「転職して数ヶ月経つが、どうしても職場に馴染めない…」
「入社して1ヶ月、自分が孤立しているように感じる」
「職場に馴染めない新人に対して、上司は何をすべきか…」
というあなたに、今回は
- 職場に馴染めない新人が身につけるべき3つの考え方
- 職場に馴染めないまま1年が過ぎたら考えるべきこと
について、お伝えいたします。
大前提として、入社したばかりの新人が優先すべきことは、1日でも早く仕事を覚えることです。
一人前に仕事ができるようになるまでは、職場に馴染むことは二の次にして、まずは目の前の仕事に集中すべきでしょう。
とはいうものの、いろんなタイプや性格の方がいますから、職場に馴染めないことが原因で、
- 周りとのコミュニケーションに支障が出ている
- 消極的になって、自分の長所が活かしきれない
- 仕事に対するモチベーションがまったく上がらない…
という方もいらっしゃることと思います。
職場に馴染めない新人に対して、
- 笑顔で元気よく挨拶する
- 小さなことでも相談する
- 積極的に仕事に取り組む
といった行動面でのアドバイスもありますが、メンタルが弱っている状態で、ある日突然、行動を変えることは簡単ではありません。
「職場に馴染むためには、〇〇な行動をしなければならない」
というプレッシャーが新たに加わることによって、ますます自分を追い込んでしまう可能性も十分に考えられますから、まずは「考え方」を変えてみる、あるいは、自分の考え方をほんの少しアップデートしてみることをオススメします。
実際に行動を変えるのは、その後でも遅くはありません。
では、どのような考え方を取り入れたらいいのか?
早速みていきましょう。
職場に馴染めない新人が身につけるべき3つの考え方
職場に馴染めない新人の方は、まずはじめに「考え方を変えてみる」ことを強くオススメします。
考え方が変われば、行動が変わり、行動が変われば、習慣が変わり、やがては周りの環境も少しずつ変化するものです。
考え方を変えないまま行動を変えたとしても、どこかぎこちなく感じたり、すぐに結果が出ない場合は余計に落ち込んだり、状況が改善しないことに対してイライラしてしまいますから、
考え方を変える → 行動を変える → 習慣を変える
この順番を守った上で、
焦らずに、ゆっくりと、少しずつ自分の行動に変化を加えていきましょう。
では、具体的にどのような考え方を取り入れたらいいのか?
以下をご覧ください。
職場に馴染めない新人が身につけるべき3つの考え方
- ものごとを善悪で判断しない
- 周りの人の価値観を尊重する
- すべての出来事は必然と考える
それでは、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
ものごとを善悪で判断しない
職場に馴染めない新人が身につけるべき考え方、1つ目は「ものごとを善悪で判断しない」です。
新しい職場は、今まで経験したことがない「新たな体験」で満ちています。
それらを、
- 「これは私に向いている」「この仕事は得意だ」
- 「このやり方は気に食わない」「この上司は苦手」
などと、いちいち反応していてはキリがありません。
職場だけでなく、学校や家庭でも、性格や価値観が異なる人間が集まっているわけですから、自分にとって嬉しい、楽しい、または都合のいいこともあれば、その反対に、気に入らないことや敬遠したいと思うこともあります。
目の前に起こる出来事を、自分を中心に善悪で判断してしまうと、少なからず表情や仕草、話し方や行動に現れますから、それを見て不快に感じる人もいるでしょうし、気分を害する人もいるでしょう。
「これは正しい、これは間違っている」
「これは好き、これは嫌い」
それはそれでいいのですが、過剰に反応するのではなく、心の中で
「あ、これ好きだな」
「これはちょっと嫌いかも」
と、ありのまま受け止める。
職場に馴染めないのであれば、
「この職場、なんだか馴染めないなぁ」
と、まずは冷静に受け止めて、
「さて、どうするか」
と、冷静に考えてみる。
よくよく考えると、
「ま、このままでも問題ないか」
と思えることもあるでしょうし、その逆もあるでしょう。
「どうにかして職場に馴染みたい」
と思うのであれば、
「自分にできることは何か?」
と考えて、できることから少しずつ実行すればいいのです。
結局私たちは環境に適応することで、生きていくしかありません。
環境を把握し、受け入れて、順応していくしかないのです。
その際もっとも大事なのが、「いちいち心を揺さぶられないこと」。
何があっても何がなくても、予定通りに進んでも進まなくても、「まあいいや、それはそれでよろしい」と開き直って、淡々と、冷静な気持ちでいることが肝心。
物事を予定通りに進めようと、無駄な労力を使って心を痛めつけるのではなく、何があっても平静でいられるよう自分の心を管理するべきです。
出典:アルボムッレ・スマナサーラ(2012)『一生、仕事で悩まないためのブッダの教え』株式会社三笠書房.
