価格戦略とは?成功例や中小企業にオススメの戦略もご紹介!

北アルプス 裏銀座縦走路  撮影:うさやん

「価格戦略とはどのような戦略か?」

「価格戦略の成功例や、成功パターンが知りたい」

「中小企業に最適な価格戦略とは?」

というあなたに、今回は、

  • 価格戦略とはどのような戦略か
  • 価格戦略の具体的な成功例5つ
  • 中小企業が行うべき価格戦略

について解説いたします。

価格戦略は、単に商品やサービスを「高く売る」「安く売る」というものではありません。

利益率を上げるために商品の値段を高く設定したところで、それは自社の都合であり、たくさんの消費者に買っていただくことはできないでしょう。

商品を数多く売るために値段を安くしても、販売数量は伸びるかもしれませんが、適正な利益を得ることができないため、自分で自分の首を絞めることになります。

価格戦略は明確な目的をもって、周到に準備して行うべき戦略です。

それでは早速みていきましょう。

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価格戦略とは

価格戦略とは、価格設定を軸としたマーケティング戦略です。

「高く売るのか?」

「安く売るのか?」

それとも

「競合他社が販売する価格に合わせるのか?」

を先に決めてから、販売やプロモーションの方法を決めることになります。

価格戦略のメリットは、マーケティングの方向性が定まりやすいことでしょう。

例えば、

高価格戦略をとる場合、

ターゲットは富裕層や年収が高い人を中心に据え、希少性が高く高品質な商品とし、継続的に売れる仕組みを作ることを目的とします。

低価格戦略をとる場合は、

ターゲットはできるだけ広げ、コストが安くて大量生産できる商材とし、市場に浸透しやすい価格でマーケットシェアの拡大を狙います。

ただし、価格戦略を実行する際は、

  • 長期的な視点をもって考え、目先の利益に囚われないこと
  • 緻密なストーリーを描き、シュミレーションを重ねること
  • うまくいかなかった場合の「代替案」を用意しておくこと

が欠かせません。

では、具体的にどのような価格戦略があるのか?

次の項では、価格戦略の具体的な成功例を見ていきましょう。

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価格戦略の成功例

価格戦略の成功例をいくつかご紹介いたします。

いずれの価格戦略も、みなさまにとって馴染みのある、

「言われてみれば…」

「なるほど、そういうことか」

と感じる成功例ばかりです。

ぜひ、

「自社の商品やサービスに当てはめるとすればどうなるか?」

と考えながら、ご覧くださいませ。

それではひとつずつ見ていきましょう。

無料から有料へと移行

価格戦略の成功例のひとつ目は、「無料から有料へと移行」です。

無料のサービスで利用者を拡大し、コンテンツの内容を充実させた後に、有料のサービスへと移行する価格戦略です。

Amazonのプライム会員や、お料理のレシピを提供するクックパッドは有名ですね。

いちど利便性を体験してしまうと、「やめられない」「なくてはならない」ものに…。

もちろん私もAmazonプライム会員でございます。

初期費用を安く抑える

価格戦略の成功例の2つ目は、「初期費用を安く抑える」です。

初期費用をできるだけ安く抑えて販売数量を増やし、メンテナンスやランニングに必要な商品で、十分な利益を得る価格戦略です。

代表的なものに、リース契約でオフィスに設置しているレーザープリンタや、家庭用のプリンタがあります。

自宅のプリンタのインクカードリッジがなくなった時、購入しようと思って価格を見たら、結構高かった…。

みなさんも似たような経験ありますよね?

