他社との差別化を図るポイントは、絞り込みと一点集中!

広島県 安芸の宮島にて 撮影者:うさやん

中小企業や小さな会社が、競合他社との差別化を図るためにはどうすればいいか?

この問いは、ビジネスを行う上で誰もが直面する問題であり、課題であり、超えなければならない大きな壁として目の前に立ちはだかります。

私が過去に在籍していたネット印刷会社においても、常に「競合他社との差別化」が経営課題となっていました。

というのも、印刷会社は「どこで印刷しても同じ」というイメージが強く、差別化のポイントが価格や品質、スピードに偏ってしまい、それ以外の要素で競合他社との差別化を図ることが極めて困難だったからです。

今回は、競合他社との差別化が難しいネット印刷で、数々の新商品や新サービスを成功に導いてきた経験から、「他社との差別化を図る際のポイント」を2つご紹介したいと思います。

記事のタイトルをご覧のとおり、そのポイントとは「絞り込み」と「一点集中」です。

競合他社との差別化を明確に打ち出すことに成功すれば、価格競争はもちろん、どこまでもスピードや品質を追求する「終わりのない戦い」に参加することなく、ただただお客様のことを考えて商品やサービスを開発、あるいはプロモーションを行うことができます。

それでは早速、2つのポイントについて詳しくみていきましょう。

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他社との差別化を図るポイント

中小企業や小さい会社が、競合他社との差別化を図る際に、最も重視すべきポイントは2つ。

絞り込み」と「一点集中」です。

競合他社との差別化を図るポイント

  1. 商品やターゲット、販売エリアを絞り込む
  2. 予算や人材など、経営資源を1点に集中する

なぜ「絞り込み」と「一点集中」なのか?

中小企業や小さい会社は「ヒト・モノ・カネ」の全てにおいて、大企業にはかないません。

大企業には(おそらく)優秀な人材が揃っていて、最新型の設備やシステムが完備されていて、潤沢な予算が用意されています。

中小企業や小さい会社が、大企業に真正面からぶつかっても勝てる見込みはありません。

中小企業や小さい会社は、大企業と同じ土俵で戦うのではなく、商品や顧客ターゲットを絞り込んで、人材や予算を一点に集中し、限られたエリアやニッチな商品で勝負するのです。

大企業に限らず、競合他社と価格や品質で競い合うことになれば、利益を削って価格を下げたり、技術開発に多額の予算を投じるなど、頑張れば頑張るほど体力が奪われることは明白です。

そうならないためにも中小企業や小さい会社は「絞り込み」を行って、限られたエリアやニッチな商品でナンバーワンを目指す。

あるいは

「これだけは絶対に負けない!」

という自社独自の強みを作るために、会社の資源をできるだけ一点に集中する。

それこそが、儲かる会社への近道となります。

商品やターゲットを絞り込む

他社との差別化を図るポイントのひとつ目は「絞り込み」です。

商品の用途やサービスの範囲、顧客ターゲットや営業エリアを絞り込むと、自ずと他社との差別化を図ることができます

例えば、これまで一般的な加湿器を作っているメーカーが、加湿器を寝室で使用しているユーザーが多いことに気づいて、加湿器の用途を思い切って「寝室専用」に絞り込んだとしましょう。

これまでは価格や性能、デザインや機能面において「他社よりも優れた製品を作るためにはどうすればいいか?」と考えていましたが、「寝室で使用する」という用途に絞り込んだ瞬間に、

「寝室で使用する加湿器とはどうあるべきか?」

という質問に変わり、その最適解を探し始めます

その結果、

  • 眠りを邪魔しないよう、できるだけ静かな音に
  • 枕元に置くことを想定して、コンパクトなサイズに
  • 何度も水を補給しなくて済むよう、大容量タンクに
  • 寝室に馴染む、落ち着いたデザインやカラーに
  • 就寝後に電源が切れるように、タイマーオフ機能を

など、寝室で使うことに特化した機能だけに絞り込んだ、他社との差別化を図る新たな商品が生まるというわけです。

もし仮にお客様が寝室で使う加湿器を探していたなら、間違いなく「寝室専用の加湿器」が選択肢の上位にくるでしょう。

メリットはそれだけではありません。

これまでは生活家電として加湿器を販売していましたが、「寝室での使用」に絞り込んだことで、「寝室」「快適な眠り」といったをキーワードを軸にした販促プロモーションを展開することができます。

例えば、

  • 寝具売り場で一緒に販売する
  • 快眠グッズと一緒に販売する

など、これまでとは異なる販路を開拓することができるかもしれません。

上記の通り、加湿器の例では「用途」を絞り込むことによって他社との差別化を図りました。

その他にも

  • サービスの範囲
  • 顧客ターゲット
  • 営業(訪問)エリア
  • 販売方法
  • プロモーション方法

など、絞り込める要素はいくらでもあります。

いったん絞り込んだら、あとは

どうあるべきか?」「どうすべきか?」という質問の最適解を探すだけ

そうすることで、自ずとやるべきことが見えてきます。

経営資源を一点に集中する

他社との差別化を図るポイントのふたつ目は「一点集中」です。

会社の資源を一点に集中することで合理化や効率化を追求し、独自のノウハウを構築することができれば、特定の分野やカテゴリーにおいてオンリーワンやナンバーワンの存在となり、他社との差別化を図ることができます