周りの人の価値観を尊重する
職場に馴染めない新人が身につけるべき考え方、2つ目は「周りの人の価値観を尊重する」です。
人はそれぞれ考え方や価値観が異なり、何をするにも自分の主観でものごとを見て、自分の考え方や価値観で判断し、それをもとに行動する生き物です。
誤解を恐れず言うならば、「人は基本的にわがままである」と言っても過言ではありません。
まずはそのことを理解する必要があります。
人は「私が」「俺が」という『自分』という思いがとても強いのです。
そういう自分中心のわがままな思いからさまざまなトラブルをつくりだしてしまいます。
出典:アルボムッレ・スマナサーラ(2011)『アルボムッレ・スマナサーラ法話集 人付き合いの処方箋』株式会社アルマット.
ほぼ全ての人が自分の考えや価値観を頼りに行動するわけですから、意見が衝突することもあるでしょうし、些細なことが原因で諍いに発展したり、時には、裁判沙汰になるほどの事件に発展することもあるでしょう。
では、どうすれば良好な人間関係を築くことができるのか?
答えはいたってシンプルです。
自分の考えや価値観をいったん脇に置いて、相手の考えや価値観に、真摯に耳を傾けて、
「なるほど、この人はこう考えるのか」
「そうか、この人は〇〇を大切にしているのか」
と、ありのまま受け止める。
この時、自分が相手の考えや価値観に合わせる必要はなく、あくまでも「尊重する」こと。
相手の考えや価値観を尊重した上で、自分が思っていることを伝えると、相手は安心して素直にこちらの話を聞いてくれます。
たとえそれが相手の考えや価値観とは異なっていたとしても。
価値観は人それぞれ。
その前提を理解し、相手の価値観を尊重することは、人間関係を築く上での基本中の基本です。
出典:アルボムッレ・スマナサーラ(2012)『一生、仕事で悩まないためのブッダの教え』株式会社三笠書房.
