「工場で働くメリットやデメリットを詳しく知りたい」
「工場のお仕事はスキルが身につかないのでやめたほうがいい?」
「工場で働こうかどうか迷っている…」
というあなたに、今回は
- 工場勤務のメリットとデメリット
- 工場勤務はスキルが身につかない?
というテーマについて、前職の「ネット印刷」において、14年間、印刷工場と隣り合わせで働いていた経験や、実際に印刷現場で働いた経験をもとに考察してまいります。
工場求人に応募するのが初めての方や、工場で働こうと思い始めている方にとって、工場勤務のメリットやデメリットは気になるところです。
まずはじめに、「工場勤務」とひと言で言っても、いろんな業種や職種があり、作業内容や勤務体制も様々、職場環境や福利厚生も千差万別、ひとつとして同じ「工場勤務」はありません。
加えて、工場で働く人についても、年齢や性別はもとより、性格や考え方、健康状態や得手不得手など、1人として同じ従業員はいませんから、「誰にとってもメリットがある工場勤務」もありませんし、「誰もがデメリットに感じる工場勤務」も存在しません。
では、世間一般に言われている「工場勤務のメリットとデメリット」とは一体何なのか?
その正体を突き止めるために、独自の視点から「工場勤務のメリットとデメリット」について考えてみたいと思います。
それでは早速見ていきましょう。
工場勤務のメリットとデメリット
工場勤務のメリットとデメリットについて、わかりやすく解説いたします。
記事の冒頭で申し上げたとおり、工場で働いたことがない方にとって、
「工場勤務はどんなメリット、またはデメリットがあるのか?」
は、かなり気になるところです。
結論から申し上げると、工場勤務のメリットやデメリットは確かにあります。
ただし、工場勤務のメリットやデメリットは、「人によっては逆転することもある」ことを、先に申し上げておかなければなりません。
例えば、工場勤務は「単調な作業が多い」とよく言われます。
「単調な作業が多い」ことは、一般的にはデメリットとして捉えられることが多いようですが、決してそんなことはありません。
数年以上前の話になりますが、私は前職のネット印刷において、繁忙期になると、印刷工場の現場で出荷のお手伝いをするために、仕上がった印刷物をひたすら包装して、ひたすら箱詰めして、ひたすら送り状を貼って出荷する…という単調な作業を何度も経験しました。
ある時、
山のように積み上げられた印刷物を目の前にして、私のとなりで作業しているスタッフさんに、
「毎日たいへんですね~、ほんとうにご苦労様です!」
と、何の気なしに話しかけたところ、
「暇な時よりもいいですよ。時間が経つのも早いですしね。」
とおっしゃってました。さらに、
「帰宅後は頭を使うことが多いので、昼間は脳が疲れない単調な作業の方がいいんです。」
とのこと。
それを耳にした時、
スタッフさんのお話がとても腹落ちしたことを、今でもはっきりと覚えています。
「単調な作業=工場勤務のデメリット」という一般論とは裏腹に、
プライベートで頭(脳)を使うことが多い人、例えば、副業をなさっている方や頭を使う趣味に没頭している人、あるいは起業の準備をしている人にとっては、
「単調な作業=工場勤務のメリット」として受け止められていたのです。
上記の例を踏まえた上で、
以下、5つのテーマについて、工場勤務のメリットとデメリットを解説いたします。
工場勤務のメリットとデメリット
- 夜勤や交替制がある
- モノを相手にする仕事
- 外出する機会が少ない
- 時間やルールに厳しい
- 単調な作業が多い
ちなみに、
工場勤務のメリットやデメリットとして捉えられることが多い以下のテーマについては、それぞれの理由(→)から、ここでは除外しております。
- 残業が多い(or 少ない)→ 工場勤務であっても、業種や会社によって、残業が多いところもあれば、まったくないところもあります。
