できるだけお金をかけずに、お店のリピート客を増やすにはどうすればいいか?
予算がいくらでもあればいろんな施策を実行できますが、そのようなお店は少数です。
というわけで、今回はお金をかけずにお店のリピート客を増やす3つの方法をご紹介いたします。
リピート客を増やす方法でいちばん最初に頭に思い浮かぶのは、
- 購入金額に応じて独自のポイントを還元する
- スタンプカードやポイントカードを発行する
- 次回ご来店の際に使える割引クーポンを渡す
- お得な情報をお届けするメールマガジンにご登録いただく
- お帰りの際に次回のご来店日時をご予約いただく(予約が必要な美容室やエステサロンに限る)
といったところでしょうか。
しかしながら、次回のご来店日時をご予約いただく場合を除いて、他のリピート施策は少なからずお金がかかってしまいます。
では視点を変えて、
「あなたがリピートしているお店はどんなお店ですか?」
飲食店や美容室といったリアルなお店に限らず、ネットショップも含め、なぜあなたはそのお店を繰り返し利用しているのか?なぜそのお店に行きたくなるのでしょう?
ポイントが貯まるから?
割引クーポンが使えるから?
毎週届くメールマガジンからお得な情報を得られるから?
それとも別の理由?
最近リピートしたお店のことをよく思い出してください。
「なぜ私はあのお店に行ったのか?」を。
そこに「お金をかけずにリピート客を増やすヒント」が隠されているかもしれません。
リピート客を増やすには
リピート客を増やすにはどうすればいいか?
リピート客を増やすには、「リピート客」のことを正しく理解する必要があります。
リピート客を増やす方法をご紹介する前に、まずは
「リピート客とはどのようなお客か?」
を、あらためて確認しておきましょう。
リピート客とはどんな人?
リピーターとは、ひと言で表すと「繰り返す人」です。
お店だけに限らず、施設や公演、旅先など一度訪れた場所を何度も訪れる人のことを言います。
なおビジネスやマーケティングの領域における「リピート客」は、
「特定のお店、商品やサービスを繰り返し利用する顧客」
という意味で用いられ、新規客に比べて獲得コストが低いとされるリピート客を増やすことが、ビジネスやマーケティングの基本戦略として位置づけられています。
冒頭で申し上げたポイント還元やスタンプカード、割引クーポンやメールマガジンは、ご来店いただいたお客様に「お得感」を与え、自分たちのお店を「忘れさせない」あるいは「思い出させる」施策です。
もちろんそれらの施策も一定の効果はありますが、「真のリピート客を増やす」ことを目的とした場合、ポイントや割引、メルマガはあくまで「ご来店のきっかけづくり」であり、ご来店を促す「援護射撃」に過ぎません。
リピート客を増やすコツ
では、真のリピート客を増やすコツはあるのか?
自分のことに置き換えて考えてみると、おわかりいただけると思います。
「機会があればまた利用したい」
「ぜひもう一度行ってみたい」
と思うお店にはポイントサービスや割引クーポンがなくても行きますし、
「もう行くことはないかな…」
というお店には、たとえポイントや割引があったとしても、あるいはダイレクトメールが届いたとしても、それらをきっかけに行くことはほぼありません。
ここで注目すべきは「また利用したい」「もう一度行ってみたい」という「感情」です。
「利用したい」「行きたい」という「感情」がお客様の心の中に生まれた時、そのお客様は再びお店に足を運びます。
言われてみれば当たり前のことですが、ことビジネスにおいて「リピート客を増やす」という課題に正対したとき、日々の生活の中で当たり前のように行っていることは、なかなか頭に浮かばないものです。
ではお客様の心の中に、
「利用したい」「行きたい」という「感情」を呼び起こすためにはどうすればいいか?
