「工場で働く人のことを詳しく知りたい」
「工場現場において、仕事ができる人の特徴とは?」
「工場で働く人々や、工場のお仕事に興味がある」
というあなたに、今回は
- 工場で働く人の特徴とは?
- 工場現場において「仕事ができる人」とは?
という素朴な疑問に対して、自身が印刷工場で働いていた実体験や、14年間、工場で働く人をすぐそばで見続けてきた経験をもとに、わかりやすくお答えいたします。
工場で働く人は頑固で口下手、少々ヤンチャな方や寡黙なタイプが多いと思われがちですが(私の勝手なイメージかもしれませんが)、決してそんなことはありません。
日本全国の工場現場を見てきたわけではないので、一概に「こうだ」とは言えませんし、業種や職種、それぞれの工場現場によって異なるでしょうが、少なくとも私が見てきた工場で働く人々は、良い意味で期待を裏切ってくれました。
それでは早速見ていきましょう。
工場で働く人の特徴とは?
過去に印刷工場で働いていた経験をもとに、「工場で働く人の特徴」をお伝えいたします。
私は14年間勤めた前職のネット印刷で営業として採用されたのですが、会社が成長途上で人手が足りなかっとこともあり、入社して1年くらいは1日の大半を印刷工場でいろんな機械と格闘していました。
その後、転勤で5年ほど東京で過ごし、再び大阪の本社に戻ってマーケティング部に所属していたときも、職場は印刷工場の2階。
扉を開けて廊下に出ると、1階に続く階段の方から印刷機の音が聞こえてくる、そして、階段に近づくにつれてインクの匂いが漂ってくる、そんな場所で働いていました。
加えて、忙しい時期には印刷物の包装や梱包のお手伝いをしたり、印刷に関する情報収集や印刷サンプルを確認するために、1階の印刷現場に足を運ぶことも多々あったため、自分が働いていた印刷工場に限定されますが、工場現場で働く人の特徴は熟知しているつもりです。
業種や職種、職場環境によっても異なるかとは思いますが、以下、私が感じた「工場で働く人の3つの特徴」をご紹介いたします。
工場で働く人の3つの特徴
- 工場で働く人は、真面目で仲が良い
- 工場で働く人は、メリハリがある
- 工場で働く人は、多種多様である
それではひとつずつ詳しく見ていきましょう。
工場で働く人は、真面目で仲が良い
工場で働く人の特徴として、「真面目で仲が良い」ことが挙げられます。
あくまで個人的な印象ではありますが、工場で働く方は、基本的に言葉数が少なく、真面目でコツコツ、目の前の仕事に黙々と取り組む方が多いようです。
黙々と仕事をする姿を見て、最初は近寄り難かったのですが、タイミングを見計らってお声がけすると、手を止めてこちらの話に熱心に耳を傾けてくださり、質問に対しても余計なことは言わず、的確に答えてくれる方ばかりでした。
加えて、お話ししていると柔和でシャイな一面を垣間見ることもあり、そのギャップに驚かされたことを覚えています。
工場で働く方は頑固で実直という、いわゆる「職人気質」の方が多いイメージとは裏腹に、先輩社員は後輩の面倒見が良く、上下関係の風通しは良好。
現場のスタッフ数人で野球チームを結成し、週末に集まって練習や試合を行なっていたことからも、現場のスタッフ同士の「仲の良さ」が伺えます。
工場で働く人は、メリハリがある
工場で働く人の特徴として、「メリハリがある」ことが挙げられます。
工場のお仕事は「オンとオフ」「仕事とプライベート」のメリハリがつけやすいせいか、家族との時間を大切にしている方や、趣味に没頭している方も結構いらっしゃいました。
実際にお子さんの写真を見せてもらったり、子供を寝かしつける際のアドバイスをいただくなど(私も子供がいたので)、現場のスタッフさんと家族の話題で盛り上がることもしばしば。
