「アンケートの質問項目の具体的な作り方が知りたい」
「アンケートの質問数、適正な数は一体どれくらい?」
「初めてのアンケートで、どんな質問をすればいいかわからない…」
というあなたに、今回は
- アンケートの質問項目の作り方 5ステップ
- アンケートの質問数を適正な数に整える方法
をご紹介いたします。
※アンケートに記載する「質問・項目・設問」などを、本ブログでは「質問項目」と表記します。
私は14年間在籍した前職のネット印刷において、入社して数年後に「お客様の声」の必要性と重要性を強く感じ、自分が中心となり、毎年欠かさずお客様アンケートを企画・実施・集計・活用していた経験があります。
ここでご紹介する方法は、私が前職でアンケートを実施する際に、毎年のようにアンケートの質問項目を考え、アンケートの結果から回答の内容を検証し、翌年の質問項目に活かす…そんなサイクルを繰り返しているうちに辿り着いた「アンケートの質問項目の正しい作り方」です。
時系列に沿って、丁寧かつわかりやすく、具体例を示しながらお伝えしてまいりますので、アンケートの質問項目の作り方を模索している方や、アンケートの作成が初めての方は、ぜひ最後までお読みいただき、アンケートの質問項目の作り方を習得していただければ嬉しく思います。
それでは早速みていきましょう。
アンケートの質問項目の作り方 5ステップ
アンケートの質問項目の作り方を、5つのステップで解説いたします。
一般的には、アンケートの質問項目を考えるとき、
「どんな質問をすればいいか?」
と、いきなり質問の内容から考えますが、この方法はあまりオススメできません。
結論から申し上げると、
アンケートに限らず、質問の内容を考える時は「ゴール」から逆算して考えます。
ここで言うゴールとは、
「どんな回答を得たいのか?」
ということ。
まずはじめに、得たい回答を明らかにした上で、
「どんな質問をすれば、そのような回答を導き出すことができるのか?」
と考えるのです。
具体的には、
- どんな質問内容にするのか?
- どんな質問形式にするのか?
- どんな質問文で伝えるのか?
を考え、それらの最適解を持ち寄って、アンケートの質問項目を作ります。
とまあ、アンケートの質問項目の作り方について、ざっとお話ししましたが、上記の流れを5つのステップに分解すると…
アンケートの質問項目の作り方
- アンケートの目的をあらためて確認する
- アンケートで得たい回答を明らかにする
- 得たい回答を導き出す質問内容を考える
- 回答者が答えやすい質問形式を選択する
- 簡潔でわかりやすい質問項目に仕上げる
となります。
それではひとつずつ詳しくみていきましょう。



アンケートの目的を再確認する
アンケートの質問項目の作り方、
最初のステップは「アンケートの目的をあらためて確認する」です。
例えば、
- 新規のお客様から新商品や新サービスのヒントを得るため
- 売上が上位の顧客から顧客満足度向上のヒントを得るため
- ホームページや自社の販促物にお客様の声を掲載するため
など、アンケートを実施するからには、必ず目的があるはずです。
まずは、それらの目的を再確認するとともに、目的が複数ある場合は最優先事項を決めておきましょう。
また、アンケートの質問項目を考える際に迷走することもありますから、
「そもそも今回のアンケートの目的ってなんだっけ?」
と思った時のために、いつでもアンケートの目的を確認できる状態にしておくことも重要です。
「得たい回答」を明らかにする
アンケートの質問項目の作り方、
次のステップは「アンケートで得たい回答を明らかにする」です。
例えば、アンケートの目的が、
「新規のお客様から新商品や新サービスのヒントを得る」
だった場合、その目的をさらに具体的に表現します。
つまり、
「新商品のヒントを、具体的にどこから得たいのか?」
を考えるのです。
その結果、
- 自社の商品を購入したお客様が、次に目をつけている(購入予定の)商品
- 新規のお客様が、自社商品の購入を決定する直前まで比較していた他社商品
- 自社商品の気に入っているところや改善点、購入の決め手になった部分
など、「新商品のヒントにしたい要素=得たい回答」が明らかになります。
アンケートで「得たい回答」が具体的になればなるほど、アンケートの質問内容が明確化できますから、このステップで「得たい回答」をしっかり具体化しておくと、以降のステップがスムーズです。
アンケートの質問内容を考える
アンケートの質問項目の作り方、
3つ目のステップは「得たい回答を導き出す質問内容を考える」です。
前のステップで「得たい回答」が明らかになりましたので、今度は
「どんな質問をすれば、得たい回答を導き出すことができるのか?」
を考えます。
先ほどの例で明らかになった「得たい回答」に対して、質問の内容を考えてみましょう。
得たい回答
自社の商品を購入したお客様が、次に目をつけている(購入予定の)商品
質問の内容
