「転職活動は何から始めるべきか?」
「転職活動でやってはいけないことは何?」
「転職活動の始め方が知りたい」
というあなたに、今回は
- 転職活動を本格的にスタートする前に「まずやること」
- 転職活動を行うとき、「絶対にやってはいけないこと」
について、わかりやすく解説いたします。
転職活動を「単なる仕事探し」と捉えるか?それとも、これまでの人生を振り返って「新たな人生をスタートさせるための準備期間」と捉えるか?
本記事でご紹介する内容は、「転職活動を少しでも有意義な時間にしたい…」とお考えの方に向けて書いた内容です。
もしあなたが、転職活動をきっかけにして、あらためて自分を見つめ直し、「自分の活かし方」や「自分の楽しませ方」を本気で考えようとするならば、この後ご紹介する内容はきっとお役に立てると思います。
それでは早速みていきましょう。
転職活動でまずやること
転職活動を本格的にスタートする前に「まずやること」について解説いたします。
転職のスケジュールを立てる前に、転職サイトでお仕事を探す前に、履歴書や職務経歴書を作成する前に、必ずやるべきことが4つあります。
転職活動でまずやること 4つのステップ
- 転職したいと思った理由を明らかにする
- 自己分析を通じて今の自分を再確認する
- 転職した先にある未来予想図を思い描く
- 自分が楽しく働ける仕事をイメージする
上記「転職活動でまずやること」は、「なぜ転職するのか?」を明確にする作業であり、転職活動の軸を決める大切なプロセスです。
上記4つのステップを踏むことなく転職活動をスタートさせてしまうと、
- 何を基準に求人を選んでいいかわからなくなる
- 必要書類を作成する際、志望動機がうまく書けない
- 面接時に質問されたとき、言葉に詰まってしまう
- せっかく内定をもらっても、入社の決断ができない
など、
転職活動をスムーズに進めることができなくなるだけでなく、転職活動の長期化につながる恐れがあります。
そんなことにならないように、転職を考えている方、とりわけ、初めて転職活動をする方は、少々面倒かもしれませんが、上記のステップを踏むことによって、満を辞して転職活動をスタートしていただければと思います。
それでは、「転職活動でまずやること」を順番に見ていきましょう。
転職したいと思った理由を明らかにする
転職活動でまずやること、最初のステップは「転職したいと思った理由を明らかにする」です。
転職したいと思った理由は、次の転職先を探す上で重視すべきポイントと直結しますから、転職活動をスタートする前に明らかにしておく必要があります。
例えば、
「転職したいと思った理由 → 転職先を探す際に重視すべきポイント」
という図式に当てはめると、
- 人間関係によるストレスが増大した → どんな職場環境が向いているか?
- 仕事に対するやりがいを見失った → どんな仕事にやりがいを感じるか?
- 今の職場では成長できないと感じた → 自分が成長できる仕事や職場は?
- 考え方や価値観が大きく変化した → 自分が共感できる会社の理念とは?
- 社長の考え方についていけなくなった → どんな社長の下で働きたいか?
となります。
加えて、転職しようと思った理由は、採用面接のときに必ずと言っていいほど質問されますから、ただ明らかにするだけでなく、即答できるように言語化しておくとよいでしょう。
自己分析を通じて今の自分を再確認する
転職活動でまずやること、次のステップは「自己分析を通じて今の自分を再確認する」です。
自分に合ったお仕事や職場を探すためには、まず「自分がどんな人間か?」を知ることから始めなければなりません。
- できること、できないこと
- やりたいこと、やりたくないこと
- 好きなこと、嫌いなこと
- 得意なこと、苦手なこと
- 自分の性格、価値観や考え方
はもちろん、これまでの仕事や人生経験を通じて、
- 身につけたスキル
- 築き上げた実績
- やり遂げたこと
についても、どんな小さなことでも構わないので具体的に書き出しましょう。
自分のことがわかればわかるほど、自分という人間がどんな場所なら活躍できるのか?がわかってきますし、自分が足りない部分も自ずと見えてきます。
なお、自己分析の具体的なやり方については、転職サイトの無料診断ツールがおすすめです。
具体的には、以下の記事でご紹介している大手の転職サイト【リクナビNEXT】の「グッドポイント診断」や、【doda(デューダ)】の「自己PR発掘診断」「転職タイプ診断」など、複数の診断テストを活用して、いろんな角度から自己分析するとよいでしょう。
転職した先にある未来予想図を思い描く
転職活動でまずやること、3つ目のステップは「転職した先にある未来予想図を思い描く」です。
当面の目的は次の転職先を見つけることですが、人生という長いスパンで考えた時、転職は自己実現のひとつの手段であり、通過点でしかありません。
そのため、
- 将来なりたい姿や、ありたい姿は?
