「お客様の声をチラシやホームページに掲載すると、どんな効果が期待できる?」
「お客様の声を集めることで得られる、具体的なメリットは何か?」
というあなたに、今回は、
お客様の声がもたらす具体的な効果やメリットを5つ、どこよりもわかりやすく解説いたします。
この記事をお読みいただくと、お客様の声を集める目的や必要性が理解できる他、
- お客様の声をどのように集めるか?
- お客様の声をどのように掲載するか?
- お客様の声をどのように活用するか?
を考える上で、いろんな「気づき」が得られることをお約束いたします。
それでは早速見ていきましょう。
お客様の声がもたらす効果やメリット
お客様の声がもたらす効果やメリットは、主に5つあります。
お客様の声がもたらす効果やメリット
- お客様の疑問を解消してくれる
- 自社に適したお客様を選別する
- お客様に安心感や信頼感を与える
- 従業員のモチベーションを上げる
- 改善点や問題点を示してくれる
ホームページやチラシ、商品のランディングページや社内報など、社内外を問わず、お客様の声をいろんな場所で公開することによって、上記の効果やメリットが生まれます。
それでは、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
お客様の疑問を解消してくれる
お客様の声がもたらす効果やメリット、ひとつ目は「お客様の疑問を解消してくれる」です。
既存顧客の声は、これから商品を購入する人が抱いている疑問を解消し、気になっていることにピンポイントで答えてくれます。
つい最近の話ですが、1年ほど使っていた愛犬(柴犬)のレインコートが傷んできたので、新調しようと思い、例の如くAmazonさんで物色。
いくつか気になるものがあり、どれにしようか悩んでいました。
犬のレインコートは主に「首回り・胴回り・背の長さ」によってサイズが決まります。
その他にも
- 着せやすく脱がせやすいか?
- 散歩中にズレてこないか?
- ちゃんと水を弾くか?
- おしっこやうんちがしやすいか?
など、確かめたいポイントがいくつかあります。
上記のポイントが商品説明に記載されていれば問題ないのですが、犬種によって足の長さや胴の長さ、尻尾の長さや体型も全て異なるので、「犬種によっては体型に合わない場合がございます」といった注意書きはあっても、犬種ごとのサイズ感を掲載している会社は見当たりません。
「まあそりゃそうだわな…」
とは思うものの、せっかく購入した新品のレインコートが使えない…となると、そこそこショックなので、何とかして気になっているポイントを事前に確かめたいと思い、今度は各商品のレビューを覗いてみることにしました。
そうすると、予想通りありました。
いろんな情報が。
「体重10kgの柴犬ですが、Sサイズでぴったりでした」
「お散歩中もズレることなく、おしっこやうんちも普通に行っています」
「脱がせる時にちょっとコツがいります」
など、柴犬の飼い主さんがレビューを投稿しているではありませんか。
気になることが全て解消できたわけではありませんが、貴重なレビューのおかげで
「これなら問題ないかな」
と思えるくらいに、事前に確かめることができました。
もしレビュー(お客様の声)がなければ、その商品をポチっていたかどうか(購入していたかどうか)はわかりませんが、少なくとも購入する前に確かめたいと思っていた疑問を解消してくれたことだけは間違いありません。
この記事を読んでいるみなさまも、
「お客様の声を読んだら気になっていたことが解消された」
という経験が何度かあるのでは?
自社に適したお客様を選別する
お客様の声がもたらす効果やメリット、2つ目は「お客様の疑問を解消してくれる」です。
お客様の声は、自社の商品やサービスに適さないお客様を除外する役割を果たしてくれます。
商品やサービスはお客様が望んでいることを全て叶えられるわけではありませんし、お客様の不安や悩みを全て解消できるわけでもありません。
お客様が商品やサービスに求めているものと、自社が提供する商品やサービスとの間には大なり小なり「溝」があります。
その「溝」が完璧に埋まることはないにしても、お客様が許容できる範囲であれば、購入後に後悔することは少なく、差し出したお金との価値交換に納得できるのではないでしょうか。
対照的に、その「溝」が思っていたよりも深く、自社の商品やサービスに適さないお客様が購入、または利用してしまった場合、双方にとって良いことは何ひとつありません。
あえて「できないこと」「やらないこと」「苦手なこと」を記載して、自社の商品やサービスに適さないお客様を前もって除外する方法もありますが、お客様の数が減ってしまうことに対する懸念から、実際に記載しているケースは少ないように思います。
多くの企業は商品やサービスをプロモーションするとき、他社との差別化を図る自社独自の強みとなる「USP」や、商品を購入することで得られるメリットである「ベネフィット」を強調しますから、それらの情報だけを見て商品を選んだお客様の中には
「イメージしていたものと違う」
「当然〇〇だと思っていた」
という方も稀にいらっしゃいます。
ではそのような「悲劇」を少しでも減らすためにはどうすればいいのでしょうか?
