「見込み客を顧客へと育成する方法が知りたい」
「見込み客にアプローチする方法を模索している」
「見込み客を顧客化する仕組みを作りたい」
というあなたに、今回は、
- 見込み客を育成し、顧客へと変える3つの方法
- 見込み客へのアプローチに最適な6つの方法
を解説します。
見込み客を顧客へと育てるためには、まずはじめに
「見込み客にどのような変化を起こせばいいのか?」
を理解することが大切です。
それを理解することなく、アプローチの種類や回数を増やしても、思うように効果は上がりません。
これからご紹介する方法を習得すると、見込み客を顧客へと育てる道筋をつくることができるだけでなく、顧客化の割合を高めることができますから、購買率はもちろん、成約率(クロージング率)が下がっている方は、ぜひ参考になさってください。
それでは早速見ていきましょう。
見込み客を育成する方法
見込み客を育成する方法を解説します。
その前に、「見込み客を育成する」、あるいは「見込み客を教育する」とは、具体的に何を意味するのか確かめておきましょう。
見込み客を育成する目的は、言うまでもなく「顧客化」です。
そして、見込み客にいろんなはたらきかけを行うことで、自社の顧客になっていただく行為を、「見込み客を育成する」「見込み客を教育する」と表現します。
では、見込み客を育成する方法はどういったものがあるのか?
基本的には3つあります。
- 見込み客との接触回数を増やす
- 見込み客への情報提供を続ける
- 見込み客に実物や証拠を見せる
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
見込み客との接触回数を増やす
見込み客を育成する方法、ひとつ目は「見込み客との接触回数を増やす」です。
見込み客との接触回数が増えると、会社やお店、商品やサービスに親しみを感じるようになります。
恋人同士でもそうですが、遠距離恋愛で月1回しか会えない男女と、お互いの家が近い距離にあって、毎週末デートしている男女を比べるとその親密度は歴然。
最近ではSNSやテレビ電話(スカイプやズームなど)もあるため、たとえ遠距離であってもオンラインでコミュニケーションをとることができますが、それを差し引いても、リアルに毎週会える恋人同士の方が親しみは増すでしょう。
ちなみにコミュニケーションツールと親密度の関係については、メールよりも電話、電話よりも直接会う方が強くなると言われています。
営業をなさっている方はすぐにお分かりいただけると思いますが、お客様と信頼関係を築くためには、最も時間と労力を費やす「会いにいく」という行為がいちばん効果的なんですね。
見込み客への情報提供を続ける
見込み客を育成する方法、2つ目は「見込み客への情報提供を続ける」です。
情報を提供し続けることで、見込み客の中で、ウォンツからニーズへと認識が変わります。
そもそも見込み客は自社の商品に少なからず興味があるお客様ですから、心のどこかで「買うべき理由」を無意識に探していると言えなくもありません。
そんな時に商品の便利な使い方を目にしたり、評価が高いユーザーの声や熱く語られた開発ストーリーを読むと、「買わない理由」が頭の中から少しずつ削除され、反対に「買うべき理由」が少しずつ増えて、次第に「買わなければならない」に変わることがあります。
つまり「欲しかった商品」が「自分にとって必要な商品」に変わるというわけです。
皆さんも何度かそんな経験があるのではないでしょうか。


見込み客に実物や証拠を見せる
見込み客を育成する方法、3つ目は「見込み客に実物や証拠を見せる」です。
実物を確認することで不安が払拭され、商品やそれを提供している会社に対して安心感や信頼感が芽生えます。
商品を買う行為は、言わば「価値交換」です。
お客様は自分が差し出す価値(お金)と同等か、それ以上の価値を商品に求めていますから、当然ながら「自分が差し出した価値よりも商品の価値が低かった」という状況を絶対に避けたいと考えます。
商品サンプルや試供品は実際に購入する商品そのものですから、それらを確認するということは「こんなはずじゃなかった…」という失敗を回避できるということに他なりません。
なお商品の中には「使ってみないと分からない」ものもありますから、そのような商品は「無料お試し期間」や「無料体験期間」が用意されていることが多く、これも失敗を回避するための有効な手段となります。
失敗しないことがわかれば安心できますし、商品や会社を信頼して購入できるというわけです。
見込み客へのアプローチ方法
見込み客へのアプローチ方法を6つご紹介します。
見込み客へのアプローチ方法
- 無料お試しセットを送付する
- 無料商品サンプルを送付する
- 小冊子やカタログを配布する
- ニュースレターを発行する
