「職場の人間関係を円滑にするためには?」
「人間関係が円滑になるコツはあるのか?」
「職場の人間関係に疲れた…辛い…」
というあなたに、今回は
- 職場の人間関係を円滑にするコツ
- 職場の人間関係に疲れたら考えるべき5つのこと
- 職場の人間関係が辛いときはどうすればいいのか
について、わかりやすく解説いたします。
人が同じ場所に集まって仕事をする以上、今も昔もこの問題がなくなることはありません。
職場で感じるストレスの第1位は依然として「人間関係」です。
パワハラやセクハラは論外として、
- 正当な評価をしてもらえない
- 部下がルールを守らない
- 上司の指導力がなく威圧的
- チャットで陰口を拡散される
- 自分の価値観を押し付ける
など、ストレスを生み出す原因は多種多様で、数え上げればキリがありません。
上司や部下との関係だけにとどまらず、先輩社員や入社したばかりの新入社員、同僚やチームメンバーとの人間関係からもストレスを感じるケースは多く、人とのコミュニケーションを要するあらゆる場面で、大なり小なり人間関係によるストレスは必ず生じます。
自分なりのストレス解消法があればいいのですが、週5日間、1日の大半を過ごす職場で受けるストレスを発散することは簡単ではありません。
日々ストレスを抱えながら仕事を続けると、精神的な苦痛だけでなく頭痛やめまい、手足の痙攣や不眠症など、放っておくと身体的な症状も現れ、ひどくなると日常生活に支障をきたすだけでなく、長期化すると仕事を続けることができなくなる可能性もあります。
環境を変えようと上司や同僚に相談する、人事部や総務部に相談する、あるいは最終手段として社長や経営幹部に直接話を聞いてもらったとしても、よほどのことがない限り、すぐに異動や配置転換は望めないでしょう。
ではストレスの原因となる職場の人間関係を円滑にするにはどうすればいいのでしょうか?
これからその答えを探っていきましょう。
職場の人間関係を円滑にするために
職場の人間関係を円滑にするためにはどうすればいいのか?
大前提として、退職するまで職場のスタッフと良好な関係を維持し続けることは極めて稀です。
考え方や価値観がまったく異なる人間が同じ場所で何年も仕事をしていると、何かしらの衝突や軋轢は必ず生まれます。
しかし、この後ご紹介する考え方やコツを実践していただくと、時間はかかるかもしれませんが、再び職場の人間関係を円滑にすることも可能です。
とてもシンプルで、誰にでも実践できますので、職場に限らず、日々の生活の中で円滑な人間関係を取り戻したいとお考えの方は、ぜひお試しいただければと思います。
それでは早速、職場の人間関係を円滑にする考え方やコツをみていきましょう。
人間関係で大切なことは?
職場の人間関係で大切なことが2つあります。
それは、
- 仕事を行うときの考え方
- コミュニケーションの基本
この2つを理解すること。
まずはじめに、仕事を行うときの基本的な考え方ですが、一言で言うと
「相手の役に立つために、自分がどうすべきか」
これがすべてです。
上記の考え方を無視したまま仕事をすると、人間関係を円滑にすることは決してできません。
次に、人とのコミュニケーションの基本は何なのか?ということになりますが、これも仕事の基本とほぼ同じ。
「自分の言いたいことなど、相手は聞きたくない」
「どうしたら相手が喜ぶか?」「相手は何を聞きたがっているか?」を考えて、工夫しながら職場でのコミュニケーションを行うのです。
つまり仕事もコミュニケーションも、「相手に喜びを与えること」が基本となります。
これこそが、コミュニケーションの極意であり、秘訣であり、基本的な考え方です。
職場での人間関係を円滑にするには、相手が喜ぶことを話し、相手が喜ぶことを伝え、相手が喜ぶ表現を使い、相手が喜ぶ結果をイメージしながら、自分自身が工夫してコミュニケーションを行う。
これ以外に方法はありませんし、逆に言うと、これだけ気をつけていればいいのです。
自分が話す時は相手に喜びを与える工夫をするとして、では「相手の話を聞く時は何を意識すればいいのか?」という疑問が浮かんでくると思います。
それに対しても、答えは至ってシンプルです。
「自分の役に立つものや意味があるものだけを真剣に聞いて、あとは適当に受け流す」
そんな方法でいいの?と思われるかもしれませんが、よく考えてみてください。
そもそも自分が役に立たないと思っていることや、意味がないと思っていることに対して、真剣に耳を傾けることができるでしょうか?
