「販促のアイデアがなかなか思いつかない」
「初心者でも販売促進のアイデアを出すコツはないだろうか」
「販促のアイデアの出し方をチームで共有したい」
そうお考えのあなたに、今回は、
- 販売促進のアイデアを出す方法
- アイデアを出す3つのコツ
について解説いたします。
誤解を恐れず言うならば、販売促進のアイデアにはちゃんとした「出し方」があり、アイデアを出せるかどうか?は、その方法を知っているか知らないか…それだけです。
もちろん販売促進のアイデアを出す方法は、これからご紹介する方法だけではありません。
企画部やマーケティング部に所属している方の中には、アイデアを出すための独自の方法を確立している方もいらっしゃると思います。
これからご紹介する「販売促進のアイデアの出し方」は、
アイデア出しが苦手な方でも、
入社したばかりの新入社員でも、
マーケティング初心者でも、
販売促進のアイデアを出すことができる方法です。
そのため、普段からアイデアを出すことに慣れていらっしゃらない方は、大いに参考にしていただき、独自の「アイデアの出し方」をすでに持っていらっしゃる方は、ご自身の出し方と比較しながら、「これは使える!」を思う部分だけでも、ご参考にしていただければと思います。
それでは早速見ていきましょう。
販売促進のアイデアを出す方法
販売促進のアイデアを出す方法を、3つのステップに分けて解説いたします。
販売促進のアイデアを出す方法
- ビジョンを描いて、目標とゴールを設定
- 顧客ターゲットと最大公約数を意識する
- 多くの人が共感できるストーリーを作る
ひとりで販売促進のアイデアを出すときも、チームのメンバー数人で行うときも、この手順は変わりません。
チームで販売促進のアイデアを出すときは、まずはじめに上記3つのステップをメンバー全員に共有しておくと、会議やミーティングで道に迷うことが少なくなります。
それではひとつずつ詳しく見ていきましょう。
現実的なビジョンを描く
販売促進のアイデアを出す方法、最初のステップでは、
商品が売れている状況をリアルにイメージできる「現実的なビジョン」を描きます。
会社が掲げるビジョンは「こうなったらいいなぁ」「こんな未来を作りたいよね」という、届きそうで届かない、実現できそうで実現できないくらいがちょうどいい。
しかしながら、販売促進においては「現実的なビジョン」、つまり理想の未来ではなく「実現可能な未来」を描くようにする。
「こうなればいいなぁ」
ではなく、
「これなら実現できる」といった具体的な未来の姿を設定します。
みなさんもご存じ、ネスレのキットカット(チョコレート菓子)は年末の受験シーズンになると、「頑張る受験生を応援しよう!」というメッセージを掲げ、いつものパッケージをキャンペーン仕様に変更して販売促進を行なっています。
アイデアのきっかけは、九州で話題になっていた「きっと勝っとお!」というフレーズでした。
そのフレーズからヒントを得て「自社の製品で受験生を応援する」というビジョンを描き、全国的なキャンペーンを展開することに。
そしてキャンペーンは異例の大ヒットを記録。
その効果も手伝って、「キットカット」は世界100カ国以上で販売されていますが、売上は日本が1位となっています。(2019年現在)
受験生を応援しよう!という強い思いが、売上を世界のトップに押し上げた成功事例のひとつとして、グループ全体に知られているそうです。
さて、現実的なビジョンが定まれば、次に目標とゴールを明確に設定します。
ゴールとは最終的な結果であり、到達点です。
たとえば販売促進をスタートしてから、
- 半年以内に販売数量〇〇個を達成する
- 1年以内に売上を前年の110%にする
といった最終結果がゴールとなります。
目標とはゴールに到達するまでの通過点です。
たとえば「半年以内に販売数量〇〇個を達成する」というゴールを設定した場合、「今月の目標は○個、来月の目標は○個」という具合に、ゴールに向かう過程で達成すべき通過点となります。
上記を整理すると、販売促進の
- 目的は、商品やサービスの販売を後押しすること
- ビジョンは、目的を達成するために描く実現可能な未来
- ゴールは、目的を達成したと呼べる最終到達点
- 目標は、ゴールに向かう過程で達成すべき通過点
となり、ニュアンスが似ているようでも、その意味はそれぞれ異なります。
販売促進のアイデアを出すときは、まずはじめにビジョン・ゴール・目標を設定し、メンバー全員と共有する。
そうすることで、常にやるべきことが明確になり、会議やミーティングで迷走することも少なくなります。
顧客ターゲットを明確に
販売促進のアイデアを出す方法、次のステップでは顧客ターゲットを明確にします。
顧客ターゲットというと、ペルソナ(特定の人物像)を設定しなければならないと思いがちですが、販売促進のアイデアを出すときは、「最大公約数」を意識することが大切です。
ターゲット設定における最大公約数とは、端的にいうと「ターゲットゾーン」のこと。