「心を動かす」のです。
「感動」といえば少し大袈裟に聞こえるかもしれませんが、小さくてもいいので、初めてご来店いただいた時にお客様の心を動かす体験を提供する。
この「お客様の心を動かす体験」こそが、リピート客を増やすコツなのです。
お客様の心を動かすことができれば、その小さな「感動体験」がお客様の記憶に残るだけでなく、幸福感や満足感を与え、そのような「感動体験」を提供してくれたお店に「また行きたい」「また利用したい」という「感情」が生まれます。
このブログでも何度かお伝えしておりますが、
人間は「感情」が生まれなければ「行動」を起こすことはありません。
この項のはじめに「リピート客とはお店だけに限らず、施設やテーマパーク、公演や旅先など一度訪れた場所を何度も訪れる人」と言いましたが、
なぜもう一度同じ場所を訪れたいと思うのか?
もうおわかりですよね。
つまり、リピート客を増やすためには、「繰り返し利用したい」「何度も行きたい」という「感情」を呼び起こすことが必要不可欠であり、その「感情」を呼び起こすためには、初回のご来店時にお客様の心を動かす体験を提供する。
そのことを念頭において、次に具体的な
「お金をかけずにリピート客を増やす方法」
をみていきましょう。
リピート客を増やす方法
お金をかけずにリピート客を増やす方法を、ご紹介いたします。
お金をかけずにリピート客を増やす3つの方法
- ほんの1ミリでも、お客様の期待を超える
- ひとりの人間として、お客様に興味を持つ
- 整理、整頓、清掃、清潔を、徹底的に行う
唐突ですが、
あなたが最後に感動したのはいつですか?
どんなことで感動しましたか?
小さな感動でもかまいません。
その時のことをよく思い出してください。
「友人からサプライズでプレゼントをもらった」
「心温まる映画を見た」
「心にしみる音楽を聴いた」
「心が震えるストーリーに出会った(本を読んだ)」
「目の覚めるような綺麗な景色を見た」
「見知らぬ人に親切にしてもらった」
「子供の成長を目の当たりにした」
など、心を動かされる出来事は人それぞれ。
上記のように感動する出来事を並べてみると、それらの中に共通点が全く無いように見えますが、実は感動にはいくつかのパターンがあります。
キーワードとなるのは「意外性」「人間味」そして「美しさ」。
ひとつだけでもOKですが、これらの要素が複数合わされば、よりお客様の心を動かすことができます。
そして「お金をかけずにリピート客を増やす方法」の答えがここにあります。
ひとつずつ詳しく見てきいきましょう。
お客様の期待を超える
お金をかけずにリピート客を増やす方法、
ひとつ目は「意外性」によってお客様の心を動かす、というもの。
「意外性」とは、思いがけない一面や予想外の出来事のことを言います。
お店において、プラスに転じる「意外性」を考えた時、最もわかりやすいのが「お客様の期待を超えること」ではないでしょうか。
お店の商品やサービスが、お客様が抱く期待値よりも1ミリでも上回っていれば、
「思ったより安かった」
「想像以上に美味しかった」
「意外に親切だった」
と感じていただけます。
期待以上の体験で心を動かされたお客様は、
「また行きたい」
「また利用したい」
という感情が生まれ、リピート客になる確率は飛躍的に高まることは言うまでもありません。
お客様の期待を大きく超えるためには、それなりのコストがかかるかもしれませんが、ほんの少しだけお客様の期待を超えるのであれば、お金をかけずにできることはたくさんあります。
例えば、
- 仕入れや製造コストを下げて価格に反映する
- 料理の腕を磨いて美味しさを追求する
- 挨拶や接客マナーを徹底する
などは、努力次第でお金をかけずにできるのではないでしょうか。
私がよく利用する洋菓子店の「シャトレーゼ」は、「パティシエが作ったのか!」と思わせるほど美味しい「スペシャル苺ショートケーキ」や、フランス・ブルターニュ産クリームチーズとマスカルポーネチーズを惜しみなく投入した「濃厚ベイクドチーズケーキ」がわずか300円前後!(シアワセ~)
そして累計販売本数8000万本を超える、大人気のアイスクリームバー「チョコバッキー」はなんと一本60円!(税抜き)というからほんとうに驚きです。(機会があればご賞味くださいませ)