高級なものを買いやすく

価格戦略の成功例の3つ目は、「高級なものを買いやすく」です。

まずは高級なイメージを定着させてから、「手が届かない…」というお客に対して、低価格モデルを販売する価格戦略です。

みなさまもご存知、メルセデスベンツと言えば、高級車の代名詞ですよね。

私が子供の頃は街中でもあまり目にしませんでしたが、最近はいろんなタイプがあり、以前に比べると手を出しやすいクラス(価格帯)もラインナップしています。(と言っても、最低でも約400万円ほどしますが…。)

これも巧妙な?価格戦略と言えるでしょう。

無料版と有料版を用意

価格戦略の成功例の4つ目は、「無料版と有料版を用意」です。

無料版と有料版を同時にリリースし、性能の違いを明確に打ち出しながら、無料版の利用者を有料版に移行させようと試みる価格戦略です。

スマートフォンの「アプリ」をイメージしていただくと、わかりやすいのではないでしょうか。

最初は「無料版でいいか」と思って使ってみると、だんだん「この機能があると便利かも」と思うようになり、「月々〇〇円だし有料版に移行するか」となります。

もちろん私もリアルに経験済みです。

お子様や老人を無料に

価格戦略の成功例、最後は「お子様や老人を無料に」です。

子供や老人を無料、あるいは低価格に設定して、同伴者を呼び込む、または閑散期(及び時間)の利用を増やす価格戦略です。

映画館やテーマパーク、スポーツ観戦のスタジアム、家族で訪れる動物園など、施設の収容人数に上限があり、上限まで収容してもランニングコストがさほど変わらない場合は、曜日や時間帯に関係なく、できるだけ満員に近づけるような施策が求められます。

例えばプロ野球が開催されるスタジアムは、座席の場所、観戦する曜日、球場に訪れる時間帯によって価格が異なる球場も多く、観客を満員にするために様々な取り組みが為されています。

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中小企業が行うべき価格戦略

中小企業が行うべき価格戦略とは?

高価格戦略か?それとも低価格戦略か?

結論から申し上げると、

大企業に比べて認知度が低い中小企業や小さい会社は、低価格戦略がオススメです。

では、なぜ中小企業や小さい会社は低価格にする必要があるのか?

最も大きな理由は「知名度」です。

世の中には値段を気にせず商品を購入するお金持ちの方もいらっしゃいますが、大半のお客様は商品を選ぶ際の最も大きな判断基準として「価格」を重視します。

そして、中小企業は知名度や信頼度が低いため、似たような機能や品質の商品が横一列に並んだ場合、知名度が高い大企業の商品が選ばれる確率が高いのです。

そのため、知名度が低い中小企業の商品を、多くのお客様に手にとってもらうためには、少しでも価格を安く設定しなければなりません。

ただし、中小企業が低価格戦略を行う場合は、ただ単に安くするのではなく、徹底的に「やらないこと」を決めて、十分な利益を確保する必要があります。

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コストリーダーシップ戦略とは

「コストリーダーシップ戦略」をご存知でしょうか。

コストリーダーシップ戦略とは、「やらないこと」を決めて市場に価格破壊を起こす戦略です。

この戦略は、経済学者のマイケル・ポーター氏が提唱した競争戦略で、ライバルよりも徹底的に低コストを実現することにより、ライバル会社よりも有利に立つ戦略です。

加えてポーター氏は以下のように述べています。

「戦略とは、やらないことを決めることだ」

ポーター氏が言うように、まず最初に「やらないこと」を決めます。

これまでは当たり前だと思って行っていたことをもう一度見直し、不要なものを徹底的に排除する。

その上で、競合他社との差別化を図る「自社独自の強み」に磨きをかけるのです。

「やらないこと」を決めた時点で、これまで以上にコストを削減できていると思いますが、そこからさらにコストを削減できないか?をとことん考えてみる。

そうやって「業界ナンバーワンの低コスト」を目指しながら、低価格戦略を実行します。

価格だけを見ると競合他社よりも安く、利益が少ないように見えますが、「やらないこと」を決めてコスト削減を徹底的に行ったことで、利益は十分に確保できていますから、継続的に販売できるというわけですね。

例えば、お弁当屋さんの場合、

20種類のメニューの中から3種類に絞り込んで、他のメニューをすべて止める。

いや、一番売れていた「唐揚げ弁当だけ」に絞り込んでもいいかもしれません。

いやいや、

唐揚げ弁当ではなく、メニューを唐揚げだけに限定して、いっそのこと「唐揚げ屋さん」に変更するのも大いに「アリ」です。

するとどうなるか?