お客様が次に購入を考えている商品や、今注目しているサービスがあれば教えてください。
得たい回答
新規のお客様が、自社商品の購入を決定する直前まで比較していた他社商品
質問の内容
商品をご購入いただいた際に、比較していた他社の類似商品があれば教えてください。
得たい回答
自社商品の気に入っているところや改善点、追加して欲しい機能やカラー
質問の内容
ご購入いただいた商品の気に入っているところや改善点をはじめ、「こんな機能、こんな色があったらいいな」と思うことがあれば、具体的に教えてください。
いかがでしょうか。
「得たい回答」を導き出すための、より具体的な質問内容が完成しました。
アンケートの質問形式を選択する
アンケートの質問項目の作り方、
4つ目のステップは「回答者が答えやすい質問形式を選択する」です。
前のステップで「質問内容」が完成しましたので、このステップでは、
「得たい回答を導くための、最適な質問形式はどれか?」
を決定します。
例えば、前のステップで作成した質問内容に対して、最適な質問形式を考えてみましょう。
お客様が次に購入を考えている商品や、今注目しているサービスがあれば教えてください。
という質問を行う場合は、
当然ながら、お客様が考えていることを選択肢として用意することはできませんから、質問形式は自ずと「記述式」となり、「テキストボックス」を用意しておきます。
商品をご購入いただいた際に、比較していた他社の類似商品があれば教えてください。
という質問を行う場合は、
競合する類似商品が多ければ記述式でもかまいませんが、競合する類似商品が限られている場合は、回答者が記述する手間を省くために、あらかじめ代表的な類似商品と「その他(チェックすると記述できる)」という選択肢を用意しておけば問題ないでしょう。
ご購入いただいた商品の気に入っているところや改善点をはじめ、『こんな機能、こんな色があったらいいな』と思うことがあれば、具体的に教えてください。
という質問に関しては、
記述式でもかまいませんが、回答者からより多くのヒントを引き出すために、
- 気に入っているところ
- 改善して欲しいところ
- 追加して欲しいカラー
- 追加して欲しい機能
という質問に分解し、あらかじめ予想できる回答と「その他(チェックすると記述できる)」という選択肢を用意して、それぞれの質問にお答えいただくと、より詳細なヒントが得られるでしょう。
簡潔で明快な質問項目に仕上げる
アンケートの質問項目の作り方、
最後のステップは「簡潔でわかりやすい質問項目に仕上げる」です。
これまでの4つのステップにおいて、アンケートの質問項目はほぼ完成しています。
では、最後のステップでは何をするのか?
端的に言うと、「テストアンケート」を実施します。
つまり、完成したアンケートの質問項目を社内にいる数人のスタッフに答えていただき、
「得たい回答がしっかり得られているか?」
を確認するのです。
加えて、アンケートにご協力いただいた方に
- 答えづらい(回答に困る)質問項目はなかったか?
- 質問の意図がわからない(通じない)質問項目はないか?
- 追加、または削除した方がいい選択肢はないか?
についても聞いてみましょう。
上記を踏まえ、質問項目を修正する必要がある場合は、
- 質問内容を考え直す
- 質問形式を変更する
- 質問文を加筆・修正する
などして、簡潔で明快かつ、誰でもわかる質問項目に仕上げます。
アンケートの質問数を適正な数に整える方法
アンケートの質問数を「適正な数」に整える方法をご紹介いたします。
アンケートの目的や質問形式、回答者へのプレゼントの内容にも左右されますが、回答者の貴重なお時間を拝借するわけですから、アンケートの質問数は少なければ少ないほどいいでしょう。
なぜなら、質問数が多いアンケートは、ひと目見ただけで回答する気が失せてしまうからです。
では、アンケートの適正な質問数はどれくらいか?
結論から申し上げると、アンケートの質問数の適正な数を見極めるためには、「質問数」ではなく、「回答に要する時間」で判断します。
アンケートが完成したら、まずは社内のスタッフにご協力いただいて、本番のアンケートを実施する前に「テストアンケート」を実施し、「回答に要する時間」の平均を出すとともに、
- 質問項目は多すぎないか?
- 回答に時間がかかりすぎないか?
- 回答に困る質問項目はないか?
をチェックしましょう。
精神科医の樺沢紫苑(かぶらさわ しおん)氏は、その著書「神・時間術」において、
「人間が非常に深い集中力を出せる時間は15分」
としています。
だからと言うわけではありませんが、回答に要する時間の目安として、平均回答時間が20分を超える場合は改善を加える必要があるでしょう。
回答時間の平均が20分を超える場合は、質問項目を減らしたり、回答に時間がかかる質問項目を見直すなど、全ての回答者が20分以内に回答できるようなアンケートに修正することをオススメいたします。
では、アンケートの質問数を減らすにはどうすればいいか?