趣味という面では、ロードバイクやコスプレをされている方もいましたし、私自身も現場のスタッフさんとマラソン大会(大阪マラソン)に参加したり、ゴルフに出かけるなど、何度かご一緒させていただきました。
1日のお仕事が終わって会社から一歩外に出ると、キレイさっぱり仕事のことは一切忘れ、自分が大切にしているものに頭を切り替える…そんな方が多いようです。
工場で働く人は、多種多様である
工場で働く人の特徴として、「多種多様である」ことが挙げられます。
工場で働いている方の種類に関して言うと、印刷機のマシンオペレーターは全て社員さんが行なっていましたが、その他の加工機や包装・梱包作業については、パートさん(大半は女性)やアルバイトさんが多かったように思います。
先に述べた通り、工場のお仕事はオンとオフのメリハリがつけやすく、パートタイマーであれば勤務時間に融通が効く他、急なお休みにも対応している職場が多いため、小さなお子様がいらっしゃる女性の方にとっては働きやすい職場と言えるでしょう。
また、工場で働く人の中には、少数ながら、副業をなさっている方や起業を考えている方もいらっしゃいました。
主に頭を使って考える「著作」や「創作」を副業にしている方や、起業のアイデアを考える方達にとって、昼間は主に「体を使う」工場現場の仕事が最適というわけです。
さらに、会社の規模が大きくなると海外(ベトナム)からの技能実習生を受け入れるようになり、ほんとうにいろんな方が働いていました。
上記のことから、工場現場で働く人は、待遇や勤務時間も違えば、国籍や働く目的もそれぞれ違うため、「多種多様」という表現がぴったりきます。
工場において「仕事ができる人」とは
工場現場において「仕事ができる人」とは、一体どのような人を指すのか?
「仕事ができる人」の定義や捉え方は人によって微妙に異なるかと思いますので、ここでは『「仕事ができる」とはどういうことか?』という本から引用した以下の内容を、「仕事ができる人」と定義いたします。
仕事ができるというのは、僕の考えはごくシンプルで、状況にかかわらず「人に頼りにされる」ということなんじゃないかなと思う。
つまりバイネームで「あ、山口さんだったら大丈夫だ」とか、「もう山口さんじゃなきゃダメなんだ」とか。
この人だったら大丈夫、どうしても必要とされているという状態が人として仕事ができているということです。
(楠木 建 氏のコメントより)
出典:楠木 建 山口 周(2019)『「仕事ができる」とはどういうことか?』株式会社宝島社.
上記の定義を読んで、
「仕事ができる人とは、与えられた仕事を早く、正確にできる人のことを言うのでは?」
という意見もあるかと思います。
確かに、工場現場では、同じ仕事を他の人よりも早く、そして正確にできる人は、狭義において「仕事ができる人」と言えるでしょう。
しかし、
「同じ作業を隣の人の2倍のスピードで正確にこなすことができるのか?」
というと、現実的に難しいのではないでしょうか。
加えて、誤解を恐れず言うならば、工場現場では機械化やIT化が急速に進んでいるため、熟練者から正しいやり方を教わって回数を重ねるうちに、ある程度コツが掴めるようになり、自ずと正確さとスピードは身につきます。
そのため、他者を周回遅れにするくらいの圧倒的なスピードと正確さを兼ね備えている場合は別として、他のスタッフよりもほんの少し早く、正確に作業ができたとしても、「仕事ができる人」とは言えません。
では、あらためて
工場現場において「仕事ができる人」とは、どのような人を指すのか?
