「チームビルディングの進め方が知りたい」
「チームビルディングのやり方がわからない」
とお悩みのあなたに、今回は、
- チームビルディングの進め方を5つのステップで解説
- チームビルディングとは何か?その意味を丁寧に解説
いたします。
商品開発に限らず、社内で様々なチームを作る場合、チームを作った当初は揉め事もなく、目標に向かってチームメンバー全員が和気あいあいと仕事をしていたのに、いつの間にかメンバー間で意見の食い違いや伝達ミスなどが起こり、険悪なムードに…。
チームで仕事をしたことがある方は、そんな経験が少なからずあると思います。
チームビルディングは進め方を誤ってしまうと、後々面倒なことが起こりますから、それぞれの項目を確実に実行して、その後の商品開発を円滑に進めていただければ幸いです。
それでは早速見ていきましょう。
チームビルディングの進め方 5ステップ
商品開発を行う際の、チームビルディングの進め方を5つのステップに分けて解説します。
チームビルディングの進め方 5ステップ
- 会社のビジョンを再確認する
- 目的やゴールを明確に決める
- 投資する人と予算を確保する
- 商品開発リーダーを選任する
- 意思決定プロセスを共有する
今回は「商品開発」を目的としておりますが、チームを作る目的が変わっても、基本的には以下の5ステップを踏んでいただくと、スムーズにチームビルディングを行うことができます。
それでは「チームビルディングの進め方 5ステップ」を、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
会社のビジョンを再確認する
チームビルディングの進め方、最初のステップは「会社のビジョンを再確認する」です。
もっと言うと、会社が掲げているビジョンやミッション、経営理念をあらためて確認しておきましょう。
「わざわざそんなこと確認しなくても」と思われるかもしれませんが、商品開発とは「答えのない問い」に対して自分たち独自の答えを見つける行為ですから、開発が進むに連れて、
「何を信じていいのか?」
「何を軸にして判断すればいいのか?」
「本当にこの方向で間違いないのか?」
など、自分たちが歩んできた道に疑問を感じたり、これから進む道が見えずに、突然足がすくんだりすることが往々にしてあります。
さらに開発メンバーが個性的な人の集まりであればあるほど主義主張が異なり、それぞれの意見が食い違うことが頻発して、「議論が尽きない」「口論がはじまる」なんてこともしばしば…。
最終的には開発責任者が決断を下すことになりますが、異を唱えていた人は、表面上は同意するそぶりを見せていても、心から納得できていなければ、その後のパフォーマンスが目に見えて低下する恐れがあります。
そうならないためにも、進むべき方向や判断軸を明確に持っておくことは必須です。
会社のビジョンやミッションを確認することなく商品開発することは、登山に例えると、地図とコンパスを持たずに頂上を目指すも同然。
道に迷ったら最後、生死に関わる事態に陥ります。
ビジョンやミッション、経営理念が定まっていないという会社様は、商品開発を機に考えてみることを強くお勧めします。
とはいうものの会社のビジョンやミッション、経営理念をすぐに決めることはできないと思いますので、まずは社長や幹部のみなさまが中心となって原案を作成し、ひとまずはそれをもとに商品開発を進めると良いでしょう。
目的やゴールを明確に決める
チームビルディングの進め方、2つ目のステップは「目的やゴールを明確に決める」です。
商品開発の目的やゴールは?と尋ねると「年間〇〇円の売上を達成すること」「会社の売上シェアの〇〇%に成長させること」といった売上や数値を口にする方がいらっしゃいますが、それは誤りです。
別の記事でも繰り返し伝えていますが、売上は「結果」であり「目的」ではありません。
ここでいう目的やゴールは、
「この商品を開発することでどんな未来を作りたいのか?」
「なぜこの商品を作りたいと思ったのか?」
「これから開発する商品は誰にどんな価値を与えたいのか?」
という問いに対する答えです。
まずはじめに会社が描く最高の未来とされる「ビジョン」があって、ビジョンを実現するために自ら課した使命となる「ミッション」がありますから、商品開発の目的やゴールは、会社のビジョンを実現するために自ら課したミッションを「さらに細分化したもの」という位置付けとなります。
一言で言うと「何のために、どのような商品を開発するのか?」ということ。
ここでいう「何のために」の部分が、ビジョンの実現に繋がっていて、「どのような」の部分がミッションにつながっていることが理想です。
「売上につながればいいんじゃないの?」
「なぜそこまで面倒な手順を踏むの?」
と思われるかもしれませんが、そこまでやるには確固たる理由があります。
お客様に単体の商品を買ってもらうだけなら、ビジョンやミッションなど無視してもいいのかもしれませんが、商品を買っていただいたお客様に会社のファンになっていただくためには、会社が生み出す全ての商品に通じる一貫した考え方や方向性、言うなれば「大義名分」が必要となります。
少々面倒かもしれませんが、ビジョンやミッションに沿った目的やゴールを明確に定めておかなければ、開発メンバーに進むべき方向を指し示すこともできませんし、メンバーのモチベーションも上がらず、開発に取り組む姿勢にも影響が出かねません。
今自分が行っている仕事が「誰かの役に立っている」と思えたり、「意義がある、意味がある」と思えなければ、目の前の仕事がいつしか作業となってしまい、スタッフの「思考停止状態」を生み出す恐れがあります。
そうなると良いアイデアやクリエイティブな発想も生まれませんし、メンバー間での意見集約が難しくなり、諍いが増えることもあり得ます。
そうならないためにも、チームビルディングを行う際は、ビジョンやミッションに沿った目的やゴールを定め、メンバー間で共有し、いつでも確認できるようにしておくと良いでしょう。
投資する人と予算を確保する
チームビルディングの進め方、3つ目のステップは「投資する人と予算を確保する」です。
商品開発チームのメンバーを何人にするか?