- メールマガジンを配信する
- 初回の無料体験を提供する
見込み客にアプローチする方法はいくつかありますが、商品やサービスによっては適さない方法もありますから、自社の商品に適した方法はどれか?という視点で読み進めていただければと思います。
見込み客にアプローチする時は、1種類の方法だけを行うのではなく、
「どうすればお客様の頭の中から商品を買わない理由を一つでも削除できるか?」
と考えながら、複数の方法を上手に組み合わせて、お客様自らの意思で商品を購入していただけるように、商品の情報をしっかり伝えるよう心がけてください。
その前にひとつだけか注意すべきことというか、見込み客にアプローチする上で最も大切な考え方をお伝えしておきます。
その考え方とは、
「見込み客にアプローチする行為は、お客様に商品を買わせようとする行為ではない」
ということです。
あくまでも商品の購入を決めるのはお客様であって、見込み客にアプローチする際は自社商品の魅力を伝えることに徹して、迷っている見込み客の背中をそっと押すだけに止めるということを、肝に銘じておく必要があります。
商品を買って欲しい気持ちは痛いほど理解できますが、誇張した表現を使って商品を良く見せて、自社の商品を必要としていない人にまで売ってしまうと、
「こんなはずじゃなかった…」
「説明と違うじゃないか!」
とお客様の期待を大きく裏切ってしまうことになりかねません。
それだけに止まらず、期待を裏切られたお客様から悪い評判が広がったり、商品を提供している会社に非難の声が寄せられたり、場合によってはそれらマイナスの情報がネット上で拡散されたり、世間を騒がすほどの大きなクレームに発展することも考えられます。
そんなことにならないように、あくまでもありのままの商品の特徴や魅力、ベネフィットをしっかり伝えて、自社の商品にご満足いただける見込み客だけに、商品を販売するよう心がけてください。
あなたが販売する商品を必要としている人は、必ずいらっしゃいます。
ただそのような人と出会うのが難しいだけです。
それではひとつずつ見ていきましょう。
無料お試しセットを送付する
見込み客へのアプローチ方法、ひとつ目は「無料お試しセットを送付する」です。
通信販売で健康食品やサプリメントを販売している会社のほとんどが、この方法を採用しています。
例えば、
「まずは1週間分のセットを無料でお送りいたします」
と声高に言った後、さらに
「今回は特別に2セット!2週間分をお送りします」
と畳み掛けるようにお得感を出すと、
見ている人は
「2週間も無料で試せるなら飲んでみようかな」
となるわけです。
無料で試せること自体、何のリスクもありませんからついつい取り寄せちゃいますよね…。
私も何度か請求しそうになった経験がありますから、その気持ちはよく分かります。
その後の流れは説明不要と言われそうですが、念のためにお伝えしますと、
届いたサプリメントを2週間飲み続けると一定の割合で
「なんか調子よくなってきた!?」
「もっと効果が出るまで続けたい!」
という人が現れてそのままご購入…となるわけですね。
あるいはサプリメントを飲む行為が習慣になってしまう人もいらっしゃいます。
見込み客は「無料で試せる」というメリットがありますし、サプリメントを販売している会社もライフタイムバリュー(LTV:ひとりのお客様が生涯を通じてもたらす利益)を計算した上で、
「これくらいであれば無料でお試しいただいても後で利益を回収できる」
という損益分岐点を確認した上で行っていますから、マイナスになることはありません。
「原価が安い」「利益率が高い」「継続的にご購入いただける」という商品を扱っている場合は特にオススメの方法です。
無料商品サンプルを送付する
見込み客へのアプローチ方法、2つ目は「無料商品サンプルを送付する」です。
前職のネット印刷はこの方法で見込み客にアプローチしていました。
印刷サービスは、基本的にお客様からお預かりした印刷データを元に、ご指定いただいた用紙に印刷して(チラシやパンフレットに仕上げて)お届けするサービスですから、全ての商品がオーダーメイドとなります。
オーダーメイド商品は、当然ながら完成品を見ることができません。
そのためユーザーは
「印刷の品質に問題はないか?」
「どんな用紙があるのか?」
「どんな印刷物が作れるのか?」
など、仕上がりの不安を払拭するために前もって確かめたいことが山ほど出てきます。
そんなユーザーの不安や疑問を解消することはできないか?と考えた結果、私が中心となって、印刷色と用紙を確かめることができる「紙の見本帳」や、商品のサンプル(実物のチラシやパンフレット、名刺やポストカードなど)を無料で送付するサービスを開始しました。
その結果は…私の予想をはるかに超えて大好評!
