「会社のミッションの作り方について、具体的な手順が知りたい」
「会社の規模も大きくなったし、そろそろ会社のミッションを作ろうか…」
「会社のミッションを作り始めたものの、思うように進まない…」
というあなたに、今回は、
- 会社のミッション策定に失敗しない5つのステップ
- ミッションに入れるキーワードを見つける6つの質問
をご紹介します。
会社のミッションと言えば、大企業や有名な会社をイメージしがちですが、中小企業や小さな会社においても、会社の方向性や会社のあるべき姿を示すという意味においては、ビジョンやミッション、経営理念は欠かせません。
文章やコピーを考えるのが苦手…という方のために、ご参考にしていただける「ミッションの事例」として、お手本となる「あの会社」のミッションも掲載しております。
ぜひこの機会にかっこいい会社のミッションを掲げ、心機一転、新たなスタートを切っていただければ幸いです。
それでは早速見ていきましょう。
会社のミッションの作り方
会社のミッションの作り方を、具体的な5つのステップで解説いたします。
会社のミッションの作り方 5つのステップ
- 会社のビジョン(会社が思い描く最高の未来図)を決める
- 6つの質問から、ミッションに使うキーワードを抽出する
- 会社のミッションに使用するキーワードを、取捨選択する
- キーワードをつなぎ合わせて「言い切る」文章を作成する
- 会社のミッションふさわしい、簡潔で明快な文章に整える
ご覧の通り、最初のステップは「会社のビジョンを決める」です。
会社のミッションは
「会社が掲げるビジョンを実現するために、会社が自らに課した取り組み」
ですから、まだビジョンが定まっていない場合は「会社のビジョンの決め方を解説!失敗しない5つのステップ」の記事を参考にして、先に会社のビジョンを決めておきましょう。
それともうひとつ。
これからご紹介する「会社のミッションの作り方」を実践する際は、社長様をはじめ、経営に関わる幹部社員や役職者のみなさま全員で行うことをオススメいたします。
会社のミッションとは
「会社が自らに課した取り組み」
ですから、会社経営に関わる人たちの賛同がなければまったく機能しません。
そのことを踏まえた上で、5つのステップをひとつずつ見ていきましょう。
会社のビジョンを決める
ステップ1では、会社のビジョンを決めておきましょう。
「ビジョンとミッションはどちらが先か?」
「ビジョンとミッションの関係は?」
「ビジョンとミッション、上位概念はどっち?」
時折そのような質問を耳にしたり、会社のビジョンやミッションに関する他の記事を読んでいると、ビジョンとミッションの関係について様々な意見や考えを目にします。
「どちらが上位概念となるか?」
は、ビジョンやミッションの解釈の仕方によって前後するのではないでしょうか。
ただし、ビジョンやミッションを作るときは、
「ビジョン→ミッション」
の順番で考えた方が断然作りやすいです。
なぜなら、会社のミッションは
「会社が掲げるビジョンを実現するために、会社が自らに課した取り組み(使命・任務)」
だから。
例えば、10年後の会社のあるべき姿を描いて、そこに到達するためにはどのような取り組みを行うべきか?といった感じです。
なので、まずは会社のビジョン(未来図)を策定することをオススメいたします。
キーワードを抽出する
ステップ2では、ミッションに使うキーワードを抽出します。
会社のミッションを策定する時、最も重要なポイントとなるのが「キーワードの抽出」です。
「どんなミッションにしようか?」と闇雲に考えても、なかなか答えは見つかりません。
そこで、まずは経営に関わる人間に6つの質問を行うことで、会社のミッションに使用する「キーワード」を探します。
ミッションに入れるキーワードを見つける6つの質問
「会社のあり方」を見つける3つの質問
- ビジョンを実現するために、最も尊重すべきことは何か?(会社の考え)
- ビジョンを実現するために、どんな商品を提供すべきか?(会社の行動)
- ビジョンを実現するために、どんな態度を示すべきか?(会社の姿勢)
「具体的な方法」を見つける3つの質問
- どのようなやり方で、ビジョンを実現するのか?(ミッションの手段)
- どの程度カバーして、ビジョンを実現するのか?(ミッションの範囲)
- 誰にはたらきかけて、ビジョンを実現するのか?(ミッションの相手)
ご覧の通り、「ミッションに入れるキーワードを見つける6つの質問」は2種類に分けられます。
「会社のあり方」を見つける3つの質問と、「具体的な方法」を見つける3つの質問です。
なぜ質問が2種類に分かれるのか?