シャトレーゼさんは、お客様の期待を1ミリではなく100メートルほど超えていますが、みなさんはそこまで超える必要はありません。
ほんの1ミリだけでいいですから、お客様の期待を超えるために、
「お金をかけずにどんな意外性を生み出すことができるか?」
を考えてみてください。
お客様に興味を持つ
お金をかけずにリピート客を増やす方法、
2つ目は「人間味」によってお客様の心を動かす、というもの。
「人間味」とは、人間らしい温かみや思いやり、優しさや人情味です。
接客が伴うお店だけでなく、サービスが均一化されている飲食チェーンやコンビニエンスストアであったとしても、そこに人間味が加わることでお客様の心を動かすことはできます。
例えば、挨拶ひとつとっても、形式的に行う挨拶は大抵のお店で行っていますが、心の底から
「ようこそお越しくださいました」
と思って行う挨拶は、お客様に「感じの良いお店だなぁ」という印象を与え、こちらが思っている以上に相手の記憶に残るものです。
笑顔も同様に、
「ごゆっくりご覧くださいませ」
と心からお客様に微笑みかけるような笑顔は、お客様に安心とくつろぎを感じさせ、時に「店員とお客」という関係を超えて、
「親しみやすさを感じる一人の人間」
という印象を与えることができます。
「お店のスタッフ」という自己の認識を捨て去り、ひとりの人間としてご来店いただいたお客様に興味を持ち、
「お客様は何を求めているのか?」
「どうなりたいのか?」
「どんな問題を抱えているのか?」
「自分に何ができるのか?」
と考えるならば、お客様はその様子や態度に心を動かされ、きっと心を開いてくれることでしょう。
「どうせ買うならあの人から買いたい」
接客や販売をなさっている方であれば、1度はそんな風に言われてみたいものです。
私が知っているご年配の方は、家電量販店のヤマダ電機のYさんがめっぽうお気に入りで、電気製品を買うときは、よほどのことがない限りヤマダ電機のYさんから購入します。
電気製品の調子が悪くなると、真っ先にヤマダ電機のYさんに相談し、いろいろとアドバイスをいただいているそうです。
おそらくヤマダ電機のYさんは、その方が電気製品を購入する時、あるいは調子が悪くなった時、家電量販店の店員という枠を超え、親身になって購入のアドバイスしたり、修理の相談に乗っているのでしょう。
だからこそ、お金をかけることもなく、何度もリピートしていただいているのかもしれませんね。
整理整頓を徹底的に行う
お金をかけずにリピート客を増やす方法、
3つ目は「美しさ」によってお客様の心を動かす、というもの。
ここでいう「美しさ」とは、ビジュアル的に「姿形が美しい」という意味ではなく、
- 整理整頓されている
- 身なりがきちんとしている
- 掃除が行き届いている
- 清潔感がある
という意味においての「清らかな美しさ」です。
お店に限らず、人間は
- 汚くて散らかっている場所
- 嫌な匂いがするところ
- 身だしなみがだらしない人
などを嫌う生き物です。
ごく稀に例外と見られる方もいらっしゃいますが、大半は汚いよりもキレイな方を好みます。
お客様を迎えるにあたって、
「店内や入り口は毎日掃除している」
「制服も定期的にクリーニングしている」
「陳列棚も整理整頓が行き届いている」
というお店も多いことと思いますが、それらはお客様にとっては当たり前のこと。
それすらできていないのであれば、まずはそこから始めなければなりませんが、既にそれができているのであれば、
「こんなところまで」
とお客様が感じるようなところも、徹底的にキレイにしましょう。
「そこまでやる必要あるの?」と思われるかもしれませんが、お客様は細かいところまでちゃんと見ています。
そして細かいところが大きな違いを生む。
つまり「微差が大差を生む」というわけです。
例えば、飲食店であれば
- テーブルや椅子の下
- 通路やおトイレ
- 壁面やガラス窓
- 注文する時のメニュー表
など、お客様の目に触れるところや手に触れるところは全てピカピカにしておきましょう。
整理整頓、清掃や清潔が徹底されていると、次第にお客様からこんなお言葉を頂戴するようになります。
「なんかキレイなお店だね」
お客様の何気ないひと言かもしれませんが、「美味しかったね」という言葉と同じかそれ以上に、価値ある言葉だと思いませんか?