それがたとえ社長の話であっても、上司の話であっても、相手が話す内容を全て真剣に受け止めていたら、すべて相手の言う通りに行動することになってしまいます。
するとどうなるか?
積極的に「自分の頭で考えること」をしなくなり、自発的な行動は愚か、自分の意見を口にすることもなく、ただ指示を待つだけの人間になってしまいます。
会社としても、(ブラック企業を除いて)全てこちらの指示通りに動く人間を育てたいわけではないでしょうし、もし仮に会社がそれを望んでいるとすれば、その会社から画期的な商品や斬新なサービスを生み出すのは難しいかもしれません。
自分の意思とは関係なく、膨大な情報が入ってくる情報化社会において、耳に入る情報を全て真剣に聞いていては時間がいくらあっても足りませんし、自分でも気づかないうちに「ものごとを取捨選択する自由」を奪われてしまいます。
少し話がそれましたが、職場での人間関係を円滑にするには、まずコミュニケーションの基本を押さえ、「相手に喜びを与えること」を意識してコミュニケーションを行うこと。
これが人間関係で大切なことの90%です。
明日からでもかまいません。
職場だけに限らず、家族や友人と過ごす時も、「相手に喜びを与えること」を意識しながらコミュニケーションを行うと、明らかに相手の反応が変わり始めます。
ぜひお試しくださいませ。
円滑な人間関係を築くコツ
前項で申し上げた「相手に喜びを与えること」を意識したコミュニケーションだけでも十分効果はありますが、実はもうひとつ、円滑な人間関係を築くコツがあります。
それは、自分と相手との「共通点」を探しながら、コミュニケーションを行うことです。
具体的には、自分が持っている知識や経験、興味の対象や好きなこと、考え方や価値観、その時の気分など、相手の中に自分と重なる「共通点」を見つけ出して、時おりその共通点に触れながらコミュニケーションを行うのです。
共通点が見つかると、相手は自分に対して親しみを感じ、少しずつ心を開放してくれます。
心を許し合うことができれば、喜びを分かち合うことができますから、コミュニケーションが円滑になるだけでなく、「助け合い」や「思いやり」といったプラスの感情が生まれます。
しかしながら、コミュニケーションの相手が一人や二人の場合は共通点を見つけやすいのですが、数人でのミーティングや10人以上の会議になると、なかなか全員の共通点を見つけることができません。
いわゆる「場の空気を読む」とは、まさに参加者全員の「共通点を見つけること」と言い換えることができるでしょう。
では大勢の中で「共通点」を見つけるには、「場の空気を読む」にはどうすればいいのか?
空気を読むための第一歩は、自分の価値観、世界観を一旦停止する。
つまり自分の考え(思考)をいったん脇に置いて、周囲の人たちの「輪」を注意深く観察する。
別の言い方をすると、主観から客観へと意識を変えるのです。
そうすることで視界が開けて、周りの人たちの思考や、主義主張などが少しずつ見えてくるようになります。
それでも共通点を見出せない時は、どうするのか?
そんな時は全員の意表をつく話題を持ち出して、注意を向けさせるのも一つの方法です。
例えば会議の場で各々が自分勝手な考えを言い出したタイミングで、
「もし来月から売上が半分になったとしたら…」
「仮に今の予算の半分しか使えないとしたら…」
「もしもこの事業が将来の会社の柱になるとしたら…」
など、誰もが想像し得ない状況を例に出し、参加者の思考を束ねることによって、「共通点」を作ってから、全体のコミュニケーションを立て直す。
少し高度なテクニックですが、そんな方法もあります。
人間は自分勝手な生き物ですから、ついつい自分の言いたいことを言ってしまう、自分の意見が正しいと思ってしまう、そして、自分と異なる意見を素直に受け入れることができない…それはある程度仕方のないことかもしれません。
だからこそ、自分から率先して相手との「共通点」を見つけることが重要であり、それを実行することが円滑な人間関係を築くコツと言えるのでしょう。
価値観や考え方が異なる相手でも、何となく苦手意識がある相手でも、普段は無口で何を考えているかわからない人でも、何かしら「共通点」はあるはずです。
職場の人間関係を円滑にするために、「共通点探し」をはじめてみませんか?