お送りしたお客様から感謝のお言葉を頂戴することも多々あり、自社の魅力を正確に伝えるツールとして、自社にとって最も強力かつ必要不可欠な「見込み客をフォローする方法」として定着しました。
当初、無料サンプルセットの内容はすべて私が考案。
「サンプルセットが受注の決め手になる」
と確信していた私は、USPやベネフィットを意識して、他社のサンプルセットとは一味も二味も違う個性的な内容としていました。
内容が個性的すぎたのか、社内からはいろいろなご意見やご指摘をいただくこともあり、その度に「サンプルセットのあり方」や「サンプルセットの役割」を考えさせられたものです。
その後、無料サンプルセットの内容は年々バージョンアップされ、結果として毎月コンスタントに数百件のお客様からご請求をいただくようになり、サンプルセットの内容をSNSで拡散してくれるお客様もいらっしゃるなど、会社のブランディングにも大きく貢献できました。
小冊子やカタログを配布する
見込み客へのアプローチ方法、3つ目は「小冊子やカタログを配布する」です。
最近ではホームページがその代わりとなって、商品カタログや小冊子を配布している会社やお店は徐々に減っていますが、個人的には依然として見込み客をフォローする有効な手段と感じています。
なぜなら私自身がカタログや小冊子をきっかけにして、実際に商品を購入したケースが何度もあるからです。
みなさんも一度や二度は経験があるかと思いますが、
家電量販店で、気になる商品のカタログを片っ端から持ち帰ったことはありませんか?
無印良品で、家具や生活雑貨のカタログだけもらって帰ったことはありませんか?
アウトドアショップで、商品のカタログをメーカーごとに持ち帰ったことはありませんか?(これは少数かな)
おそらく、
「ある」
「あります」
「あるかも」
「あるに決まってるだろ!」
という回答が大半かと思います。
では、そのカタログを見ているうちに、
掲載されている商品を実際に買ってしまったという経験は?
こちらに関しても、おそらく
「ある」
「あります」
「あるかも」
「あるに決まってるじゃありませんか」
という回答が大半…ではないかもしれませんが、そこそこあるかと思います。
小冊子やカタログを作るためにはそれなりに時間もコストもかかりますし、おまけに費用対効果を計測することは難しく、現在はインターネットの普及によって制作しない会社やお店が増えていることも事実です。
しかし、「だからこそ作って配布する」という考え方もアリではないでしょうか。
我が家の自宅のトイレに設置しているマガジンラックには、家具や生活雑貨を販売しているディノスやベルメゾン、アウトドア用品のモンベル、自動車メーカーのHONDAなどが発行している小冊子やカタログが常に置かれています。
そして、やや時間を要する時にそれらを読んでは、「これ欲しいな~」「これ便利そう」などとトイレ内ウインドーショッピングを楽しんでいます。(そしてたまに買います)
ニュースレターを発行する
見込み客へのアプローチ方法、4つ目は「無料お試しセットを送付する」です。
小売店やサービス業を営んでいる方に、ぜひお試しいただきたいのがニュースレターです。
ニュースレターは見込み客のフォローだけに限らず、既存のお客様とのコミュニケーションツールとしても重宝しますから、まだ作ったことがないという方は、ぜひチャレンジしてみることをオススメします。
ニュースレターに記載する内容としましては、
- 新商品や新サービスのお知らせ
- 商品開発する際に苦労したことや工夫したこと
- 他社との差別化を図る自社独自の強み
- ユーザーの声やスタッフの声
- 社員の趣味や特技
- プライベートショット(写真)
- 定休日のお知らせやスタッフのお休み
など、自社に関係することであれば何でもかまいません。
目的はあくまで商品や会社に対して親しみやすさ感じていただくことですから、できるだけ売り込みの要素を排除して、
「お客様の興味を掻き立てる読み物」
「お店や商品のことを伝える情報伝達ツール」
「社員の人柄を伝えるコミュニケーションツール」
を意識して作ることがポイントです。
メールマガジンを配信する
見込み客へのアプローチ方法、5つ目は「メールマガジンを配信する」です。
ECサイトやWebサイトを通じて商品やサービスを提供している場合は、ぜひメールマガジンをにチャレンジしてください
原稿を考える大変さはありますが、慣れてくるとさほど苦にはなりませんし、ニュースレターに比べると印刷代もかかりませんから、費用対効果も比較的高いと言えます。
ただし多くの会社やお店が既に行っていますから、定期購読していただくためには
- 割引クーポンをつける
- 抽選でプレゼントを贈る
- 限定イベントを告知する
- 先行販売や先行予約をお知らせする
といった具体的なメリットがなければ、実際のところはメールマガジンの定期購読をご登録いただくことは難しいでしょう。
私もメルマガの登録は数社のみで、大半は「メールを受け取らない」にチェックを入れています。
メールマガジンの配信を検討する際は、
- 自分だったらどんなメールマガジンを購読するか?