すべての出来事は必然と考える
職場に馴染めない新人が身につけるべき考え方、3つ目は「すべての出来事は必然と考える」です。
少々厳しいことを言うようですが、目の前で起きている出来事はすべて自分への課題であり、克服できない課題が現れることはありません。
そのように解釈すると、
「この問題はきっと乗り越えられる」
「今はまだわからないけど、絶対になんとかなる」
と思えてきます。
焦らず、急がず、心を落ち着かせ、いったん立ち止まって考えてみるのです。
もしあなたが「職場に馴染めない」と思っていて、この状況をなんとかしたいのであれば、悲観的になることなく、まずは立ち止まってじっくりと考えてみましょう。
そうすれば、少し時間はかかるかもしれませんが、思わぬ形で活路が見えてきます。
「過去の延長線上に今がある」という見方もありますが、「目指すべき未来のために今がある」という見方もできますから、詰まるところ、ものごとはすべて自分の見方や捉え方次第と言えます。
つまり、
「自分に何を学ばせるために、この出来事が起きたのか?」
という見方をすることによって、今一度、客観的に現状を捉え直すことが大切です。
そのためには、くどいようですが、
「起こる出来事は自分への課題であり、克服できない課題が現れることはない」
と考える。
そう考えることで、一歩前へと足を踏み出す勇気が湧いてきます。
職場に馴染めないまま1年が過ぎたら考えるべきこと
入社から1年経った今でも、職場に馴染めないことが大きなストレスとなって、辛い日々を過ごしているのであれば、無理してその職場に止まる必要はありません。
できるだけ早い段階で、転職することをオススメします。
そうではなく、職場に馴染めないまま1年が過ぎて、職場に馴染めないことが常態化しているのであれば、おそらく新人の頃に比べると、職場に馴染めないことが、それほど大きな悩みではなくなっているのではないでしょうか。
もしかすると、
「職場に馴染まない働き方も悪くない」
と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
人はそれぞれ性格や価値観が異なります。
そして、ライフスタイルが多様化している今日において、働き方も人それぞれ。
仕事に支障をきたさない限り、会社に迷惑をかけない限り、あえて職場に馴染もうとしない働き方があってもいいのではないでしょうか。
職場に馴染まないことは、今では珍しいことではありませんし、ましてや悪いことでもありません。
むしろ、無理して職場に馴染もうとすることの方が、自分で自分にストレスをかけることにつながり、結果として仕事のパフォーマンスを低下させ、会社からの評価も下がってしまいます。
ちなみ、私は前職のネット印刷で14年以上お世話になりましたが、入社してから退職するその日まで、まったく会社に馴染むことはできませんでした。
会社の年中行事に組み込まれている年に1度の新年会と、歓送迎会は何度か出席しましたが、いわゆる「飲み会」に参加することもなく、個人的な付き合いも皆無、仕事以外のことで周りのスタッフから話しかけられることも少なく、定時になったら真っ直ぐ帰宅という日々。
だからといって、そのことで著しく評価を下げられることはなかったですし、仕事に支障をきたすこともありませんでした。
会社に馴染めないまま1年が過ぎた方は、今一度、人生の目的や自分の中での最優先事項をあらためて確認して、それに見合う働き方を模索してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、
- 職場に馴染めない新人が身につけるべき3つの考え方
- 職場に馴染めないまま1年が過ぎたら考えるべきこと
についてお伝えしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
忘れないように、
「職場に馴染めない新人が身につけるべき考え方」をおさらいしておきましょう。
職場に馴染めない新人が身につけるべき3つの考え方
- ものごとを善悪で判断しない
- 周りの人の価値観を尊重する
- すべての出来事は必然と考える
最後に、大切なことをもうひとつ。
もしあなたが職場の人間関係によるストレスで、心が疲れている…誰かに悩みを聞いて欲しい…解決策について相談したい…気持ちを落ち着かせたい…という場合は「オンラインカウンセリング」の利用をおすすめいたします。
オンラインカウンセリングとは、臨床心理士や国家資格を持つカウンセラーと1対1で約50分程度、オンライン上で気軽に悩みを相談できるサービスです。
具体的には、
- 自分の感情を素直に表現し、悩みを打ち明けることによって気持ちを落ち着かせる
- 日頃から抱えている悩みや問題をカウンセラーと一緒に考えて、解決の糸口を見出す
- 心の中にしまっていた気持ちを話すことで、今置かれているの自分の状況を整理する
- カウンセラー(専門家)の話を聞くことで、客観的な視点から自分の考えを認識する
ことによって、
ひとりで抱え込んでいた不安や悩みを和らげ、心の健康を取り戻す効果が期待できます。
私がそうであったように、心の不調が身体的な症状(心身症)に発展すると、心と体が健康な状態に戻るまで数ヶ月~数年かかることも珍しくありません。
なので、今現在、職場の人間関係による強いストレスや大きな不安を抱えていらっしゃる方は、自分の心と体を最優先に考えて、オンラインカウンセリングに限らず、心のケアやリフレッシュ、あるいは、ストレスの原因から距離を置くことを検討してみましょう。
ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました (^.^)