職場の人間関係に疲れたら…
職場の人間関係に疲れたらどうすればいいのか?
職場の人間関係によるストレスは、程度の大小こそあれ、どんな職場でも生じるものです。
入社して日が浅かったり、愚痴を聞いてくれる家族や友人がいたり、今の仕事が好きであれば、「気にしない」「割り切る」など、自分の受け止め方や考え方を変えることによって、うまく対処できる場合もあるでしょう。
しかし、いろいろな対処法を試したものの、目立った効果が得られず、上司に相談しても改善されず、人事部の人間やカウンセラーを頼っても状況が変わらない…そんな方も少なくありません。
では、改善の兆しが見えないまま、職場の人間関係に疲れたらどうすればいいか?
職場に行くことを考えただけで、体が拒絶反応を示したり、誰が見ても心身に不調をきたしている場合は、1日でも早く職場を離れ、心と体を整えるために十分な休息をとるべきです。
しかし、そうでない場合は、一度「立ち止まって考えてみる」ことをオススメします。
もしあなたが今「職場の人間関係に疲れている」なら、
「何かが間違っている」
と考えた方がいいでしょう。
つまり、あなたの「今までの考え方、今までのやり方」が、今の職場では通用しないということ。
これ以上「今までの考え方、今までのやり方」で押し通そうとすればするほど、職場の人間関係はますます悪化し、うまくいかないことが次から次に出てくることが予想されます。
では、
「職場の人間関係がどうしてもうまくいかない…」
「職場の人間関係に疲れた…もうどうしようもない…」
そんな時は、どうすればいいのか?
先ほど申し上げた通り、こんな時だからこそ、いったん足を止めて、
「立ち止まってじっくりと考える」
のです。
今の働き方、今のライフスタイル、今の健康状態、今の生き方について、
「ほんとうにこのままでいいのか?」
と、自分に問いかけて、自分なりの答えを探してみる。
そうすることで、時間はかかるかもしれませんが、
「次に自分は何をすべきか?」
「これから自分はどうあるべきか?」
が、何となくわかるようになってきます。
他の人よりも責任感が強く、真面目で一生懸命、自分に妥協することなく、誰かのために働いてこられた方ほど、現状を打破することだけに注意が注がれ、「立ち止まって考える」という選択肢があることになかなか気づけません…。
以下にご紹介する「職場の人間関係に疲れたら考えるべきこと」は、言わば
「自分との対話」
です。
職場の人間関係に疲れている方だけでなく、今自分がやっていることに少なからず疑問を感じている方は、心を落ち着かせて、ゆっくり自分とお話しいただければと思います。
職場の人間関係に疲れたら考えるべきこと
- 自身の健康状態を細かくチェックする
- 自分の考え方や性格を客観的に把握する
- 自分が大切にしているものを再確認する
- ほんとうにやりたいことを探してみる
- 働き方やライフスタイルを見直してみる
それではひとつずつ詳しく見ていきましょう。
健康状態に異常はない?
職場の人間関係に疲れたら、今一度「心身ともに健康で、常に100%の力を発揮できる状態か?」と自分に問いかけてみましょう。
もし答えが「NO」なら、その原因と具体策を考えて、できることから実行する。
- 不規則な生活
- 短い睡眠時間
- 偏った食事
が続いている場合は、あとで必ず「しわ寄せ」が来ますから、明日からと言わず、今日から改善しましょう。
ただし、
- 上司や部下からの暴言やパワハラ、セクハラがひどい
- 職場内の数人から無視や陰口、いじめを受けている
- 職場の雰囲気が最悪で、いつも緊張感が漂っている
- 要領の良い人ほど得をして、真面目な人が損をする
- 横暴な上司や部下による仕事の押し付けや責任転嫁
など、絶えがたい「職場の人間関係によるストレス」が原因で頭痛やめまい、動悸や息切れ、下痢や腹痛、手足の痙攣など、身体的な症状に現れている場合は、健康的な生活を送る以前に、1日でも早く職場を離れること!
そうでない場合は、できるだけ早く健康的な生活習慣へとシフトしましょう。
以下の通り、自然の中で過ごす時間を増やすのもオススメです。
フィンランドの研究では、「1ヶ月に5時間以上自然の中で過ごすだけで、ストレスが大幅に軽減され、脳を活性化し、記憶力、創造力、集中力、計画性が向上する。さらに、うつ病の予防効果もある」と報告されています
出典:樺沢紫苑(2021)『精神科医が見つけた 3つの幸福』株式会社飛鳥新社.