- 見込み客がぜひ読みたい!と思えるメールマガジンはどんな内容か?
- 自分が購読しているメールマガジンを登録した最も大きな理由は何か?
などをヒントに、見込み客がお金お払ってでも読みたくなる!?ような内容をぜひ考えてみてください。
初回の無料体験を提供する
見込み客へのアプローチ方法、最後は「初回の無料体験を提供する」です。
インターネットからダウンロードできるサービスは、そのほとんど「無料体験版」を提供しています。
と言うか、この方法がスタンダードになっていますね。
塾や習い事、スポーツクラブやスポーツチームを運営している場合も、当たり前のように「無料体験レッスン」を開催しています。
月額利用料や月謝を支払う場合もそうですが、個々の商品ごとに購入金額を支払うのではなく、一定の期間に何度でも利用できる「利用権」として料金を支払うサブスクリプション方式をとっている商品やサービスも、無料体験(期間)を設けていることがほとんどです。
無料体験の期間や回数を決めるときは、無料お試しセットの記事で触れた「ライフタイムバリュー(LTV:ひとりのお客様が生涯を通じてもたらす利益)」と成約率をあらかじめ計算した上で、無料にする期間や回数、人数などを決定すると良いでしょう。
まとめ
今回は、
- 見込み客を育成し、顧客へと変える3つの方法
- 見込み客へのアプローチに最適な6つの方法
について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
忘れないように、もう一度おさらいしておきましょう。
見込み客を育成する方法
- 見込み客との接触回数を増やす
- 見込み客への情報提供を続ける
- 見込み客に実物や証拠を見せる
見込み客へのアプローチ方法
- 無料お試しセットを送付する
- 無料商品サンプルを送付する
- 小冊子やカタログを配布する
- ニュースレターを発行する
- メールマガジンを配信する
- 初回の無料体験を提供する
見込み客をフォローする方法は、上記の他にもいろいろありますが、代表的なものは先に挙げた6種類に絞られます。
まずはこれらの方法のうち、自社の商品に適したものを何かひとつでも実践していただき、慣れてきたらいくつかの方法を組み合わせて見込み客にアプローチして、成約率アップを目指してください。
複数のアプローチ方法を組み合わせる際は、「どれを選ぶか?」も大切ですが、
どのアプローチ方法を、どの順番でフォローするか?
も同じくらい大切ですから、見込み客にとって抵抗が少ない方法から順にアプローチして、見込み客の中にある「買わない理由」をひとつずつ削除していきましょう。
その上で、それぞれの方法をさらにバージョンアップしていけば、成約率は必ず上がります。
もちろん私も応援しております!
最後にもうひとつ。
- 少人数かつ低予算で「売れる仕組み」を作りたい
- Web媒体を活用した集客や販売を強化したい
- Webマーケティングの知識やスキルを身につけたい
という方に、おすすめの「Webマーケティングスクール・講座」をご紹介いたします。
ビジネスの現場で通用する「実務レベルのWebマーケティング力」を独学で身につけるには、多くの関連書籍を読んで、実際に手を動かしながら、トライアンドエラーを何度となく繰り返すことになります。(私自身がそうであったように…)
その点、Webマーケティングスクールでは座学と実務をバランスよく取り入れた実践的なカリキュラムをこなすことによって、効率良くWebマーケティング学べるだけでなく、わからないことがあっても現役Webマーケターが疑問や質問に答えてくれるので安心です。
以下の記事では、
- Webマーケター志望の大学生や、キャリアアップを目指す社会人を対象としたスクールを9つ
- 社内Webマーケターを目指す方や、販売責任者・Web担当者を対象としたスクールを7つ
計16個のWebマーケティングスクール・講座をご紹介するとともに、各スクール(講座)の特徴や自分に合ったスクール(講座)の選び方をわかりやすく解説しておりますので、少しでもご興味がある方は是非チェックしてみてくださいね。
ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただき、ほんとうにありがとうございました (^.^)