アンケートの内容にもよりますが、アンケートの目的が多岐にわたっている場合は、目的に優先順位をつけて、優先度が低いものは次回のアンケートに回すか、あるいは、いったん保留にする。
アンケートの目的を絞っているにもかかわらず、質問項目が増えてしまった場合は、質問項目の中でさらに優先順位をつけて、こちらも優先度が低いものは削除しましょう。
アンケートの究極の目的は、自分たちでは気がつかない「お客様の内なる声」を聞き出し、それをヒントとして今後のビジネス活動に活かすことに他なりません。
そして、ビジネスを好転させるようなキラリと光るヒントは、数多くのお客様の声の中に埋もれているものです。
顧客満足度を調査するためのアンケートや、お客様の属性を調べるためのアンケートにしても、一定数の回答がなければ、信憑性のないデータとして扱われてしまいますから、アンケートの回答率を上げて、回答数を増やすためにも、アンケートの質問数を適正な数に調整しましょう。




まとめ
今回は、
- アンケートの質問項目の作り方 5ステップ
- アンケートの質問数を適正な数に整える方法
についてお伝えしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
忘れないように、もう一度「アンケートの質問項目の作り方」をおさらいしておきましょう。
アンケートの質問項目の作り方
- アンケートの目的をあらためて確認する
- アンケートで得たい回答を明らかにする
- 得たい回答を導き出す質問内容を考える
- 回答者が答えやすい質問形式を選択する
- 簡潔でわかりやすい質問項目に仕上げる
アンケートの質問項目の作り方が、アンケートの結果にどれほど影響を及ぼすのか。
それを象徴するメッセージを2つご紹介いたします。
質問の仕方や選択肢のつくり方によって、結果は変わる。
顧客の多くは不満を持っている、という結果が出る質問の仕方もできれば、その逆も可能
出典:名和高司(2018)『コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法』ディスカヴァー・トゥエンティワン .
できるだけ通説を疑ってアンケートを設計する。
「意外な事実」や「不都合な真実」を仮説に立てて、それをアンケートを通じてあぶり出そうとするわけだ。
出典:名和高司(2018)『コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法』ディスカヴァー・トゥエンティワン .
上記のことからも、アンケートの質問項目の作り方が、アンケートの結果を大きく左右することがお分かりいただけると思います。
最後にもうひとつ。
「アンケートの作成や実施、回収や集計、分析や活用をもっと効率的に行いたい」
という方に、
- Webアンケート作成サービス
- メール配信システム
をご紹介いたします。
Webアンケート作成サービスとは、専用テンプレートを使ったアンケートフォームの作成をはじめ、アンケートの実施や集計を包括的に行うことができるサービスです。
- アンケートフォームの作成
- 自動返信メールの設定
- 送信確認・完了画面の設定
- アンケート結果の集計
- 回答データの保存・ダウンロード
など、Webアンケートを実施する上で必要な機能が全て備わっているので、お客様アンケートをはじめ、社内アンケートや顧客満足度調査、プレゼント応募用アンケートなど様々なアンケートに活用できます。
- アンケートフォーム無料作成おすすめサービス5選
- アンケートフォーム無料・有料プランを徹底比較
メール配信システムとは、登録したメールアドレスに対して一斉にメールを配信できる便利なサービスで、Webアンケートを実施する際に重宝します。
- HTMLメールの作成
- メールの開封率を測定
- 本文内のURLクリック率の測定
- ターゲット別の配信
- 配信日時を指定
- 本文中に送信先の社名を差し込む
など、メール配信に必要な機能がすべて備わっているので、お客さまアンケートだけでなく、
- メルマガ配信やステップメール配信
- 新商品や新サービスのご案内
- キャンペーンやセールのお知らせ
- 値上げや値下げのお知らせ
- 商品やサービス内容の変更通知
- お詫びやメンテナンスのお知らせ
その他の重要なお知らせなどを行う際にたいへん便利です。
- メール配信システム比較!5社の特徴と活用法
- メール配信システム 目的別おすすめランキング
いずれのサービスも、無料プランや無料トライアル期間を設けているので、少しでも気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
なお、
「実店舗にご来店いただいたお客様に、その場でアンケートを実施したい」
という方は、以下の記事にて自由にお使いいただける「来店アンケートテンプレート」をご用意しておりますので、ご参考にしていただければ幸いです。
ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただき、ほんとうにありがとうございました (^.^)