自分の考え方や性格は?
職場の人間関係に疲れたら、今一度、自分の考え方や性格を客観的に捉え直してみましょう。
考え方や性格に、良いも悪いもありません。
例えば「すべての物事を合理的に考える」という人は、効率よく仕事が進むように段取りを組むことには向いていますが、一方で、合理性を追求するあまり、関わる人の「思い」を無視した決定をしかねません。
「神経質でいろんなことが気になる」という人は、仕事のスピードに関しては、周りの人に比べて遅いかもしれませんが、他の人が見落とすような細かいところに気が付くため、ミスが許されない「完璧さが求められる緻密な仕事」に向いています。
もしも自分の考え方や性格が原因で、職場の人間関係がうまくいかない場合は、そもそも
- 今の仕事が自分の考え方や性格に適していない
- 自分の個性を良い方向に活かしきれていない
だけかもしれませんので、客観的に自分の考え方や性格を確かめることは重要です。
陸上界でも最も「勝ちにくい」100メートルを諦めて、僕にとって「勝ちやすい」400メートルハードルにフィールドを変えたのは、僕が最も執着する勝利という目的を達成するために「必要だった」と納得できたからだ。
出典:為末 大(2013)『諦める力』株式会社プレジデント社.
大切にしているものは何?
職場の人間関係に疲れたら、今一度「自分がほんとうに大切にしているものは何か?」と、自分自身に問いかけてみましょう。
「ほんとうに」大切なことは、とてもシンプルで身近にあるにも関わらず、日々の生活に忙殺されてなかなか気づくことができません。
それは、
- 幼い子供といっしょに過ごすこと
- 何もかも忘れて趣味に没頭できる時間
- 3度の食事と十分な睡眠、適度な運動
といったものかもしれません。
もしも、あなたが考える「ほんとうに」大切なものが、「職場の人間関係による疲れやストレスによって邪魔されている」と感じているなら、
「ほんとうに」大切なものを優先するために、何らかの行動を起こすべきです。
「ほんとうに」大切なものを置き去りにしていい理由は、どこにもありません。
「お金」と「愛」のそれぞれをどれだけ重視しているかと人生満足度との関係を調べたところ、なんと「お金」を重視すればするほど人生満足度は下がり、「愛」を重視する人ほど人生満足度が高まるという結果になっています。
出典:樺沢紫苑(2021)『精神科医が見つけた 3つの幸福』株式会社飛鳥新社.
心からやりたいと思えることは?
職場の人間関係に疲れたら、今一度「自分が心からやりたいと思うことは何か?」と、自分に問いかけてみましょう。
自分が心からやりたいと思うこととは、
- 美味しいものを好きなだけ食べて、1日中、家でYouTubeを見たい
- お金持ちになって、恋人といっしょに海外で暮らしたい
といった、単なる願望ではありません。
自分が心からやりたいと思うこととは、わかりやすく言うと、「人生をかけてやり遂げたいと思うこと」と言い換えることができます。
例えば、
- 企業の業績アップに寄与することで会社の寿命を伸ばし、継続的な雇用を生み出す
- 美味しくて栄養価の高い野菜を作って、野菜嫌いの子供をなくし、健康に寄与する
- 自然の魅力や触れ合い方を子供たちに伝えることで、自然環境保護の意識を高める
など、
自分が得意なことを活かした「自分にできること」や「努力次第で実現できること」でいいのです。
今いる職場が「自分が心からやりたいこと」とかけ離れていて、なおかつ、人間関係に疲れているのであれば、それは、「あなたがいる場所はここじゃないよ」というメッセージなのかもしれません。
好きなことならコツコツ努力することもつらくはない。
楽しみながら、いつの間にか何かをつかむこともできる。
だから、好きなことを見つけて、それを一生、やっていってほしい。
見つからないなんて言っていないで、とにかく必死で探すのだ。
絶対に何かひとつはあるはずだ。
出典:やなせたかし(2012)『やなせたかし明日をひらく言葉』株式会社PHP研究所.
自分らしい生き方とは?