商品開発にどれくらいの予算を投資するか(できるか)?
をあらかじめ決めておきます。
「開発を進めるにつれて人手が足りないことに気づいた…」
「いつの間にか予算が膨らんでいた…」
とならないためにも、商品開発に投資する人数と予算は最初に決めておいた方が良いでしょう。
開発する商品が決まってから「あと○人必要なので…」「開発費用に〇〇円かかるのですが…」と言われても困りますから、せめて上限だけでも提示しておくべきです。
社内で商品開発の部署を新たに立ち上げる場合は、少人数・低予算からスタートして、ある程度の売上が見込めるようになれば少しずつ人数と予算を増やせば問題ありません。
限られた人数と予算、限られた時間と労力でチャレンジするからこそ、「ではどうすればいいか?」といった創意工夫が生まれるというもの。
初めから何もかも揃っていると、それはそれでプレッシャーですし、万が一人手が足りなければ外注に依頼するという方法もあります。
外注にはメリットもデメリットも両方あるのでここでは詳しく触れませんが、利用する最も大きなメリットだけ言いますと
「別の場所にいる人間を上手にコントロールする術を身につけられること」
ではないでしょうか。
現在ではインターネットを介して無料で使える便利なコミュニケーションツールがあるとはいえ、外注先とのコミュニケーションは、社内にいるスタッフとのやりとりに比べると、その質や精度が確実に低下します。
外注先と円滑なコミュニケーションを行うためには
- 相手の立場に立って考えること
- 伝える時の言葉や表現に気をつけること
- 常にわかりやすさを追求すること
- 相手を思いやる気持ちを表現すること
など、普段の会話以上に「気配り」が必要です。
考えようによっては、外注を上手に活用することでコミュニケーション能力が磨かれ、伝える力も養われるので、個人的には積極的に利用することをお勧めしています。
商品開発リーダーを選任する
チームビルディングの進め方、4つ目のステップは「商品開発リーダーを選任する」です。
チームビルディングを行う上で、リーダーの選任は最重要項目と言っても過言ではありません。
商品開発は「どんな商品を開発するか?」と同じかそれ以上に「誰が開発するか?」が売れ行きを大きく左右します。
例えば数人で同じ被写体を模写する時、描く人によって仕上がりや出来栄えがまったく異なるように、開発する商品が同じであっても、メンバーを率いるリーダーよって完成品は全く別物になります。
商品開発はいろんな個性が混ざり合ってひとつの商品が出来上がりますから、一人の個性だけが突出して表面化されることはありませんが、そんな中でもリーダーや責任者の個性は色濃く現れることを知っておいてください。
リーダーの向き不向きやリーダーに必要な資質については賛否両論、様々です。
それを物語るように、巷にはリーダーのあり方や育成方法に関する書籍が溢れており、私もいくつか手に取って読んでみましたが、当然ながら全ての関連書に目を通したわけではありません。
私が数多くのリーダーに関する書籍を読んで感じたことは、そこに書かれていることを全て網羅することは不可能であり、
非の打ち所がない完璧なリーダーを目指す必要もないのではないか?