力を一点に集中すると、

  • 想像を超えるパワーを発揮することができます
  • 誰よりも早く上達することができます
  • 細かいところまで目が届くようになります

そして、気が付けば「第一人者」「専門家」「プロフェッショナル」と呼ばるようになっていることもしばしば。

人は誰かに仕事を依頼する時、絶対に失敗できない仕事や、絶対にミスが許されない仕事であればあるほど、価格がどんなに高くても、「専門家」や「プロフェッショナル」と呼ばれる人に仕事を依頼します。

仕事を依頼する立場になるとそのように考える人は多いのですが、残念ながら仕事を受ける立場になると、誰もが「一点に集中しよう」とは思いません。

それはなぜか?

一点に集中するということは、それ以外のものを捨てる決断を下さなければならないからです。

他のものが気になって捨てられないから、一点に集中できない

中小企業や小さな会社が大きな利益を手にするためには、「御社に依頼したい」「御社にお任せしたい」「御社に手伝ってほしい」と、お客様からご指名される状況を、自らの手で作り出す必要があります。

そのためには、「これだけはどこにも負けない!」という、ストロングポイントが必要不可欠です。

「知っている」ことと「知り尽くしている」こととの間には、大きな隔たりがあります。

「できる」ことと「完璧にできる」こととでは、価値がまったく異なります。

「あれもこれも知っている」「あれもこれもできる」と声高に叫ぶ会社はたくさんありますが、「これだけは絶対に負けない」と胸を張って言える会社は少数です。

お客様から会社名で選ばれるように、替えの効かない会社になるために、限られたジャンルやカテゴリーでナンバーワンになるために、貴社が持っている資源を一点に集中して、他社との差別化を図る要素を自ら生み出してみてはいかがでしょうか。

植物は光を浴びないと生きていくことができません。

そのためライバルとなる他の植物よりも、早く伸びることが重要になります。

成長の早いつる植物は、その点で成功している植物なのです。  

つる植物の成長が早いのには、秘密があります。  

他の植物や支柱を頼りにしてよじのぼるつる植物は、他の植物のように自分の茎で立たなくてもいいので、茎を頑強にする必要がありません。

出典:稲垣栄洋(2016)『面白くて眠れなくなる植物学』株式会社PHP研究所.
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差別化と同時に、自社の強みを磨く

「絞り込み」や「一点集中」を行うことで競合他社との差別化を図ることができれば、次は「USP」を作成して、自社独自の強みをさらに磨いていきましょう。

USPとは、Unique Selling Proposition(ユニークセリングプロポジション)の頭文字をとったマーケティング用語で、「他社との差別化を図る自社独自の強み」という意味です。

USPについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。

USPは「自社独自の強み」という表現からも、会社を単位として作成するものと思われがちですが、商品ごとのUSPを作ったり、サービスごとのUSPを作るなど、特定の商品やサービスのマーケティング活動を行う際も有効です。

商品やサービスのマーケティングを行う際は、先にご紹介した「絞り込み」や「一点集中」によって、まずはじめに商品やサービスのUSPを作成し、そのUSPを中心にプロモーション活動を行います。

USPを軸に広告宣伝や販売促進を行うと、お客様に一貫したメッセージを届けることができますから、次第に企業や商品のブランドイメージが形成され、それに共感する有望な見込み客を集めることが可能となります。

戦略とは、トレードオフである。

つまり、諦めとセットで考えるべきものだ。

だめなものはだめ、無理なものは無理。

そう認めた上で、自分の強い部分をどのように生かして勝つかということを見極める。

出典:為末 大(2013)『諦める力』株式会社プレジデント社.
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まとめ

今回の記事でお伝えしたことを、忘れないようにもう一度おさらいしておきましょう。

他社との差別化を図る際のポイント

  • 商品の用途やサービスの範囲、ターゲットや営業エリアを絞り込んで、「どうあるべきか?」という質問の最適解を探す。
  • 会社が保有している資源を一点に集中して、「これだけはどこにも負けない」というストロングポイントを自ら生み出す。
  • 会社のUSPはもちろん、商品のUSPやサービスのUSPを作成して、それぞれのUSPを軸に商品開発やプロモーションを行う。

絞り込むにしても、一点集中するにしても、「他のものを捨てる勇気」が必要となります。

では「捨てる勇気」はどうやったら湧いてくるのか?

その方法はただひとつ。

小さな成功体験を着実に積み重ねることによって、少しずつ自信を身につけることです。

「きっとできる!」

「なんとかなる!」

そう思えるようになれば、あとはチャレンジするのみ!

心配しなくてもきっとうまくいきますから。陰ながら私も応援しております。

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ということで、今回はこの辺で。

最後までお読みいただき、ほんとうにありがとうございました (^.^)

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