それは、いろんな会社のミッションを見ていただくとおわかりいただけると思いますが、ミッションとは詰まるところ、
「ビジョンを実現するための会社のあり方」と、
「ビジョンを実現するための具体的な方法」を組み合わせたものだからです。
例えば、ユニクロやGUを経営している「ファーストリテイリング」のミッションを見てみましょう。
本当に良い服、今までにない新しい価値を持つ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します
独自の企業活動を通じて人々の暮らしの充実に貢献し、社会との調和ある発展を目指します
出典:FAST RETAILING WAY 全文 | FAST RETAILING CO., LTD.
いかがでしょうか。
「会社のあり方」を形成する「考え・行動・姿勢」、そして「具体的な行動」を示す「手段・範囲・相手」などが盛り込まれていることがおわかりいただけると思います。
ちなみに「ミッションに入れるキーワードを見つける6つの質問」の答えを考える際、上記のような有名企業のミッションを参考にするのは大いに結構ですが、あくまで参考程度にしておきましょう。
「見栄えがする」「響きが良い」、そんな視点でキーワードを選んでしまうと、キーワードをつなぎ合わせて文章にしたとき、
- 現実的にイメージが湧かない…
- どこかで見たような気がする…
- 心に響かない…あるいは共感できない…
といった印象を受けることがありますので、最終的には自分の頭で考えることをオススメいたします。
なおキーワードはひとつの質問につき、いくつあってもかまいません。
キーワードを取捨選択する
ステップ2でキーワードの抽出が完了したら、ステップ3では数あるキーワードの中からミッションに使用するキーワードを取捨選択します。
いろんな会社が使っているありきたりなキーワードを選択するのではなく、必ず
「自分の会社のビジョンを実現するためにはどうあるべきか?どうするべきか?」
という視点で、最適なキーワードを選んでください。
ミッションに入れるキーワードはいくつでもかまいませんが、ここでは5~10個くらいに絞り込んでおきましょう。
「言い切る」文章を作る
ステップ4では、取捨選択したキーワードをつなぎ合わせて、「言い切る」形で文章を3パターン作成します。
例えば、文末を
- 〇〇します
- 〇〇でありたい
- 〇〇する
- 〇〇していく
- 〇〇となる
- 〇〇を目指す
- 〇〇です
という表現にすると、「言い切る」形の文章となります。
あるいは、文末に名詞や代名詞を使って
- 〇〇する会社
- 〇〇主義
といった「体言止め」や、
- 〇〇を便利に
- 〇〇に驚きを
- 〇〇に喜びを
など、「どうするのか?」といった行動で締めくくってもかまいません。
いずれにしても、会社のミッションは「会社が自らに課す取り組み」を表現するものですから、曖昧な表現は避けましょう。
簡潔で明快な文章に整える
ステップ4でキーワードをつなぎ合わせて短い文章が3パターン完成したら、最後のステップでは、その中から会社のミッションにふさわしいものをひとつだけ選びます。
その際、他の2パターンの文章の中から、「これだけはミッションに入れておきたい」という表現があれば、その部分だけ加工して、自然な形で文章に追加すると良いでしょう。
最終に
- わかりやすさ
- 読みやすさ
- 覚えやすさ
- 見た目の印象
などを策定メンバー間でチェックして、問題なければ会社のミッションとして全ての従業員に共有します。
策定メンバー全員が心から共感できるものになるまで、少しでも違和感がある場合は何度でも修正し、一切の妥協を許さない覚悟で、かっこいいミッションを作ってくださいね!