そんな時に有効なのが「酷評されたレビュー」、
つまり
「自社にとって耳が痛くなるような既存顧客の声」
というわけです。
商品やサービスにご満足いただけなかった方のお声は、
「何がどう気に入らなかったのか?」
「どの部分が自分には合わなかったのか?」
「ここさえ改善してくれれば星5つなのに」
など、その理由が具体的かつ詳細に書かれていることが多く、これから商品を購入する人にとってみれば、それらの声を参考に許容範囲を見定めることができます。
不思議なことに、商品やサービスの良くないところを指摘している「お客様の声」を読む時、まだ購入していない段階では冷静に受け止めることができます。
レビューを書いている人にとっては「絶対にあり得ない!」ことであっても、商品をまだ検討しているお客様とっては「別に気にすることないかな」というケースは往々にしてあります。
たとえ商品やサービスを酷評するレビューが並んでいたとしても、その内容が許容できるものであればさほど気にはなりません。
反対に、酷評されたレビューを読んで、
「けしからん!」
「やっぱり買うのやめようかな」
と思う人は、そもそも自社の商品やサービスに適さない人であり、それこそ先に述べたような悲劇を未然に防ぐことができます。
お客様の声を掲載する立場からすると、自社の商品やサービスを酷評しているコメントはできるだけ掲載したくないと思ってしまいがちですが、悲劇を少しでも減らせるように、どのようなお声であってもありのまま掲載することをオススメいたします。
お客様に安心感や信頼感を与える
お客様の声がもたらす効果やメリット、3つ目は「お客様に安心感や信頼感を与える」です。
お客様の声が多ければ多いほど、内容が充実していればしているほど、購入を迷っているお客様に安心感や信頼感を与えてくれます。
商品は実際に使ってみるまでわかりません。
サービスも自分にとってほんとうに必要なものか?は、利用するまでわかりません。
何の迷いもなく商品を購入するお客様もいらっしゃいますが、お金を払って購入や利用を決めるときは、誰しも少なからず
「エイヤー!」「買っちゃおう!」「利用してみるか!」
といった「思い切り」が必要です。(掛け声はご自由に)
一方で、世の中には自分一人では決められない方がいることも事実。
心の中ではほぼ決まっているのだけれど
「自分で最後の決断ができない」
「誰かに背中を押してほしい」
という方、あなたの周りにも一人や二人はいるのではないでしょうか。
特にテレビやパソコン、冷蔵庫や洗濯機、家や車など、購入金額が高くなるほどその傾向が強く表れるようです。
ちなみに私はそのようなことは一切なく、事前に設定した金額の範囲内であれば、自分の直感を信じて購入を決定します。
なので、
愛犬選びは目があった瞬間に決めましたし、
車はひと目見て即決しましたし、
家は2日で購入を決めました。
(迷っている時間がもったいないと思っちゃうんですね)
そんな私でもお客様の声が多ければ安心できますし、詳細に語り尽くされた良質なレビューを読むと商品に対する信頼度は大幅にアップします。
Amazonの例えばかりで申し訳ないのですが、Amazonのマーケットプレイスで古本を購入する時、本のレビューとは別に出品者の評価(フィードバック)を確認できることをご存知でしょうか。
内容的には
「ありがとうございました」
「良い買い物ができました」
「迅速な対応をしていただきました」
など、ありきたりなものがほとんどなので、個々のフィードバックに目を通すことはほとんどありませんが、フィードバックの数や肯定的なフィードバック数の推移は参考にしています。
フィードバックの数が多ければそれだけ利用者も多いということですからある程度安心できますし、全体の評価が多少悪くても、過去数ヶ月の評価が良ければ(ほぼ肯定的であれば)、徐々に改善されていると判断して購入を決めることもあります。
これらの施策も、お客様の声(フィードバック)を効果的に使った「安心や信頼を得る方法」と言えるでしょう。
従業員のモチベーションを上げる
お客様の声がもたらす効果やメリット、4つ目は「従業員のモチベーションを上げる」です。
お客様の声は従業員のやる気を引き出し、モチベーションアップに効果を発揮します。
私が以前に働いていたネット印刷では、毎年決まった時期にお客様アンケートを実施していました。
集まった「お客様の声」は可能な限りWebサイトに掲載して、お客様や事務所のスタッフに見ていただけるようにしていたのですが、印刷現場のスタッフはフロアが異なるため、なかなか目にする機会がありませんでした。
そこで、「印刷現場のスタッフにも見ていただけるように」と、お客様の声を小冊子にまとめ、休憩室や喫煙所、食堂にも設置したところ、数人の現場社員から
「仕事の励みになる」
「モチベーションが上がる」
という感想をいただきました。
私に直接声をかけてくれたのは、仲のいい数人の現場社員でしたが、喫煙所や食堂で小冊子をパラパラめくるスタッフの姿を何度も見かけましたし、それを話題にしているスタッフもおりましたので、おそらくほとんどのスタッフが目を通してくれていたのだと思います。
お客様と直接お会いしたり、お話ししたりする機会に恵まれている営業社員は、お客様の口から直に感謝のお言葉をいただくことも少なくありません。
しかし、日頃お客様と接することのない、受付やカスタマーを除く事務所のスタッフや、朝から夕方までひたすら印刷機や加工機と格闘している製造現場のスタッフは、お客様の姿を見ることもなければ声を聞くこともありません。
