、職場に馴染めない…」

「どうすれば今の職場に馴染むことができるのか…」

「馴染めない職場での上手な働き方が知りたい…」

というあなたに、今回は

職場に馴染めないときに、ぜひ実践していただきたい2つの考え方

  • 気にしない
  • 割り切る

について、その理由や方法をわかりやすく解説いたします。

最初に言っておきますが、職場に馴染めないことは決して珍しいことではありませんし、悪いことでもありません。

仕事に関すること以外で、あえて職場の人間と積極的にコミュニケーションを取ろうとしない人、つまり「職場に馴染もうとしない人」もいますから、職場に馴染めない原因がすべて自分にあると考えるのは大きな間違いです。

それともうひとつ。

職場に限らず、家族や友人も含め、「人づきあい」は私たちが思っているほど簡単ではありません。

人とつきあうことはとても難しいのです。

仏教では修行をして心を清らかにして悟りを開くという、とても大胆な道を教えています。

人間はその気になってがんばれば悟ることもできます。

しかし、「人とうまくつきあう」ということは、それよりも難しいのです。

人とうまくつきあうことは悟りを開くよりも難しいということを、まずそれを覚えておいていただきたいのです。

出典:アルボムッレ・スマナサーラ(2011)『アルボムッレ・スマナサーラ法話集 人付き合いの処方箋』株式会社アルマット.

上記のことを踏まえ、肩の力をぬいて、気を楽にして読み進めていただければ幸いです。

それでは早速見ていきましょう。

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職場に馴染めないときは「気にしない」

職場に馴染めないと感じた時は、とにかく周りの目を気にしない、周りの声を気にしない、周りの行動を気にしないこと。

とりわけ、入社して数ヶ月は「職場に馴染めない」と感じるのはよくあることですから、まったく気にすることはありません。

とはいうものの、

「気にしないでおこうと思っても、気になってしまう…」

「馴染もうと努力して、いつも空回りしている…」

「入社して数年経つが、依然として職場に馴染めない…」

という方もいらっしゃるでしょう。

そんなあなたに、職場に馴染めないときは「気にしない」と主張する、3つの理由をお伝えします。

職場に馴染めないときは「気にしない」

  • 職場は仕事をする場所であり、成果が求められる
  • 職場に馴染まないことで得られるメリットもある
  • 人の価値観や周りの環境を変えることはできない

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

そもそも職場は仕事をする場所である

職場に馴染めないときは「気にしない」。

それはなぜか?

そもそも職場は仕事をする場所であり、会社があなたに求めていることは、「仕事で成果をあげることです。

職場の人間と円滑に仕事を進める上で、仕事の成果を左右するほどの大きな不都合がない限り、無理して職場に馴染もうとする必要はありません。

「職場に馴染もう」と余計な気を使うのではなく、目の前の仕事に集中することを続けているうちに、仕事の精度が上がり、自分でも実感できるほど、いい仕事ができるようになります。

そして、黙々と仕事をこなし、コンスタントに成果を出す人を、周りの人は放っておきません

反対に、職場に馴染みすぎて、周りのスタッフと必要以上に仲良くなると、ついつい周りの意見に同調してしまい、自分のアイデアや意見を発言しずらくなる怖れがあります。

馴染まないことによるメリットに注目

職場に馴染めないときは「気にしない」。

それはなぜか?

一般的には「職場に馴染む」ことが良いとされていますが、職場に馴染まないことによるメリットもあります。

たとえば、

  • 飲み会や休日のイベントに誘われることもないので、仕事とプライベートとのメリハリをつけることができる
  • 特定の派閥に属することがなく、常に中立の立場にいるため、人間関係のトラブルに巻き込まれる可能性が低い
  • 仕事中に話しかけられることも少ないので、目の前の仕事に集中することができる。結果として成果が出やすい。

「発想の転換」と言ってしまえばそれまでですが、職場に馴染んでいる人が上記のメリットを得ることは簡単ではありません。

人の価値観や環境を変えることは無理

職場に馴染めないときは「気にしない」。

それはなぜか?

最も大きな理由は、「気にしたところであまり意味がない」からです。

周りの人たちは、あなたとはまるで違う価値観、人格のまま、ただそこに存在し、何も変わってはくれません。

ですが、それでいいのです。

それがもっとも自然で、当たり前の姿なのです。

出典:アルボムッレ・スマナサーラ(2012)『一生、仕事で悩まないためのブッダの教え』株式会社三笠書房.

私たちは誰しも環境を変えることはできません。

つまり、自分自身を変えることで、環境に適応するしかないのです。

出典:アルボムッレ・スマナサーラ(2012)『一生、仕事で悩まないためのブッダの教え』株式会社三笠書房.