- 自分に合った生き方や、働き方は?
- 人生をかけて成し遂げたいことは?
- 何のために、誰のために働くのか?
といった「転職の先にある未来予想図」を、
転職活動をスタートさせる前に思い描く必要があります。
ぼんやりしたイメージでも構わないので、ほんの少しでも未来予想図を描くことができれば、今後のキャリアプランを立てやすくなるため、求人を探すときも目先の好条件に惑わされることなく、将来を見据えた選択ができるようになります。
- 自分でも何がやりたいかわからない…
- 将来のイメージが描けない…
- どんなキャリアプランを立てるべきか…
と思い悩んで、「なかなか先に進めない…」という方は、具体的なキャリア設計ができるように支援するサービス「キャリアコーチング」を利用してみるといいでしょう。
有料のサービスとなりますが、無料相談も実施しているので、
「早く迷いを断ち切りたい」
「プロに相談したい」
という方は、
正式に申し込むかどうかは別にして、まずは無料で相談してみることをおすすめします。
自分が楽しく働ける仕事をイメージする
転職活動でまずやること、最後のステップは「自分が楽しく働ける仕事をイメージする」です。
仕事に限らず、どんなことでもそうですが、楽しくなければ長続きしません。
とはいうものの、「趣味」ではなく「仕事」なので、出勤してから退社するまでずーっと楽しい…ということはありませんから、少々嫌なことや辛いことがあっても、「仕事を楽しむ姿勢」や「楽しいと思える仕事」があれば続けられます。
では、仕事において「楽しい」とは、どういう状態を指すのか?
人によって性格や価値観、考え方や感じ方が異なるので、一概には言えませんが、
- 自分の意見や考えが尊重されて、自分の強みを活かせる状態
- ストレスを感じることなく、目の前の仕事に集中できる状態
- 自分の仕事が認められて、お客様や取引先に感謝される状態
- 知識の習得やスキルアップ、人間的な成長を感じられる状態
などがあります。
対照的に、
- 自分の意見すら聞いてもらえない、自分の強みが活かせない状態
- 仕事や職場でストレスを感じる、目の前の仕事に集中できない状態
- 自分の仕事が認められない、お客様や取引先に感謝されない状態
- スキルアップが望めない、人間的な成長を全く感じられない状態
などは、仕事において「楽しくない」と言えるでしょう。
自分が楽しく働ける仕事をイメージするときは、「転職活動でまずやること」のステップ1~3で明らかにしてきた
- 転職したいと思った理由
- 自分はどのような人間か?
- 転職した先にある未来予想図
の中に、必ずヒントが隠されているので、3つのステップを振り返りながら、
- 自分に合った業界や業種
- 自分に合った社風や理念
- 自分に合った仕事や役割
- 自分に合ったポジション
- 自分に合った会社の規模
- 自分に合った職種や役割
などを明確にしていきましょう。
どんな仕事であっても、困難や混乱、思いがけない障害はつきものです。
そんなときに、やる気を奮い立たせてくれるのは「興味を持って、仕事を楽しむという姿勢」と「自分の仕事には価値があるのだという信念」です。
出典:ハイディ・グラント・ハルバーソン(2017)『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン.
転職活動でやってはいけないこと
転職活動を行うにあたり、絶対にやってはいけないことを3つご紹介いたします。
転職活動でやってはいけないこと
- 収入アップを最優先事項にする
- 履歴書や職務経歴書に嘘を書く
- 数多くの転職サイトに登録する
上記3つの「やってはいけないこと」は、
- 転職の目的を見失わない
- 等身大の自分で転職する
- 転職活動を効率良く行う
という点において、大きな阻害要因となるため、くどいようですが絶対にやってはいけません。
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
収入アップを最優先事項にする
転職活動でやってはいけないこと、ひとつ目は「収入アップを最優先事項にする」です。
年収アップを謳い文句しているハイクラス向け転職サービスもありますが、よほどの高い能力があり、専門的な知識やノウハウを持っていて、大勢の部下をマネジメントしながら業績アップに貢献した方でない限り、転職1年目での年収アップは望めません。
たとえ転職1年目での年収アップが実現したとしても、会社から大きな期待や重圧がかかる中、結果を出し続けなければなりませんから、それに応える自信がなければ、転職活動で収入アップを最優先に考えるのはやめておいたほうがいいでしょう。
もしも会社の期待に応えることができなければ、その後の待遇は厳しいものになることが予想されますし、年収アップによる幸福度についても、以下のような研究結果が報告されています。
プリンストン大学、ノーベル経済学賞を受賞したアンガス・ディートン教授の研究を紹介しましょう。
「ポジティブ感情」「憂うつでない」「ストレスフリー」の3つの指標で、「収入(年収)」と「幸福度」の相関を調べました。
結果は、年収4万ドル(日本円でいうと400万円くらい)までは、年収が上がれば上がるほど幸福度は比例して増えていきます。
しかし、年収600万円くらいになると、カーブは横ばいになり、年収800万円を超えると、あとは年収が大きく増えても、幸福度のアップは微々たるものという結果になっています。
つまり、「年収200万円の人が年収400万円に増えると幸福度は大きくアップするものの、年収800万円の人が年収1600万円になっても、幸福度はほとんど変わらない」というのが、この研究の示すところです。
出典:樺沢紫苑(2021)『精神科医が見つけた 3つの幸福』株式会社飛鳥新社.