職場の人間関係に疲れたら、今一度「自分らしい働き方やライフスタイル」を模索してみましょう。
人付き合いが苦手な人にとって、大勢の人と一緒に仕事をしなければならない職場は心労が絶えず、心が休まる暇がありません。
幼い子供との時間を大切にしたいと思っているお母さんにとって、1日8時間、フルで働くことは、精神的にも体力的にも少々無理があるのかもしれません。
毎日バリバリ働き、成果に見合った報酬を受け取りたいと考えている人にとって、保守的な社長や上司ばかりいる会社は、さぞかし物足りないと感じることでしょう。
職場の人間関係による「疲れ」は、周りの人間や職場環境だけが原因ではありません。
自分に適さない働き方やライフスタイルを選んでいることによって、
- 自分が置かれている現状にいつも不満を感じている
- ちょっとしたことで過敏に反応し、腹を立てる
- イライラしやすく、すぐに感情的になってしまう
など、ストレスを溜め込みやすい状況に身を置いていることも、心身ともに疲れやすい原因のひとつとして考えられます。
他者の期待を満たすように生きること、そして自分の人生を他人任せにすること。
これは、自分に嘘をつき、周囲の人々に対しても嘘をつき続ける生き方なのです。
出典:岸見一郎 古賀史健(2013)『嫌われる勇気ー自己啓発の源流「アドラー」の教え』ダイヤモンド社.
職場の人間関係が辛いなら…
結論から申し上げると、
「職場の人間関係が辛い」と感じるなら、まずは1日でも早くその場を離れること。
世の中には何をどう頑張っても今の職場で良好な人間関係を築けない…ストレスに耐え難い…仕事のモチベーションが上がらない…会社に行きたくない…体調を崩してしまった…など、「職場の人間関係が辛い」と感じながらも、身を削るように働いている方がいらっしゃいます。
無責任とだと言われるかもしれませんが、そんな時は「逃げる」。
今いる会社を辞めて、転職や起業するなど、新たなスタートを切ることをオススメいたします。
職場の人間関係だけでなく、会社の方針や上司の不当な評価が原因で大きなストレスを抱えてしまい、精神的に耐え難い、あるいは体調を崩してしまう恐れがある場合は、状況が悪化する前にとにかくその場から離れる、距離を置くことが大切です。
残念ながら、職場環境がすぐに改善されることは期待できないでしょう。
そうなると、自分の中でものごとの捉え方を見直したり、心の持ち方を変えるしか方法はありません。
- モチベーションが上がる言葉に触れる
- 心の持ち方を変える本を読む
- 心を癒してくれる音楽を聴く
など方法はいろいろありますが、それらを試すことで一時的にモチベーションが上がったり、精神的に落ち着きを取り戻すことはあっても、ストレスによる症状や日々の不安を解消することは極めて難しい…というのが正直なところです。
「今いる環境を変える努力をする」ことも大切ですが、例えば会社内で下の立場にある人間が、上の立場にある人間に対して意見したり、勇気を振り絞って行動することは、大きな心理的負担が生じますから、誰もができるわけではありません。
ましてや横柄な態度を取る人やプライドが高い人、自分の考えや行動に自信を持っている人を相手に人間関係を再構築する場合はなおさらです。
なので、賛否両論はあるでしょうが、
職場の人間関係が辛いと感じた時は、その場所を離れるのがいちばん。
モチベーションが上がらないまま仕事を続けても、良い結果が生まれることはほぼありませんし、精神的に病んでいると集中力も低下しますから、仕事上のミスも増えたり、さらに体調を崩して会社を休みがちなる可能性も否定できません。
精神的にも身体的にもボロボロになるまで頑張ったのですから、これ以上、心と体を酷使して今の職場で働く必要は1ミリもありません。
自分のことを一番に考えて、自分を大切にして、一刻も早くその場から「逃げる」。
人によって様々な立場や状況が考えられますから、すべてのケースで「逃げる」ことが正解とは言えないかもしれませんが、いかなる状況であってもまずは自分のことを最優先に考えていただきたいのです。
自分のことを最優先に考えることは、決して「わがまま」ではありません。
「逃げる行為」についてマイナスの印象を受ける方も多いと思いますが、社会的な側面から見ると実はプラスの要素もあります。
「逃げる人」が増えることで、社員間の円滑なコミュニケーションを構築することに無頓着な会社や、従業員のモチベーションを重視しない会社からは、どんどん人が離れていきます。
するとどうなるか?