唐揚げだけになったので、業務効率は格段に上がり、オペレーションもスムーズ。

メニューが唐揚げだけになりますから、

「どうすればもっとおいしい唐揚げにできるか?」

「どうすればお客様にお待たせすることなく提供できるか?」

など、唐揚げだけに絞り込んで物事を考えるようになります。

鶏肉の仕入れ先についても、これまで代理店を経由して購入していたのであれば、近くにある養鶏場と交渉して、できるだけ安く仕入れができるようになれば、鶏肉の原価は大きく下がります。

これまで唐揚げ弁当を購入しくれていたお客様の中で、「一緒にご飯も欲しい」という人に対しては、割り切って「サトウのご飯」を仕入れて販売すればいいでしょう。

唐揚げと相性の良い「お味噌汁」も、カップに入った即席の商品を並べておけば事足ります。

お客様は揚げたてのアツアツでおいしい唐揚げが目当てですから、そのニーズに対してお手頃価格で完璧にお応えすることに全力を注ぎ、あとは「オプション」にするのです。

すると、どのような変化が起きるか?

近隣のコンビニエンスストアで唐揚げ弁当を購入する人は減少し、

近くのスーパーの惣菜コーナーで唐揚げを購入する人は激減。

そして、スーパーに足を運ぶことなく、晩ご飯のおかずとして、アツアツの唐揚げだけを目当てに来店する主婦の方や、ビールの「あて」に出来立ての唐揚げを頬張りたいと独身サラリーマンが、お店に押し寄せるかもしれません。

なぜなら当店で提供している唐揚げは、出来立てのアツアツで、周辺のお店の中ではいちばん安く、美味しいのですから。

ニトリやユニクロなど、大手企業でもコストリーダーシップ戦略を実践している会社はあります。

しかしながら、両社は「たくさん作れば作るほどコストが下がる」という「規模の経済」を中心に据え、海外で安く大量に製造した商品を自社の小売店で販売する「製造小売業モデル」です。

同じコストリーダーシップ戦略でも、

中小企業には中小企業に適した方法で、「コストリーダーシップ戦略」を実践しましょう。

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まとめ

今回は、

  • 価格戦略とはどのような戦略か
  • 価格戦略の具体的な成功例5つ
  • 中小企業が行うべき価格戦略

について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

忘れないように、もう一度「価格戦略を考える際の3つのポイント」をおさらいしておきましょう。

価格戦略を立案する際のポイント

  • 長期的な視点をもって考え、目先の利益に囚われないこと
  • 緻密なストーリーを描き、シュミレーションを重ねること
  • うまくいかなかった場合の「代替案」を用意しておくこと

「安かろう悪かろう」という言葉をご存知でしょうか。

「安かろう悪かろう」とは、「値段が安いものは品質も悪い」「安いものに良いものはない」という意味です。

しかし、最近では「安かろう良かろう」という商品が目につきます。

アパレルファッションの『ユニクロ』や、働く人のアパレルウェアを中心に高機能かつ低価格をウリにする『ワークマン』、「お値段以上」のキャッチコピーで知られる『ニトリ』、イタリアンワイン&カフェレストランの『サイゼリヤ』など、安くて良い商品が当たり前のようになりつつあります。

そして、この「価格破壊」の流れは今後も続くでしょう。

私たちが価格戦略を考える時、もう「安かろう悪かろう」と呼ばれる商品では、消費者に振り向いてもらうことはできません。

これからの時代は、「安かろう良かろう」を大前提とした、「価格破壊」を起こすような商品が求められます。

そのため、商品を提供する企業はこれまでの考え方を一旦リセットして、イノベーションを起こすような取り組みが必要となるでしょう。

最後にもうひとつ。

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Webマーケティングとは?

マーケティングとは、商品やサービスの魅力を効果的に伝える仕組みを構築し、集まった見込み客に他社との違いや自社の強みを伝え、顧客自らが商品を購入あるいはサービスを利用するまでの「一連の流れ」を意味します。

そして、Webマーケティングとは、Webサイトやランディングページ、ブログやSNS、メールマガジンやWeb広告など、Webを中心に行われるマーケティング(活動)を指します。

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ということで、今回はこの辺で。

最後までお読みいただき、ほんとうにありがとうございました (^.^)

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