ということです。
どんなに優秀なリーダーであっても欠点や苦手なことはあります。
大切なのはそれを包み隠さずメンバーに開示して、得意な人に助けてもらえるような「素直さ」を持つということではないでしょうか。
そう言う私も
「自分が率先してやらなければ」
「自分がメンバーを率いていかなければ」
「自分が模範とならなければ」
と考えてしまうタイプだったので、商品開発のリーダーを務めていた最初の頃は、何でも背負い込んで苦労した経験があります。
今思うと、最初から張り切りすぎていたのかもしれません…。
自然体を維持しながら気負うことなく、もう少し楽な気持ちでもっともっとメンバーの助けを借りるべきだったなぁ…と今になって感じています。
最後にもうひとつ。
リーダーに向いている人の特徴として、「秘めたる熱意と深い洞察力」を挙げておきます。
熱意があるといっても、やる気を前面に出した「発言力がある人」「声が大きい人」という意味ではありません。
商品開発の目的を伝えたとき、頭に思い浮かんだことを思いつきで発言するのではなく、こちらの話に熱心に耳を傾けた後、しっかりと自分の中で内容を咀嚼してから、自分なりの意見や考えを言えるような人が理想です。
意思決定プロセスを共有する
チームビルディングの進め方、最後のステップは「意思決定プロセスを共有する」です。
いよいよチームビルディングも最終段階です。
商品開発をスタートする前に、開発メンバーの主な役割分担や意思決定のプロセスを明確化して、関わる人全員に共有しておきましょう。
端的に言うと、「誰がどのように決めるのか?」「最終意思決定者はだれか?」ということです。
この作業を怠ると話し合いが長引いて開発がなかなか進まなかったり、時には開発が途中で頓挫することさえあります。
開発メンバー全員が、自分ごとのように商品開発に携わることは大賛成です。
しかしながら、自分の中のベストの選択と、目的やゴールに沿ったベストな選択が必ずしも一致するとは限らないわけで、開発メンバーはそれを理解しておかなければなりません。
自身が担当する分野におけるプロ意識やこだわりはとても大切ですが、目的やゴールを見据えた上で、全体を俯瞰して意思決定を下す時、個々の意見や考えを全て盛り込むことは不可能です。
良いアイデアであれば最後まで両立させる方法を模索しなければなりませんが、目的から外れた個々のこだわりを採用してしまうと、「誰のために」「何のために」という軸がブレてしまいます。
そうならないためにも、明確な役割分担と意思決定プロセスは、絶対的なルールとしてメンバーが遵守し、決定事項に対して開発メンバー全員が素直に従わなければなりません。
そのため、意思決定者は「なぜそのような決定を下したのか?」その経緯や考え、狙いなどをできるだけ具体的にメンバーに示す必要があります。
ただし、本音を言うと、最終判断は意思決定者の「直感」や「好き嫌い」で決まります。
そう言うと、敬遠される方もいらっしゃいますが、みんなが良いと思うことや、正しいと思うことは、競合他社も同様に「良い・正しい」と思っているわけで、良い判断や正しい判断に従えば従うほど、結果的にはどんどん差別化できなくなり、ありきたりな商品が生まれることになりかねません。(ここが商品開発の難しいところです)
それを避けるという意味においても、リーダーが導き出した「直感」を頼る方が、個性があって魅力的な商品に仕上がる、そのことが差別化を生んで面白い結果が期待できるのではないでしょうか。
チームビルディングとは
チームビルディングとは、「組織づくり」「チーム作り」です。
チームメンバーの経験やスキルを単に足し算するのではなく、メンバーの個性を尊重しながらも、個々の魅力や能力を掛け合わせることで「相乗効果を生み出す組織やチームをつくること」。
それがチームビルディングです。
強固なチームをつくるためには、チームメンバー全員が会社のビジョンを共有し、目的やゴールを常に意識し、円滑なコミュニケーションを心がけ、最終の意思決定はリーダーに従い、互いの考えや価値観を尊重しなければなりません。
商品開発は一人ではできませんから、まずは社内で商品開発のメンバーを集め(募り)、「商品開発チーム」をつくることからスタートします。
チームビルディングがうまくいけば、ヒット商品を生み出せる確率は高まるでしょうし、チームビルティングに失敗すれば、商品の開発がなかなか進まなかったり、メンバー間で諍いが起きるなど、商品開発に悪影響を及ぼしかねません。
商品開発を円滑に進めるためにも、チームビルディングをおろそかにすることなく、まずはどんなことが起きても耐えられる強固な土台を作る。
まずはここからです。
先にお伝えした「チームビルディングの進め方 5ステップ」をご参考にしていただき、メンバーが助け合いながら、お互いを刺激して成長しあえるチームを作っていただければうれしく思います。
まとめ
今回は、商品開発を行う際の、チームビルディングの進め方についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
忘れないように、もう一度おさらいしておきましょう。
チームビルディングの進め方 5ステップ
- 会社のビジョンを再確認する
- 目的やゴールを明確に決める
- 投資する人と予算を確保する
- 商品開発リーダーを選任する
- 意思決定プロセスを共有する
隙のないチームビルディングを行っていたとしても、商品開発を行う過程では、予期せぬ出来事や、いろんな問題が次から次に起こるでしょう。
そんな時こそ、チームメンバーの結束力が問われます。
いちばん良くないのは「私のせいではない」「私に責任はない」という立場をとって、メンバーの輪の中から一歩引いた姿勢を見せることです。
チームで起きたことは、メンバー全員が自分ごとのように受け止めて、全員で考え、知恵やアイデアを出し合って乗り切る。
そうすることによって信頼関係が深まり、より強固な結束力が養われるというもの。
みなさまのチームが、輝かしい成果を上げることを願います。
ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました (^.^)
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