そのような会社は、職場環境を改善しない限り、いずれ淘汰されることになるでしょう。
つまり職場環境や社員のモチベーションを気にかける会社、社員同士が協力し合う会社、人間的な成長を重視する会社だけが生き残る、あるいは繁栄するというわけです。
個人的にも、社員の幸せを大切にする企業が増えることを切に願います。
まとめ
今回は
- 職場の人間関係を円滑にするコツ
- 職場の人間関係に疲れたら考えるべき5つのこと
- 職場の人間関係が辛いときはどうすればいいのか
についてご紹介・解説してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
忘れないように、もう一度「職場の人間関係を円滑にするコツ」をおさらいしておきましょう。
職場の人間関係を円滑にするコツ
1)相手に喜びを与えることを意識したコミュニケーションを行う
2)コミュニケーションのコツは、相手との共通点を見つけること
「最悪と思われた出来事がきっかけとなって、人生が好転することがある」
そんな言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
かくいう私も、例外ではありません。
8年6ヶ月働いていた商社を辞めて起業したものの、半年も立たないうちに廃業…。
しかし、それがきっかけとなってネット印刷で働くことになり、WebマーケティングやWebライティングのスキルを身につけることができただけでなく、いろんな経験を重ねる過程において、大きな「気づき」を得ることができました。
その「気づき」とは、
- 心から楽しめて、やりがいを感じる「好きなこと」は何か?
- 苦労することなく、ずっと続けられる「得意なこと」は何か?
そして、
- 自分にとって「ほんとうに大切なこと」は何か?
という問いに対する「答え」です。
だからというわけではありませんが、もしあなたが今、職場の人間関係に疲れ果て、
「これから先、どうしていいかわからない…」
と考えているのであれば、今まで頑張ってきた自分の心と体を休め、いったん歩みを止めてから、冷静に今の自分を見つめ直し、心を軽くしてこれからの自分について考えてみて欲しいのです。
そして、何か気になることや、心に引っかかることがあれば、あまり深く考えすぎず、「絶対なんとかなる!」を合言葉に、勇気を持って行動することをオススメします。
そうすることで、良くも悪くも「前進」しますから。
そして、案外なんとかなります。
自らの人生について、あなたにできるのは「自分の信じる最善の道を選ぶこと」、それだけです。
一方で、その選択について他者がどのような評価を下すのか。
これは他者の課題であって、あなたにはどうにもできない話です。
出典:岸見一郎 古賀史健(2013)『嫌われる勇気ー自己啓発の源流「アドラー」の教え』ダイヤモンド社.
最後に、大切なことをもうひとつ。
もしあなたが職場の人間関係によるストレスで、心が疲れている…誰かに悩みを聞いて欲しい…解決策について相談したい…気持ちを落ち着かせたい…という場合は「オンラインカウンセリング」の利用をおすすめいたします。
オンラインカウンセリングとは、臨床心理士や国家資格を持つカウンセラーと1対1で約50分程度、オンライン上で気軽に悩みを相談できるサービスです。
具体的には、
- 自分の感情を素直に表現し、悩みを打ち明けることによって気持ちを落ち着かせる
- 日頃から抱えている悩みや問題をカウンセラーと一緒に考えて、解決の糸口を見出す
- 心の中にしまっていた気持ちを話すことで、今置かれているの自分の状況を整理する
- カウンセラー(専門家)の話を聞くことで、客観的な視点から自分の考えを認識する
ことによって、
ひとりで抱え込んでいた不安や悩みを和らげ、心の健康を取り戻す効果が期待できます。
私がそうであったように、心の不調が身体的な症状(心身症)に発展すると、心と体が健康な状態に戻るまで数ヶ月~数年かかることも珍しくありません。
なので、今現在、職場の人間関係による強いストレスや大きな不安を抱えていらっしゃる方は、自分の心と体を最優先に考えて、オンラインカウンセリングに限らず、心のケアやリフレッシュ、あるいは、ストレスの原因から距離を置くことを検討してみましょう。
ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました (^.^)
- 参考文献 アルボムッレ・スマナサーラ(2012)『一生、仕事で悩まないためのブッダの教え』三笠書房.
- 参考文献 山口 周(2019)『ニュータイプの時代 ー新時代を生き抜く24の思考・行動様式』ダイヤモンド社.