たとえば、先ほどのキットカットの例で言いますと、キャンペーン自体は「頑張る受験生を応援しよう!」というメッセージを発信していますが、キットカットのパッケージや個包装には「受験」の文字はなく、「頑張るみんなを応援!」といいう表現となっています。(2019年発売のパッケージを参照)
つまり、
メインターゲットは受験生だけど、
ターゲットゾーンは「頑張っている人たち全員」というわけです。
ターゲットゾーンの中には、会社で働くお父さん、家事や子育てに奮闘するお母さん、スポーツに汗を流す青少年も含まれます。
なので、受験生を持つ母親はもちろん買うけど、頑張っている人を応援したいと思っている人も、ついつい買ってしまう。
受験生だけをターゲットにしたパッケージデザインであったなら、売上は今よりも減少していたかもしれません。
それともうひとつ。
もしもターゲットの選定に迷ったときは、購入者を観察することをオススメします。
例えばキットカットの販売促進のアイデアを考える場合は、スーパーのお菓子売り場に立って、キットカットを買い物カゴに入れる人はどんな人なのか?を観察するのです。(怪しまれないように)
あるいはキットカットを買い物カゴに入れた人に突撃インタビューします。
「どこで食べるんですか?」
「誰と食べるんですか?」
「お一人で食べるんですか?」
「誰にあげるのですか?」
「なぜキットカットなんですか?」
など、根掘り葉掘り聞いてみると、誰をターゲットにすればいいか?何かしらのヒントが得られるに違いありません。(くれぐれも怪しまれないように)
共感できるストーリーを
販売促進のアイデアを出す方法、いよいよ最後のステップです。
実現可能なビジョンを描き、目標とゴールを設定し、顧客ターゲットが明確になれば、最後に多くの人が共感できるストーリーを考えます。
誰もが共感できるストーリーですから、
- 感動する、興奮する、熱狂する
- 優しさや温もり、安らぎやを感じる
- 楽しくなる、ドキドキする、ワクワクする
- 応援したくなる、役に立ちたいと思う
といった、「心が動くポイント」を押さえておく必要があります。
ストーリーを考える時のコツは、
自分の過去の体験で「心が動いた出来事」を振り返ってみることです。
- 感動したことや、楽しかったこと
- 熱狂したことや、興奮したこと
- 優しい気持ちになったこと
- 誰かを応援したくなったこと
などを思い出すと、そこにヒントが隠されています。
自分が心を動かされた体験は、自分だけでなく、他の誰かも似たような体験を持っているはず。
自分が心を動かされた体験を思い出して、心を動かす「きっかけ」となった具体的な出来事に注目し、その「きっかけ」を抽象化します。
心を動かす「きっかけ」になったものが、ある商品だった場合、その商品のカテゴリーをはじめ、用途や手に入る場所、形や大きさ、色やデザインなどに切り分けるのです。
販売促進のアイデアを探している商品やサービスが、それらの抽象化した要素とマッチングするならば、自分が心を動かされた体験と同じように、その「きっかけ」に取って代わることはできないか?と考えます。
例えば、過去にずっと片思いだった人と「あるきっかけ」でお付き合いすることができた…そんな経験があったとしましょう。
「あるきっかけ」が特定の商品だったとしても、今まさに販売促進のアイデアを考えている商品が、
同じ商品カテゴリーであれば、
同じ用途の商品であれば、
同じ形やデザインであれば、
過去に自分が心を動かされた経験を再現できるかもしれない…と考えます。
つまり、過去に自分が心を動かされた実話に、販促すべき商品を登場させることによって、実話に基づくストーリーを作るのです。
もちろん他にもストーリーを作る方法はあるでしょうが、小説家でもない限り、多くの人が共感するようなストーリーを作ることは簡単ではありません。
上記の方法であれば、誰でも簡単に、しかもリアリティがあって、多くの人に共感していただけるストーリーを作ることが可能です。
最後にもうひとつ。
ストーリーが完成したら、最初に考えた「実現可能なビジョン」と「顧客ターゲット」との整合性をチェックしましょう。
「ビジョン」「ターゲット」「ストーリー」の3つの要素が、違和感なくピッタリハマった時、販売促進のアイデアがようやく完成します。
少しでも違和感があれば、それぞれの要素をもう一度見直して、変更あるいは微調整しましょう。
アイデアを出す3つのコツ
アイデアを出す3つのコツをご紹介いたします。
前項では販売促進のアイデアの出し方を解説しましたが、だからといってすぐに販売促進のアイデアを出すことは至難の技です。
良質なアイデアを出すためには、より深く考え、より集中できる環境を整える必要があります。
数人でアイデアを出し合ったり、ブレインストーミングを行ってアイデアを出す方法もありますが、それらの方法は「アイデアのヒント」を出し合うことが目的です。
販売促進のアイデアを考える際は、基本的には、販売促進の担当者がひとりでアイデアを出すことになります。
そこで、販売促進のアイデアを出すときのコツを3つご紹介いたします。
アイデアを出す3つのコツ
- 1回あたりの時間は60~90分に
- 集中力が持続しやすい午前中に
- 途中で邪魔が入らないように!