- 福利厚生が充実している → 工場勤務の付加価値をつけるために福利厚生サービスを充実している会社もありますが、工場勤務(工場で働くこと)とは直接関係がありません。
- 他のお仕事よりも高収入 → 稼げるお仕事もたくさんありますが、仕事内容や勤務時間帯によって大きく異なるため、一概にメリットとは言えません。
- 他業種への転職が難しい → 転職が難しい業種や職種もありますが、それは工場勤務に限ったことではありませんし、工場で働くこととは直接関係がありません。
- 作業場の環境がよくない → 作業内容や会社によって良い作業場もあれば、そうでないところもあるため、「工場勤務=汚い・危険」と断定するのはいかがなものかと…。
それでは、先にご紹介した工場勤務のメリットとデメリットをひとつずつ見ていきましょう。
夜勤や交替制がある
工場勤務のメリットとデメリット、ひとつ目のテーマは「夜勤や交替制がある」です。
厳密に言うと、工場勤務であったとしても、夜勤がない職場もありますし、交替制(シフト制)を採用していない職場もありますが、工場の求人情報を見るとおわかりいただけると思いますが、「夜勤・交替制」というワードが目立ちます。
モノを相手にする仕事
工場勤務のメリットとデメリット、2つ目のテーマは「モノを相手にする仕事」です。
工場勤務は営業や販売のお仕事とは異なり、人を相手にセールスや接客をすることはありません。
たとえ多くの従業員が働く工場現場であったとしても、基本的には1人で黙々と作業することが多く、「従業員同士で会話をするのは食堂や休憩室のみ」という職場もあります。
外出する機会が少ない
工場勤務のメリットとデメリット、3つ目のテーマは「外出する機会が少ない」です。
工場勤務は建物の中で仕事をすることが大半なので、よほどのことがない限り、勤務時間中に外出することは少ない…いや、場合によっては外出する機会はほぼありません。
加えて、工場は資材や製品を運搬する大型トラックの出入りが激しく、機械を動かす際に騒音が出ることもあって郊外に建設されていることが多いため、一歩外に出るとコンビニや飲食店が立ち並んでいるオフィス街とは異なり、お昼の休憩時間にコンビニに行くこともありません…。
その代わりに、社員食堂や休憩室が充実している工場が多く、お手頃な価格でランチが食べれる他、昼食を買いに行く時間も節約できるので、その分、休憩室で体を休めることができます。
時間やルールに厳しい
工場勤務のメリットとデメリット、4つ目のテーマは「時間やルールに厳しい」です。
ほとんどの工場勤務は時間厳守、就業時のルールも厳格に定められています。
具体的には、就業前や就業終わりにベルが鳴り響くこともあれば、作業前に服装をチェックしたり、危険が伴う場所では歩く場所が定められているなど、仕事のメリハリをつけたり、安全性を確保するために、様々な規則やルールを遵守しなければなりません。
単調な作業が多い
工場勤務のメリットとデメリット、5つ目のテーマは「単調な作業が多い」です。
前述したとおり、工場勤務では同じことを繰り返す作業が多く、本人の仕事の捉え方によってメリットとデメリットの差が最も大きく出ます。
工場勤務はスキルが身につかない?
「工場勤務はスキルが身につかないからやめた方がいい」
家族や友人、恋人や先輩など、周りの人からそんな話を耳にしたことがあるかもしれません。
確かに、単調な作業を主とする工場勤務では特別なスキルが必要ないので、当然ながらスキルを身につけることもできません。
工場求人の中には、機械保全技能士(国家資格)や電気工事士(国家資格)、自主保全士など、将来役立つ資格(スキル)を身につけることができる会社もありますが、その数は限られています。
しかし、よくよく考えてみると…
- スキルを身につけるために工場で働くのか?
- 自分は工場でスキルを身につけたいと思っているのか?
- そもそも、スキルを身につけることにどれほどの価値があるのか?