誤解を恐れず言いますと、調理方法や調理器具が進化している今日、ある程度の経験を積んだ料理人であれば美味しい料理を作ることができます。(高級料理店や三つ星レストランのお料理は別ですが)
一方でお客様にしてみれば、今の時代、お金を払って飲食店で食事をして「美味しいのは当たり前」。
お客様が期待している以上に、ほっぺが落ちるほどの美味しい料理が出てくれば、それだけでお客様の印象に残るでしょうが、この先求められるのは「当たり前」を一定のレベルでクリアしながらも、その他の部分でお客様の感情に訴えかけることができるかどうか?だと思います。
整理、整頓、清掃、清潔から感じられる「美しさ」は、美しいものを好む人間の本能を刺激し、それが徹底されていると心をも動かします。
これこそまさにお金をかけずリピート客を増やす、最も簡単な方法ではないでしょうか。
リピート率とは、儲かる会社を表す指標
リピート率とは、初めて商品をご購入いただいたお客様、あるいは初めてサービスを利用いただいたお客様のうち、リピート購入(再来店や再購入)してくれたお客様の割合です。
リピート率は、「リピート客 ÷ 新規の客数 × 100」という計算式で求めることができますから、リピート率を出したことがないお店は、定期的にリピート率を出すことをオススメいたします。
リピート客は新規客に比べて獲得コストが5分の1程度と言われていますから、お店の売上とは別に、リピート率をひとつの指標として、先にご紹介した「お金をかけずにお店のリピート客を増やす方法」を実践しながら、少しずつでも右肩上がりになるよう、リピート率アップを目指しましょう。
リピート率が上がると、以前と比べて売上が変わらなかったとしても、利益率や費用対効果が確実にアップしますから、いわゆる「儲かる会社」へと、会社の体質が改善されます。
ちなみにリピート率と混同されやすい「リピーター率」は、一定期間に商品を購入した全てのお客様におけるリピータの割合を示す。念のため、お間違えのないように。
まとめ
ということで、今回は
「お金をかけずにお店のリピート客を増やす3つの方法」
について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
忘れないように、もう一度おさらいしておきましょう。
お金をかけずにリピート客を増やす3つの方法
- ほんの1ミリでも、お客様の期待を超える
- ひとりの人間として、お客様に興味を持つ
- 整理、整頓、清掃、清潔を、徹底的に行う
売上を上げることも大切ですが、儲かる会社へと進化するにはリピート客の獲得が欠かせません。
とりわけ中小企業や小さな会社は、獲得コストが高い新規客ばかりを追いかけることはできませんから、いかにしてリピート客を増やして、
いかにしてリピート率をアップするか?
が、儲かる会社になれるかどうかを左右します。
そういう意味においても、ぜひ「お金をかけずにお店のリピート客を増やす3つの方法」をお試しいただければ幸いです。
最後にもうひとつ。
- 少人数かつ低予算で「売れる仕組み」を作りたい
- Web媒体を活用した集客や販売を強化したい
- Webマーケティングの知識やスキルを身につけたい
という方に、おすすめの「Webマーケティングスクール・講座」をご紹介いたします。
ビジネスの現場で通用する「実務レベルのWebマーケティング力」を独学で身につけるには、多くの関連書籍を読んで、実際に手を動かしながら、トライアンドエラーを何度となく繰り返すことになります。(私自身がそうであったように…)
その点、Webマーケティングスクールでは座学と実務をバランスよく取り入れた実践的なカリキュラムをこなすことによって、効率良くWebマーケティング学べるだけでなく、わからないことがあっても現役Webマーケターが疑問や質問に答えてくれるので安心です。
以下の記事では、
- Webマーケター志望の大学生や、キャリアアップを目指す社会人を対象としたスクールを9つ
- 社内Webマーケターを目指す方や、販売責任者・Web担当者を対象としたスクールを7つ
計16個のWebマーケティングスクール・講座をご紹介するとともに、各スクール(講座)の特徴や自分に合ったスクール(講座)の選び方をわかりやすく解説しておりますので、少しでもご興味がある方は是非チェックしてみてくださいね。
ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただき、ほんとうにありがとうございました (^.^)