それではひとつずつ見ていきましょう。
1回あたりの時間は60分に
アイデアを出すコツ、ひとつ目は「時間を刻む」です。
長時間、デスクにかじりついて販売促進のアイデアを考えても、なかなか良いアイデアは浮かびません。
ものごとに集中できる時間は長くても90分と言われていますから、アイデアを考えるときも60~90分にしましょう。
「あともうちょっとでいいアイデアが出てきそうなんだけど…」と思っても、時間が来たらアイデアを考えるのをスパッとやめる。
「もう少し考えたいなぁ」という思いは、アイデアを考えるためのモチベーション維持につながりますし、アイデアを考えている途中で別の仕事に移ったとしても、無意識のうちに脳が答えを探してくれます。
集中できる時間と脳の働きを理解すれば、アイデアを考える際は60~90分に時間を刻むのがオススメです。
集中力が持続する午前中に
アイデアを出すコツ、2つ目は「午前中に考える」です。
「午前中のほうが仕事に集中できる」
そう口にする人が、あなたの周りにもいらっしゃると思います。
もしかしたらあなたもそうかもしれませんね。
人間の集中力の源は前頭葉にあって、「ウィルパワー」と呼ばれています。
この「ウィルパワー」の総量は限られており、集中力を使うたびに少しずつ減少し、良質な睡眠と食事によって回復します。
つまり、集中力を最も発揮できる時間帯は、前日の夕食とその後の睡眠で「ウィルパワー」が満タンになっている午前中というわけです。
アイデアを考えるときに限らず、重要かつ失敗できない仕事は、集中力が最大限に発揮できる午前中に済ませましょう。
邪魔が入らないように!
アイデアを出すコツ、ひとつ目は「集中できる環境」です。
あなたのデスクの上は整理整頓できていますか?
会議の資料や展示会でもらった商品パンフレット、充電中のスマートフォンやタブレットなど、いろんなものが机の上に散らかっているのであれば、それは集中力を削ぐ原因となります。
販売促進のアイデアを出すときは、机の上をキレイにして、気になるものが何もない状態にしてからアイデアを考える。
それに加えて、外部からのコンタクトもできるだけシャットアウトします。
周りのスタッフに「○時までは電話に出られない」と伝え、パソコンの動作音を消音に設定し、スマホはマナーモードに切り替えて、集中力が途切れないようにするのです。
職場によっては難しい場合もありますから、その場合は場所を移動して、邪魔が入らないところでアイデアを考えるようにしましょう。
まとめ
今回は
- 販売促進のアイデアを出す方法
- アイデアを出す3つのコツ
について、3つのステップをご紹介しました。
忘れないように、もう一度おさらいをしておきましょう。
販売促進のアイデアを出す方法
- ビジョンを描いて、目標とゴールを設定
- 顧客ターゲットと最大公約数を意識する
- 多くの人が共感できるストーリーを作る
アイデアを出す3つのコツ
- 1回あたりの時間は60~90分に
- 集中力が持続しやすい午前中に
- 途中で邪魔が入らないように!
販売促進とは、商品やサービスの販売を後押しすることです。
販売促進のアイデアが秀逸で、多くの人の共感が得られるものであれば、売上アップや集客力アップだけでなく、
- メディアに取り上げられる
- 求人広告の応募者が増える
- 商品を取り扱う店が増える
といった相乗効果も期待できます。
そうなると商品のブランドイメージが良くなって、商品を提供している企業のイメージアップにもつながることは言うまでもありません。
販売促進のアイデアの出し方がわかると、営業企画や商品企画をはじめ、新製品の企画や会社の周年記念の企画に至るまで、企画のアイデア出しが求められる様々なシーンで応用することができます。
早速、明日からでも「販売促進のアイデアを出す方法」を実践して、その方法を自分のものにしてくださいね!
ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。^ – ^
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