コーチングに必要なスキルとは?高めるにはどうすればいい?

氷ノ山にて ブナの大木 撮影者:うさやん

「コーチングを行う際に必須とされるスキルは?」

「コーチングスキルにはどのようなものがあるのか?」

「コーチングスキルを高めるにはどうすればいい?」

というあなたに、今回は

  • コーチングに必要な3つの基本スキル
  • コーチングスキルを高める方法

について、どこよりもわかりやすく解説いたします。

自分が上司になって部下を持つようになると、自分の仕事で成果を出すことよりも、

「部下が成果を上げるにはどうすればいいか?」

という課題に直面します。

そんな時に有効とされるのが、みなさまもご存知の「コーチング」という手法です。

具体的には、上司が部下と1対1の対話を重ねることで、部下が自ら定めた目標達成に必要とされる「スキル・知識・考え方」に気づかせて、部下が自発的に行動することをサポートします。

と、言葉にするのは簡単ですが、これがなかなかうまくいかない…。

なぜなら、コーチングは単に部下と対話を行うことではなく、コーチングに必要とされるスキルを身につける必要があり、コーチングスキルを高めなければ、コーチングの効果を実感することが難しいからです。

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コーチングに必要なスキルとは

コーチングスキルとは、コーチがクライアントの目標達成をサポートするために、対話の中で使用するコミュニケーションスキルです。 ※「クライアント」とは、コーチングを受ける相手のことを言います。

この項では、

「コーチングに必要なスキル」として、代表的なコーチングスキルを3つご紹介いたします。

コーチングに必要な3つの基本スキル

  1. 傾聴スキル:クライアントが伝えたいことを理解するためのスキル
  2. 質問スキル:クライアント新たな「気づき」を与えるためのスキル
  3. 承認スキル:クライアント自身に成長を感じてもらうためのスキル

コーチングに必要なスキルは、上記の他にも

  • フィードバックスキル:クライアントに現状を把握してもらうためのスキル
  • 提案スキル:クライアントに新たな視点を授け、行動をサポートするスキル
  • リクエストスキル:クライアントが自分の殻を破るきっかけをつくるスキル

などがあります。

ただ、これらのコーチングスキルは先にご紹介した代表的なスキルに比べると使用頻度が低く、クライアントの状況を見極めて、しかるべきタイミングで正しく使わなければ逆効果となる恐れもあることから、まずはコーチングの基本となる「傾聴スキル」「質問スキル」「承認スキル」を身につけることをオススメします。

それでは、コーチングに必要とされる、代表的な3つの基本スキルを詳しく見ていきましょう。

傾聴スキル

コーチングに必要な3つの基本スキル、ひとつ目は「傾聴スキル」です。

傾聴スキルとは、「相手が何を伝えようとしているのか?」を深く理解するためのスキルです。

傾聴スキルを身につけるためには、自分の考え方や価値観をいったん傍に置いて、相手をありのまま受け入れ、心から共感する姿勢が求められます。

コーチングにおける主役は、コーチではなくクライアント(相手)であることを忘れずに

「相手が安心して話せる状況を作り出すにはどうすればいいか?」

を常に考えながら、相手の状態に合わせて、

  • 会話のスピードを合わせる
  • 相手が使う言葉を繰り返す
  • 相手の言葉づかいに合わせる
  • 相槌や頷きでリズムを作る
  • アイコンタクトで理解を示す

などして、話しやすい環境を整えることが大切です。

加えて、相手の表情やしぐさ、声のトーンなどから「相手がどう思っているか?」という感情面にも注意を払い、相手が話す言葉だけでなく、体全身から発するいろんなサインを見落とさないようにしましょう。

以下、傾聴スキルのポイントを5つ挙げておきますので、ご参考にしていただければ幸いです。

傾聴スキル 5つのポイント

  1. 話すよりも聞くことに集中し、相手が話しやすい環境を作る
  2. 一切の先入観を排除するとともに、相手の話を途中で遮らない
  3. 発する言葉だけでなく、表情やしぐさ、声のトーンに注視する
  4. 適切な相づちや頷き、表情や目線によって相手を安心させる
  5. 「沈黙=自分との対話」と捉えて、無理に埋めようとしない

質問スキル

コーチングに必要な3つの基本スキル、2つ目は「質問スキル」です。

質問スキルとは、「気づき」を与えるために、相手の視野を広げる質問を行うスキルです。

実は、クライアントはコーチに話をしながら自分自身にも話をしています。

クライアントはコーチとの対話を通じて、自分の内側にある情報をアウトプットすることで、初めてその情報を正しく認識することができるのです。

つまり、「気づき」とは、自らアウトプットした情報よる新たな発見であり、コーチはクライアントにより多くの「気づき」を与えるために、相手の視野を広げる質問を行うことによって、内側にある情報を引き出すことが求められます。

では、具体的にどのような質問をすればいいのでしょうか。

結論から申し上げると、質問する内容は、質問の意図や目的によって異なります。

例えば、

  • 相手が抱えている問題点を明らかにする
  • 相手の思いや、考えていることを整理する
  • 目的やゴールを明確にし、目標を設定する

など、質問の意図や目的をはっきりさせてから、それを達成するために必要とされる「気づき」を与えるために、相手の視野を広げる質問を行います。

以下、質問スキルのポイントを5つ挙げておきますので、ご参考にしていただければ幸いです。

質問スキル 5つのポイント

  1. 相手に「気づき」を与えるために、相手の視野を広げる質問を行う
  2. 質問の意図や目的を明確にしてから、それに応じた質問を行う
  3. 「はい・いいえ」で答えられる質問を使って、対話のリズムを作る
  4. 「なぜ・どうやって」を使い、相手の考えを広げる、または深める
  5. 回答を掘り下げて、より細かい質問をすることで具体性を高める