会社のミッションの事例
皆さんもよく知っている会社のミッションの事例を、5種類ご紹介いたします。
5社が掲げるミッションの事例から、表現の方法やミッションの内容はもとより、語感や読みやすさ、事業内容との適合性などを参考にしていただければ幸いです。
このほかにも多くの大企業が会社のミッションを掲げていますから、「会社のミッションの事例をもっと見たい」という方は、気になる会社を検索して、会社情報のページを覗いてみてはいかがでしょうか。
株式会社DeNA
Delight Impact the World
世界に喜びと驚きを
出典:ミッション・ビジョン・バリュー | 株式会社ディー・エヌ・エー
LINE株式会社
私たちのミッションは、世界中の人と人、人と情報・サービスとの距離を縮めることです。
出典:LINEの企業理念 | 会社情報 | LINE株式会社
ヤフー株式会社
UPDATE JAPAN
情報技術のチカラで、日本をもっと便利に。
出典:ミッション・ビジョン・ステートメント – 企業情報 – ヤフー株式会社
キリンホールディングス株式会社
キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、
「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します
出典:企業方針 | 企業情報 | キリンホールディングス
freee株式会社
スモールビジネスを、世界の主役に。
出典:ミッション | freee株式会社
まとめ
会社のミッションの作り方について、5つのステップと6つの質問をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
忘れないように、もう一度おさらいしておきましょう。
会社のミッションの作り方 5つのステップ
- 会社のビジョン(会社が思い描く最高の未来図)を決める
- 6つの質問から、ミッションに使うキーワードを抽出する
- 会社のミッションに使用するキーワードを、取捨選択する
- キーワードをつなぎ合わせて「言い切る」文章を作成する
- 会社のミッションふさわしい、簡潔で明快な文章に整える
ミッションに入れるキーワードを見つける6つの質問
「会社のあり方」を見つける3つの質問
- ビジョンを実現するために、最も尊重すべきことは何か?(会社の考え)
- ビジョンを実現するために、どんな商品を提供すべきか?(会社の行動)
- ビジョンを実現するために、どんな態度を示すべきか?(会社の姿勢)
「具体的な方法」を見つける3つの質問
- どのようなやり方で、ビジョンを実現するのか?(ミッションの手段)
- どの程度カバーして、ビジョンを実現するのか?(ミッションの範囲)
- 誰にはたらきかけて、ビジョンを実現するのか?(ミッションの相手)
会社のミッションを掲げる最大のメリットは、会社のプライオリティ(最優先事項)が明確になることです。
「会社のビジョンを実現するために最も大切なことは何か?」
つまり、会社のミッションがが明確になれば、営業やマーケティング、商品開発やカスタマーサポートを行う上で判断に迷うことが減って、最短ルートが見つかるようになります。
目まぐるしく変化するこの時代にあって、ミッションは、
「どこに向かえばいいかわからない」
「何を大切にすればいいかわからない」
「なぜこの仕事をするのかわからない」
といった、迷いを打ち消してくれる存在となるでしょう。
まだ会社のミッションを明確に定めていないのであれば、ぜひこの機会に策定し、ビジョンの実現を目指して、迷わず突き進んでいただきたいと思います。
最後にもうひとつ。
「日々の業務に追われて、重要な仕事に費やす時間が足りない…」
「経営戦略や人事、新事業について専門分野の人に相談したい…」
という経営者・役員・マネージャーの皆様に画期的なサービスを2つご紹介いたします。
そのサービスとは、
- オンラインアシスタント
- スポットコンサルティング
です。
オンラインアシスタントとは、経理や総務、人事や労務、財務や法務、営業やマーケティングといった様々な分野の専門的な知識やスキル、実務経験を持った外部(社外)の人材が、オンライン上で自社の業務をサポートしてくれる便利なサービスです。
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ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただき、ほんとうにありがとうございました (^.^)