上記の通り、人の価値観や自分が置かれている環境を、自分の力で変えることはできません。

万が一、周りの人や環境が変わることがあるとすれば、それは、あなたが変わったことによって、周りの人のあなたを見る目が変わるときです。

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職場に馴染めないときは「割り切る」

職場に馴染めないときは、「割り切る」ことも必要です。

職場に馴染めないと、

「自分が周りの人にどう思われているかわからない…」

「自分の何がいけないのだろうか…」

という不安定な気持ちが災いして、仕事に支障をきたす場合があります。

具体的には、

  • 周囲の声や相手の反応が気になって、せっかく思いついたアイデアや意見を引っ込めてしまう
  • 周りの人間に対して「苦手な人」「嫌いな人」というレッテルを貼ってしまい、円滑なコミュニケーションができない
  • コミュニケーションが億劫になり、本来は伝えるべき大切なことも「言わなくてもわかるだろう」と勝手に解釈してしまう

など、自分の殻に閉じこもってしまい、自分の中で勝手な妄想が膨らんで、挙げ句の果てには自分の個性や長所をも殺してしまいかねません

そんなことにならないように、会社では、たとえ自分が職場に馴染めないと感じていても、個人的な感情を抜きにして

「仕事は仕事だから」

と割り切ることが大切です。

では、どうすれば馴染めない職場で「割り切る」ことができるのか?

答えはただひとつ。

「仕事の目的」にフォーカスするのです。

「何のためにこの仕事をしているのか?」

「誰のためにこの仕事をしているのか?」

「そのために、自分は何をなすべきか?」

「仕事の目的」を第一に考えると、自分の個人的な感情が優先されることはなくなるでしょう。

加えて、仕事の目的を優先するあなたの考えや行動を見て、それを咎める人は誰一人いません。

たとえ間違ったことを発言しても、経験が浅いためにうまくいかないことがあったとしても、あなたの仕事に対する姿勢や熱意を感じ取った人たちは、より良いアドバイスを授け、喜んでサポートをしてくれるでしょう。

なぜなら、仕事の目的はあなただけのものではなく、職場に席を置くすべての人間が持つべき「共通の目的」だからです。

そして、「共通の目的」を果たすために、真剣に仕事に向き合う人が集うとき、互いの信頼関係が生まれます。

職場の人間との信頼関係が出来上がると、もう「職場に馴染めない」と思うことはなくなるでしょう。

それともうひとつ。

職場では「空気を読む」ことも大切です。

以下、「空気を読む」ことについて、その意味や方法をご紹介いたします。

少し前から、日本では「空気が読めない」という表現がよく使われるようになりました。

~中略~

結論から言ってしまえば、空気とは「共通点」です。

~中略~

知識や経験という共通点はもちろん、興味や気分についても「どのあたりが共通しているのか」を考えることが、いわゆる「空気を読む」ことなのです。

出典:アルボムッレ・スマナサーラ(2012)『一生、仕事で悩まないためのブッダの教え』株式会社三笠書房.

空気を読むための第一歩は、自分の価値観、世界観を一旦停止することです。

自分の考えを一旦停止し、周囲の人たちの「輪」を観察し、キャッチする。

そこからすべてが始まります。

だから、自分の考えに意識が向いている人は、空気が読めないのです。

出典:アルボムッレ・スマナサーラ(2012)『一生、仕事で悩まないためのブッダの教え』株式会社三笠書房.
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まとめ

今回は、職場に馴染めないときの基本的なスタンスである

  • 気にしない
  • 割り切る

について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

  • 気持ちが少し楽になった
  • 周りを過剰に気にすることなく、割り切って働けそう
  • なんだか明日から頑張れそう

と思っていただければ嬉しく思います。

ちなみに、記事の冒頭で、

「仕事に関すること以外で、あえて職場の人間と積極的にコミュニケーションを取ろうとしない人もいる」

と言いましたが、何を隠そう、あれはまさに私のことです。(ハハハ)

家族との時間や自分の時間(ガーデニングや犬の散歩、山旅やプロ野球観戦)も、仕事と同じかそれ以上に大切にしたいので、仕事とプライベートはきっぱり分けるようにしています。

最後に、大切なことをもうひとつ。

もしあなたが職場の人間関係によるストレスで、心が疲れている…誰かに悩みを聞いて欲しい…解決策について相談したい…気持ちを落ち着かせたい…という場合は「オンラインカウンセリング」の利用をおすすめいたします。

オンラインカウンセリングとは、臨床心理士や国家資格を持つカウンセラーと1対1で約50分程度、オンライン上で気軽に悩みを相談できるサービスです。

具体的には、

  • 自分の感情を素直に表現し、悩みを打ち明けることによって気持ちを落ち着かせる
  • 日頃から抱えている悩みや問題をカウンセラーと一緒に考えて、解決の糸口を見出す
  • 心の中にしまっていた気持ちを話すことで、今置かれているの自分の状況を整理する
  • カウンセラー(専門家)の話を聞くことで、客観的な視点から自分の考えを認識する

ことによって、

ひとりで抱え込んでいた不安や悩みを和らげ、心の健康を取り戻す効果が期待できます。

私がそうであったように、心の不調が身体的な症状(心身症)に発展すると、心と体が健康な状態に戻るまで数ヶ月~数年かかることも珍しくありません。

なので、今現在、職場の人間関係による強いストレスや大きな不安を抱えていらっしゃる方は、自分の心と体を最優先に考えて、オンラインカウンセリングに限らず、心のケアやリフレッシュ、あるいは、ストレスの原因から距離を置くことを検討してみましょう。

ということで、今回はこの辺で。

最後までお読みいただきありがとうございました (^.^)

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