「自分の仕事が誰かの役に立っていて、『ありがとう』と声をかけてくれるお客様がいる」
それを知るだけで、
「いつもより頑張れる」「やる気が出る」「モチベーションが上がる」
そして、
「明日も頑張ろう!」
と思えます。
なぜなら人間は感謝の言葉をかけられたら素直に嬉しいものですし、世の中の役に立つことで少なからず喜びを感じる生き物だからです。
自分の仕事がどこかで誰かの役に立っていることは、何となく想像できるかもしれませんが、それを実際に目で見ない限り、耳で聞かない限り、そのことをいつしか忘れてしまいます。
お客様の声はそれを思い出させてくれる「きっかけ」となり、スタッフのやる気に再び火を灯してくれる極めて効果的な手段と言えるでしょう。
機械やシステムは元々備わっているスペック以上のことはできませんが、人間は気持ちの持ち方次第で、そのパフォーマンスが下がることもあれば、上がることもあることを忘れてはなりません。
改善点や問題点を示してくれる
お客様の声がもたらす効果やメリット、最後は「改善点や問題点を示してくれる」です。
既存顧客の声は商品やサービスの改善点を示すだけでなく、私たちに次なる課題を与えてくれます。
お客様は自分勝手でわがままな一面もありますが、自分たちが決して気づかないような改善点をさらっと指摘してくれたり、
「こんな機能があればいい」
「こんなものがあれば今すぐ買う」
といった、かなり具体的な要望を口にすることもあります。
それらをどのように取捨選別するかは受け止め方次第ですが、商品の目的やターゲットの軸がブレることがなければ、コンセプトから大きく外れていなければ、できることからすぐに改善すべきでしょう。
では商品の目的やコンセプトとは異なる指摘を頂戴した時はどうすればいいか?
そこに何らかの需要があると判断した場合は、それは新たな商品やサービスを開発するきっかけになりますから、次の商品開発のアイデアとして大切に取っておいてください。
なぜならそのことを私が身をもって経験し、幸運にも大きな成果をあげることができたからです。
私が前職のネット印刷で働いていた頃、とある印刷商品に関して
「デザインされたテンプレートが欲しい」
とお客様からお声を頂戴したのですが、あいにく自分が所属していた部署にはテンプレートを作るグラフィックデザイナーがいなかったので、お客様にその旨を伝え、丁重にお断りしていました。
ただ個人的には以前からデザインテンプレートに大きな可能性を感じていたので、お客様の声によって「予感」が「確信」に変わり、自分の中でそのアイデアを温めておくことにしたのです。
それから数年後、温めていたアイデアは現実のものとなって新たなサービスが誕生します。
が、話はここで終わりません。
そのサービスを利用するお客様は年々増え続け、最終的には自社のWebサイトで最も新規ユーザーを呼び込むページへと進化を遂げて、まさに「集客の柱」と言えるようなサービスに成長することになります。(現在は定かではありませんが)
上記は自身の経験ですが、実際にそのようなことは他の会社様でも起こり得ます。
お客様の声をどのように活かすか?
について、ひとつアドバイスをするならば、お客様からのお声が多いご指摘は、言い換えると、多くの人が思いつくことであり、それを改善しても劇的な変化は起こりません。
そのようなご指摘をいただけるということは、自社に期待していただいているという表れですから、たいへん嬉しく喜ばしいことですし、そのお気持ちも十分わかるのですが、残念ながら多くのお客様からご指摘いただく内容は、既に他社が行なっているものが大半です。(おそらく他社のそれを見て、「御社もぜひ!」というご指摘なのでしょう。)
それよりも、たった一人からのご指摘であったとしても
「言われてみれば…確かにそうかも…」
「この指摘、なかなか鋭いよね」
「これは完全に盲点だった」
と感じるようなお客様の声を拾い上げて、商品の改善や次の商品開発につなげる方が、他社と差別化できる斬新な商品やサービスが生まれる可能性は高いでしょう。
まとめ
今回は「お客様の声がもたらす効果やメリット」を解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
忘れないように、最後にもう一度おさらいしておきましょう。
お客様の声がもたらす効果やメリット
- お客様の疑問を解消してくれる
- 自社に適したお客様を選別する
- お客様に安心感や信頼感を与える
- 従業員のモチベーションを上げる
- 改善点や問題点を示してくれる
お客様の声を集めることで得られる効果やメリットが理解できると、
「顧客の声をどのようにマーケティング活動に活かせるか?」
「顧客の声をどんな方法で集め、どんなふうに掲載するのか?」
を自然と意識するようになりますから、単に Webサイトやチラシにお客様の声を掲載している同業他社と比べると、その差は歴然。
お客様の声を、今まで以上に効果的に活用できるようになりますから、経費をかけて広告宣伝をするよりも、商品をリニューアルするよりも、大きな成果を上げることができるかもしれません。
ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。^ – ^
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