ポイントは3つあります。
工場現場において「仕事ができる人」とは
- スタッフの動きや仕事の進行状況を俯瞰的に捉えて、臨機応変に立ち回れる人
- 不測の事態が起きても慌てることなく常に冷静さを保ち、迅速に対応できる人
- 職場環境の改善や業務効率アップに向けて、自分の頭で考えて行動に移せる人
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
臨機応変に動ける人
工場現場において「仕事ができる人」とは、「周りの状況を見て臨機応変に動ける人」です。
スタッフの動きや仕事の進行状況など、周りの状況を俯瞰的に見るためには、自分に余裕がなければ出来ることではありませんから、「仕事ができる人」は必然的に自分の仕事においても、平均以上のスピードや正確さを兼ね備えています。
その上で、周りの状況を見て、
「この状況は一体何を意味するのか?」
と、瞬間的に頭の中で考え、
「このままだと〇〇になってしまう」
と、予測できようものなら、
「今何をすべきか」「次にどうすべきか」
という最適解を見出し、臨機応変に動く。
状況判断が早く、深い洞察力がなければ、なかなかできることではありませんが、「仕事ができる人」とは両方の資質を持っている、そして、常に磨いている人と言えるでしょう。
迅速に対応できる人
工場現場において「仕事ができる人」とは、「不測の事態が起きても迅速に対応できる人」です。
工場現場に限らず、仕事をしていると予期せぬ事件や事故、トラブルは必ず起こります。
そんな時、ほとんどの人は気が動転して問題を上司や先輩に丸投げするか、自分と直接関係がなければただ傍観するばかりで、同じ職場内でおきた出来事(問題や課題)ことであったとしても、率先して解決策を見出そうとはしません。
中には、事件やトラブルの原因の一端を担っているにも関わらず、自分には関係ないことを必死でアピールする方も稀にいらっしゃいます。
しかし、「仕事ができる人」は、職場で起きた出来事を自分ごとのように捉え、事故やトラブルが発生した際も冷静さを失うことなく、根本的な原因がどこにあるのか?を考えて、具体的な解決策を導き出し、迅速に対応することができます。
当然ながら、そのような人は周りのスタッフからの信頼も厚く、
「この職場になくてはならない人」
「この人がいるから安心して仕事ができる」
つまり、
「この人は仕事ができる」と思われています。
考えを行動に移せる人
工場現場において「仕事ができる人」とは、「自分の頭で考えたことを行動に移せる人」です。
与えられた仕事を、教えられた通りに行うことも大切ですが、
- もっとこうすれば上手くできるのでは?
- この順番で行うと、ミスが減るのでは?
- これを使うと、体の負担が軽くなるかも
という具合に、
日頃から現状を改善する意識を持って創意工夫することも、同じかそれ以上に大切なことです。
とりわけ、工場現場において、職場環境の改善や業務効率アップの施策を考えることは、働きやすさの向上や離職率の低下、業績アップや費用対効果アップに直結するため、少しでも良くなるのであれば、どんどんアイデアを出して、先輩や上司に進言するなどして実行に移すべきでしょう。
仮に、あなたが発案した改善策が上司に採用されて、その結果、大きな成果が得られたことを自分の手柄のように話す上司がいたとしても、まったく気にする必要はありません。
あなたのアイデアや行動力はちゃんと周りの人が見ていますし、あえて上司に花を持たせることで、上司のあなたに対する評価は確実に上がります。
上司を動かして自分のアイデアを実現させることができる人は、ほんの一握りしかいません。
そういう意味においては、「仕事ができる人」は自分の頭で考えて行動できる人であるとともに、「人を動かすことができる人」と言えるのかもしれませんね。
まとめ
今回は
- 工場で働く人の特徴とは?
- 工場現場において「仕事ができる人」とは?
という疑問にお答えしましたが、いかがでしたでしょうか。
忘れないように、もう一度おさらいしておきましょう。
工場で働く人の3つの特徴
- 工場で働く人は、真面目で仲が良い
- 工場で働く人は、メリハリがある
- 工場で働く人は、多種多様である
工場現場において「仕事ができる人」とは
- スタッフの動きや仕事の進行状況を俯瞰的に捉えて、臨機応変に立ち回れる人
- 不測の事態が起きても慌てることなく常に冷静さを保ち、迅速に対応できる人
- 職場環境の改善や業務効率アップに向けて、自分の頭で考えて行動に移せる人
会社を辞める理由のトップ3には、
必ずと言っていいほど「人間関係によるストレス」が入ってきます。
- 上司や社長の「仕事のやり方」が受け入れられない
- 先輩や後輩、同僚との関係が悪化した
- 社長がワンマンで、理不尽なことが多すぎる
など、理由はいろいろありますが、
人間関係によるストレスが原因で仕方なく会社を辞める人が後を絶ちません。
工場現場においても、人間関係を理由に退職する人はいますが、その割合は他の職種に比べるとかなり少ないと想像します。
というのも、私が知る限り、
- 立ち仕事や、夜勤がつらい
- 他の仕事に興味が出てきた
- 今以上の収入アップを目指して
という理由で辞めていった人はいましたが、人間関係によるストレスが原因で退職した人はいなかったからです。
というか、営業職や事務職に比べると、工場現場で働く人の方がよっぽどコミュニケーションが円滑で、見るからに仲が良いと感じるのは私だけでしょうか。
もしあなたが、工場のお仕事に興味はあるものの、人間関係を気になさっているのであれば、絶対とは言い切れませんが、さほど心配することはないと思われます。
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ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。^ – ^
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