という疑問が頭に思い浮かぶのは、私だけでしょうか。
誤解がないように申し上げておきますが、スキルはないよりあったほうがいい。
これについては間違いありません。
スキルがなければできない仕事もありますし、スキルをとことん極めることで「替えの効かない人材」へと成長することもできるでしょう。
ただし、いずれの場合も働く目的や理由が先にあり、「なりたい自分」や「あるべき姿」がはっきりしていて、そこに到達するために専門のスキルが必要であれば、スキルを習得できる職場を選ぶなり、スキルを身につけるために資格を取得したり、スキルが身につくスクールに通う、というのが正しい順序ではないでしょうか。
それで言うと、「工場勤務はスキルが身につかないから」という理由で、工場で働く選択肢を削除するのは大きな間違いと言わざるを得ません。
それともうひとつ。
スキルを身につけようと思って無理をする、苦労をするのはあまりおすすめできません。
つまるところ、「苦労をする」「無理をする」ということは、そもそも自分には向いていないということであり、苦労や無理をして身につけたスキルは、「せっかく苦労(無理を)して身につけたので…」という思いが強すぎて、「なんとしてもスキルを活かしたい」と考えるようになり、自分の中にある無限の可能性に蓋をしてしまうだけでなく、視野が狭くなる恐れがあります。
対照的に、
- スキルや資格を身につけることが、まったく苦にならない
- スキルを身につけた自分を想像すると、嬉しくて楽しくなる
- 知らないうちに〇〇のスキルが身についていた
という人は、スキルの上達も早く、どこまでもスキルアップすることができます。
結果として、同じスキルを持つ人とは比べ物にならないほどに、「スキルを極める」ことができる。
みなさんはどう思われますか?
スキルのある人は掃いて捨てるほどいます。
「あれができる、これができる」と言っているうちは、まだまだなんですよ。
それができる人、代わりになる人はいっぱいいる。
このレベルだと、極論すればマイナスがないだけでゼロに等しい。
そのゼロの状態からプラスをつくっていくというのが、その人のセンスに強くかかっている。
これが本当に「仕事ができる」ということだと思うんです。
(山口 周 氏のコメントより)
出典:楠木 建 山口 周(2019)『「仕事ができる」とはどういうことか?』株式会社宝島社.
まとめ
今回は
- 工場勤務のメリッとデメリット
- 工場勤務はスキルが身につかない?
というテーマについて考察してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
工場勤務(工場で働くこと)のメリットではありませんが、工場のお仕事は、その他のお仕事に比べて学歴よりも人柄や人間性を重視する傾向があります。
なぜなら、工場求人サイトは一般的な転職サイトとは異なり「書類選考なし」という求人も多く、「友達と一緒に働く」「カップルOK」といった検索条件も存在するからです。
つまり、露骨に「学歴を重視します」とは言っていませんが、
- 書類選考なし → 履歴書(学歴)を見て判断しません
- 友達・カップルOK → 一人でも多くの人に来てほしい
ということなのでしょう。
上記のことから、工場勤務は学歴に自信がない方でも気兼ねなく応募できる他、場合によってはキャリアアップも狙える職場であることがわかります。
私が14年間お世話になったネット印刷においても、私が知る限り、印刷現場のスタッフを採用する際に、学歴を重視している様子はありませんでしたし、印刷現場のスタッフを評価する際も、学歴に関係なく純粋に「仕事ができる人」が評価され、役職についていました。
記事の冒頭で申し上げたとおり、世の中にはいろんな工場勤務があって、1人として同じ人間がいないように、ひとつとして同じ工場勤務はありません。
客観的に見て好条件が揃っている工場勤務であったとしても、それが自分の働き方やライフスタイルに合っているか?性格や価値観に合っているか?は、自分にしかわかりませんし、厳密に言うと、その工場で働いてみなければわからないことも必ずあります。
だからといって、
「とりあえず好条件の工場求人に応募する」
のではなく、
求人情報だけでは見えてこない部分があるからこそ、工場求人を探す、または選ぶときに、まずは自分の考え方や価値観などを自己分析した上で、自分が「求めているもの」と自分が「やりたくないこと」を明らかにして、少しでも自分に合った工場求人に応募する。
そして、求人情報を見てもわからないことや気にあることがあれば、あらかじめ考えておいた質問を先方様に投げかけたり(メモを取ることも忘れずに!)、工場現場を見学して、自分の耳と目で真実を確かめることが大切です。
なお、以下の記事では、おすすめの製造業・工場求人サイトを7つご紹介するとともに、求人サイトの特徴をはじめ、運営会社や応募方法、求人の正しい選び方などをわかりやすく解説しておりますので、自分に合った働き方ができる工場をお探しの方は、ぜひご一読くださいませ。
ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。^ – ^
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