承認スキル

コーチングに必要な3つの基本スキル、3つ目は「承認スキル」です。

承認スキルとは、クライアントに自分の成長を認知してもらうためのスキルです。

「承認」とは「相手のことを認める」という意味ですが、承認スキルとは、コーチがクライアントに現れる日々の違いや変化、成長や成果にいち早く気付き、それらをクライアントに伝えることを指します。

承認スキルを効果的に使うことによって、クライアントは自分の成長を感じることができる他、達成感を得て、モチベーションも上がるというわけです。

承認スキルは、単なる「褒めるスキル」とは異なり、相手の成長や変化に通じる「事実」を、正確かつ具体的に伝えなければなりませんから、コーチはクライアントの発言や態度などを把握するとともに、微細な変化に気づける洞察力が求められます

以下、承認スキルのポイントを5つ挙げておきますので、ご参考にしていただければ幸いです。

承認スキル 5つのポイント

  1. クライアントに現れる変化や違い、成長や成果にいち早く気付く
  2. 相手の成長や変化に通じる「事実」を、正確かつ具体的に伝える
  3. 時には、クライアント自身に成功体験や自らの変化を語ってもらう
  4. 挨拶や話し方など、状態の変化についても具体的事実として伝える
  5. クライアントが目標や達成基準を策定、コーチが達成度を評価する
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コーチングスキルを高めるには

コーチングスキルを高めるにはどうすればいいか?

コーチングスキルを高めるには、コーチングの回数を重ねることも大切ですが、使えば使うほど上達するというものでもありません。

なぜなら、コーチングはクライアントとの信頼関係の上に成り立っているものだからです。

例えば、コーチングを行う際の質問の仕方が上達しても、クライアントとの信頼関係が希薄であれば、クライアントは心をオープンにして本心を語ってはくれません。

つまり、コーチングスキルを高めるには、コーチングのテクニックを磨くと同時に、

「この人なら心から信頼できる」

「この人になら本心を話せる」

と思っていただけるような強固な信頼関係を、数回の対話で構築するスキルも身につける必要があります。

では、数回の対話で信頼関係を築くには、具体的に何をすればいいのか?

信頼関係の基本は「お互いを知ること」です。

お互いを知るには、クライアントから多くの情報を聞き出すとともに、自分の心をオープンにして、何もかもお話しする。

自分のことを知ってもらうには、これまで歩んできた道のりや、成功あるいは失敗談の他、今の仕事を選んだ理由、趣味や特技、週末の過ごし方、好きな映画や本、尊敬する人物や家族構成など、仕事のことに限らず、プライベートなことも包み隠さず伝えます。

お互いのことがわかると親近感や安心感が生まれ、思わぬ共通点を見つけることもできますから、まずは自分からいろんなことを話して、クライアントの警戒心を解きましょう。

心理学では自分の心を開くことを「自己開示」といいますが、自分の心を開くと、相手もそれに応じて心を開いてくれるという「返報性の法則」があります。

つまり、クライアントに心を開いてほしければ、まずは自分の心を開く必要があるということです。

出典:コーチ・エィ(2019)『新版 コーチングの基本』株式会社日本実業出版社.

それともうひとつ、

強固な信頼関係を築くために大切なことがあります。

それは、

コーチが無条件でクライアントを信じること、いや、信じ続けることです。

短期間で構築した信頼関係は、ちょっとしたことで崩れやすいため、

「どんなことがあってもクライアントを信じ続ける!」

という強い決意がなければ、強固な信頼関係を継続することはできません。

「答えは必ずクライアントの中にあって、必ず自分の力で見つけ出すことができる」

そう信じ続けることができれば、コーチングスキルは高まり、その効果を最大限に発揮することができるでしょう。

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まとめ

今回は、

  • コーチングに必要な3つの基本スキル
  • コーチングスキルを高める方法

について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

忘れないように、最後にもう一度、「コーチングに必要な3つの基本スキル」をおさらいしておきましょう。

コーチングに必要な3つの基本スキル

  1. 傾聴スキル:クライアントが伝えたいことを理解するためのスキル
  2. 質問スキル:クライアント新たな「気づき」を与えるためのスキル
  3. 承認スキル:クライアント自身に成長を感じてもらうためのスキル

一人前のコーチになるためには、コーチングスキル以外にもいろんな能力を身につける必要があります。

その能力のひとつに「洞察力」があります。

洞察力とは、端的に言うと「物事の本質を見抜く力」のことです。

クライアントの言葉の裏側にある本音に気づき、クライアントの仕草や行動から本心を言い当てるなど、「見えていない部分」を見抜くためには洞察力が必要とされます。

コーチングを受ける過程で、自分の心の奥底に眠っている、自分でも気づかなかった本心を、目の前にいるコーチに言い当てられることがあれば、ぜひその場で聞いてみて下さい。

「どうして、そんなことがわかるんですか?」と。

その答えから、洞察力を高めるためのヒントが得られることでしょう。

管理職として現場でコーチングを活用する際には、相手の精神状態、相手の成長段階、そして解決したい課題領域を分析する必要があります。

すなわち、コーチングが効果的な方法となるためには、コーチングが機能するタイミングを見出す、という別の力が要求されるのです。

出典:コーチ・エィ(2019)『新版 コーチングの基本』株式会社日本実業出版社.

ということで、今回はこの辺で。

最後までお読みいただきありがとうございました (^.^)

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参考文献:コーチ・エィ(2019)『新版 コーチングの基本』株式会社日本実業出版社.

参考文献:鈴木義幸(2013)『コーチングが人を活かす』株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン.

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