履歴書や職務経歴書に嘘を書く
転職活動でやってはいけないこと、2つ目は「履歴書や職務経歴書に嘘を書く」です。
「履歴書や職務経歴書に嘘を書く人なんているの?」
と思われるかもしれませんが、自信を持って「はい、間違いありません」と答えられる内容でなければ、それは嘘と変わりありません。
例えば、職務経歴書に「自分の書いた記事が検索エンジンで1位を獲得した」と記載している場合、採用する側からすば、当然ながら「この人は、SEOライティングのスキルを持っている」と判断します。
しかし、実際は「自分ひとりで書いた」のではなく、検索キーワードの選定は上司が行い、執筆中も先輩に何度も添削してもらい、どうにかこうにか書き上げることができた…というケースでは、仮に内定をもらうことができたとしても、入社した後、会社の期待に応えることができず、大幅に評価を下げることになるでしょう。
ホントの自分で生きると幸せ
ホントの自分で生きないと自殺しているのと同じ
出典:斎藤一人(2021)『明るい未来の作り方』ぴあ株式会社.
数多くの転職サイトに登録する
転職活動でやってはいけないこと、3つ目は「数多くの転職サイトに登録する」です。
結論から申し上げると、
登録する転職サイトは種類ごとにひとつ、多くても2つくらいに絞り込みましょう。
例えば、求人を総合的に扱っている大手の転職サイトをひとつ(または2つ)、業種に特化した転職サイトをそれぞれひとつ…といった感じです。
ちなみに、ここでいう転職サイトとは、自分で求人を探して応募するタイプのWebサイトで、求人を紹介してくれる「転職エージェント」は含まれていません。
最適な求人を紹介してくれる転職エージェントとは異なり、転職サイトでは自分で求人を探して応募しなければならないため、情報が多すぎると応募する求人の絞り込みに多くの時間を費やしてしまいます。
加えて、転職サイトごとに機能や使い方が微妙に異なるので、利用する転職サイトの数だけ「慣れる」必要がありますから、限られた時間で効率良く転職活動を行うには、いろんな転職サイトに「登録しすぎない」ことがポイントです。
まとめ
今回は
- 転職活動を本格的にスタートする前に「まずやること」
- 転職活動を行うとき、「絶対にやってはいけないこと」
について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
忘れないように、もう一度おさらいしておきましょう。
転職活動でまずやること 4つのステップ
- 転職したいと思った理由を明らかにする
- 自己分析を通じて今の自分を再確認する
- 転職した先にある未来予想図を思い描く
- 自分が楽しく働ける仕事をイメージする
転職活動でやってはいけないこと
- 収入アップを最優先事項にする
- 履歴書や職務経歴書に嘘を書く
- 数多くの転職サイトに登録する
本記事では、
「転職活動でやってはいけないこと」を3つに絞ってご紹介しましたが、その他にも、
- 横柄な態度や乱暴な言葉づかい
- 不潔さを感じさせる身だしなみ
- 約束を守らない、時間に遅れる
など、
相手を嫌な気分にする言動は、転職活動中に限らず、普段から気をつけなければなりません。
また、「良好なコミュニケーションを築く」という意味においては、
採用面接や転職エージェントとのカウンセリング(無料相談)においても、
- 質問や回答はわかりやすく、簡潔に伝えること
- 自慢話や、本題とは関係のない話は極力控える
- 相手の話に耳を傾けて、正直に、誠実に答える
など、たとえ良い結果に結び付かなかったとしても、「相手に配慮する」「相手を尊重する」姿勢が大切です。
そうすることで、相手も仕事を抜きにして、ひとりの人間として、心からあなたの転職をサポートしてくれるに違いありません。
ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました (^.^)
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